こんな記事が掲載されました。
>河野外相、「次の質問どうぞ」をお詫び 「せめていつものように『お答えは差し控えます』と答えるべきでした」
河野太郎外相が記者会見で「次の質問どうぞ」と発言したことについて、ブログで「お詫びして、しっかりと改めます」と投稿した。
河野外相は11日の会見で、日露関係についての記者の質問に、4回にわたって「次の質問どうぞ」とだけ答え、メディアからその受け答えを問題視する報道が出ていた。
12月15日のブログでは、11日の質問の答え方について、「様々なお叱り」を受けたとし、「お詫びして、しっかりと反省すべきところと、若干の説明をさせていただきたいところがあります」と続けた。
批判は「質問への答え方が悪い、あるいは質問を無視している」ことと、「説明責任を果たしていない」の2点。1点目については、「お詫びして、しっかりと改めます」としたうえで、日露の条件交渉については国会でも一貫して答えを差し控えていると説明。記者会見についても、それまでも回答を差し控えていたとしつつ、
「それでも記者には質問する権利がありますから会見で質問が出るのは構わないのですが、11日の記者会見では、その質問には答えられませんという意味で『次の質問をどうぞ』と答えたのです。せめていつものように『お答えは差し控えます』と答えるべきでした」
つまりは、日本側から積極的に話したいことがない、ってことなんでしょうね。
北方領土の関係で、最初は、かなり返還、平和条約も近い、来年の参議院選挙は、これで自民党が勝利するなんていう話まで漏れ聞こえていましたが、どうもそういうものでもなさそうですね。ていいますか、北方領土返還に際しての大問題、日米安保除外と返還後のロシア人の扱い、他もそうですが、これがぜんぜん話が進んでいないんだから、返還どころの話じゃないでしょう。
だいたいプーチンが大要「2島の主権」なんて言っている時点で、ほぼ暗礁でしょう。マカオは、返還直前は、中国領でありポルトガルが行政権を持っているという扱いでしたが、日本は絶対日本領でなければNGでしょうから、そこからしてロシア側を説得する必要がある。どれくらの期間説得すれば可能ですかね? もちろんこれを解決することが最低の条件ですが、なかなか近々にできることではないと思います。
また、日米安保除外も、これ日本が米国に「除外してくれ」って頼んでも米国は断るであろうというのがもっぱらの話だし、私もそう思いますが、でもこれを何とかしないといけませんね。同じことを何回も書きますが、ロシアからしたら、領土で譲って、自国の至近に米軍基地? 馬鹿言うなということになります。初めから「日本は、これをうまく処理できないだろう」と見切っているかどうかはともかく、領土を返してもらってすぐ近くに米軍基地なんて馬鹿な話はありません。これも日本政府は何とかできるんですかね?
さらに在住ロシア人の扱いです。返還後も島に住んでもらうのか、出てってもらうのか。全員が全員出ていくということもないでしょうから、残る人にはそれなりの優遇措置を講じる必要があるし、出ていく人にも支度金ではありませんが、莫大な移転費用を払う必要があります。これは日本独自の問題ですが、ロシア人に日本国籍を付与することも検討しなければいけないし、事実上の半独立国みたいになるかもです。そういうことまで日本政府にそれなりのビジョンがあるのか。あるのかもしれませんが、まだまだ確固たるものにはなっていないのではないか。
いずれにせよ外相が、こんな逃げ回っている姿勢では、とてもとても北方領土返還なんて現実味がありませんね。旧ソ連が崩壊した頃である1990年前後なら、相当日本が有利な条件で交渉できたでしょうが、今のロシアはとてもそんな状況ではない。
以前この関係で次の記事を書いて、そこで次のような識者2人の言葉をご紹介しました。
北方領土問題の今後についての、2人の学者の意見(和田春樹氏の見解も知りたい)>わたしは(返還を)五分五分にみている
>わたしは2島も返ってこないと。
現段階では、返ってくる見込みは低そうです。それをどうにかするのが「外交」というものでしょうが、米軍基地の問題すら逃げ腰な日本政府にこれをどうにかするというのは想像以上に難しいと思います。inti-solさんがおっしゃるように、
>これは2島返還も実現可能性は残念ながらなない、ということなのでしょう。
ということなんでしょうねえ。けっきょく日本側は、ロシア側に対価どころか最低レベルの返還準備の条件も提示できていないと思います。これではどうしようもない。
個人的には、あそこまでぶちあげるのなら、もう少し態勢が整った段階で言うべきじゃんと思いますが、そのあたりもどうかですよね。言ったはいいが、ロシア側から足元を見られているだけじゃないですか。そう考えると、やはり拉致問題での小泉首相ら政府高官と外務省の対応は見事だったと思います。けっきょくあれは、北朝鮮側に国交とその後の経済援助という対価を提示して拉致被害者を帰国させることに成功したわけです。国民はその後いろいろ憤激しましたが現段階あれ以上のことを日本政府もできていません。今後もできないでしょう。それで、北方領土に関して、あのようなすごい成果が望めますかね。成果を出すには相当な対価を必要とするでしょうが、それを出せるのか。できないんじゃないんですかね。安倍晋三では、たぶんできないでしょう。
本日の記事は、上に引用したinti-solさんの記事からヒントをもらいました。