全米オープンテニスで、大坂なおみはよく勝ちましたね。世界ランキングは彼女のほうが上でも、今回に関しては、経験値でセリーナ・ウィリアムズが有利かなと考えていたのですが、想像以上の完勝でした。
で、私の勝手な意見ですと、やはりこれはパワーですね。彼女の身長180㎝という体格は、これからのテニスでは必要な身長でしょう。伊達公子のように、163㎝の身長で世界のトップに行くのは、これからの時代ますます難しいでしょう。そう考えると、対外的には178㎝(実際にはもう少し小柄じゃないかな?)と公表している錦織圭も、小柄なのが本当に痛い。
さてさて、それとこれとは無関係ですが、ちょうどタイミングがいいというべきか、テニスに関する映画を観てきました。『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』です。1980年でのウィンブルドンでの、ビョルン・ボルグとジョン・マッケンローの対戦を描いています。
スウェーデン制作の映画だし、ボルグの子どもがボルグの少年時代を演じているくらいで、あくまでボルグ中心の映画ですが、しかしきわめて神経質なボルグの姿なども描写されていて、ご当人は、副題ではありませんが、決して「氷の男」ではなかったわけです。試合の際に「氷の男」であり続ける代償のようなものはあったわけです。
それで、上の映画での写真は、80年のウィンブルドン決勝での2人のショットですが、この写真では、ボルグのほうがマッケンローより大柄です。が、実際には2人はだいたい同じ身長だったようです。下は、実際の2人の写真です。
個人的な意見では、ボルグのほうは「そっくり」ですが、マッケンローのほうはちょっと違和感を感じないでもありません。まあしょうがないけどね。
それで、ボルグ、マッケンロー、大坂と、この3人が同じ身長であることに気づきます。公表されている身長が実際の身長かはわかりませんが、この3人はそんなに極端に身長が違ったりはしないのでしょう、たぶん。で、これが、まさにスポーツの進化であり変化であると私は考えるわけです。
前にこんな記事を書きました。
宮里藍は、女子ゴルフ界の大型化・パワー化に対応できなかったその記事の中で私は、
>スポーツというのはレベルが上がると選手が大型化し、パワーが重要になる
と指摘しました。今年の全米オープンで優勝したジョコヴィッチが188㎝、準優勝のデル・ポトロが198㎝です。今年のウィンブルドンでは、優勝はジョコヴィッチ、準優勝の南アフリカのアンダーソンは、203㎝の長身です。昔なら、アンダーソンやデル・ポトロのような2mになろうとする大男はテニスはしなかったのかもしれませんが、今はそうでもないということです。
そうなると、180㎝くらいの、けっしてそんなに大柄というわけでもない選手が活躍していた時代と今は、ずいぶん違うなと思います。むろん今のほうがレベルが高い。38年前と今を比較してもしょうがありませんが、スポーツというのもかくのごとく進化するのだなと改めて痛感します。下の写真は、(たぶん)2016年のお2人。
なお最後になってしまいまいたが、大坂なおみの活躍は、まさにアフリカ系日本人のアスリートの躍進を表しています。下の記事もご参照ください。
アフリカ系日本人のプロスポーツ選手の先駆け(の1人)だった