あ、すみません。『タワーリング・インフェルノ』に関しては、午前6時からの放送ですので、もうとっくに間に合わないかもですが、タイトルに書いたように、70年代半ばに制作された2つの映画の、これまた70年代に制作された吹替を、CSで鑑賞できるという今日はなかなかいい日です。シネフィルWOWWOWのページからのスクリーンショットを。
『タワーリング・インフェルノ』は、吹替ヴァージョンは4つあります。今回は、79年に制作された最初のヴァージョンで、宮部昭夫のスティーブ・マックイーン、川合伸旺のポール・ニューマン、近藤洋介のウィリアム・ホールデン、平井道子のフェイ・ダナウェイ、ロバート・ヴォーンは残念ながら矢島正明でなく小林恭治ですが(大変失礼)、城達也のロバート・ワグナー、野沢那智のリチャード・チェンバレンなど、まさに吹替黄金時代のすごい声優たちが勢ぞろいです。なお矢島氏は、のちにNTVのヴァージョンで、ヴォーンの声を当てています。おおっと、中村正のフレッド・アステアも絶品です。
この79年のヴァージョンは他局では放送されなかったのですが、ようやく昨年、この吹替を収録したソフトが発売されました。
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で、こういうことを書くと嫌がられるかもですが、やっぱり宮部さんのマックイーンと川合さんのニューマンに勝るものはないでしょう(きっぱり)。下の2記事を参照してください。
宮部昭夫と内海賢二、どちらがスティーヴ・マックイーンの声に合うか 宮部昭夫のスティーヴ・マックイーンの声はやはりいい(コメント欄を再開)内海賢二さんにうらみはありませんが、ほかはともかくマックイーンについては宮部氏のほうがずっといいと思います。その宮部氏のノーカットヴァージョンが鑑賞できるのだから、それに越したことはありません。NTVのヴァージョンも宮部マックイーンですが、これはカットが多い。あとTBSの内海ヴァージョン、CSのヴァージョン(これは、テレビ東京が地上波で流していました)もあります。
宮部のクールな声のほうが、マックイーンには似合うと私は思います。ところで『ブリット』には、宮部が担当したヴァージョンがあるらしいんですが、私もそれは未鑑賞です。はたして音源が残っているかも怪しいものがありますが、可能でしたらそれはぜひ発掘していただければです(以上、『ブリット』のWikipediaより)。
それで次は、本日22時45分からザ・シネマで放送される『突破口!』です。
こちらのほうは11月にも再放送がある模様です。それでこの映画の主人公であるウォルター・マッソーの声を左右田一平が演じ、凄腕の殺し屋のジョー・ドン・ベイカーを、川合伸旺(!)が担当しています。76年の製作とのこと。これ、私はそのかなり後の放送でこのヴァージョンを鑑賞したことがあるのですが、以前出ていたDVDなどにはこの時のヴァージョンが収録されておらず、聞くのは難しいかなと思いましたが、ようやく今年の7月にこれを収録したBDが発売されました。その関係で、このCS放送が実現したのだと思います。
ウォルター・マッソーという人は、日本では特定の声優が声を当てるということがなく、同時期に作られたアクション映画でも、『マシンガン・パニック』は佐藤英夫、『サブウェイ・パニック 』では富田耕生が担当、同時期制作のビリー・ワイルダーが監督した『フロント・ページ』では、上條恒彦といったところです。ちなみにジャック・レモンはお約束の愛川欽也。
それで、私の記憶では、左右田氏のマッソーはかなり良かったと思います。こういう優れものの吹替も、ぜひどっかに埋もれるのでなく、積極的に外に抱しれくれればなあと思います。いろんな会社さん、期待していますよ。ぜひ頑張ってください。尚子の映画については、ザ・シネマのこちらのコラムが、すごく充実しています。私の知らなかったいろいろな話がごってり書いてありますので、ぜひお読みください。なお、下の写真は、そうは見えないかもですが、マッソーです。変装しているわけです。強盗だからね。