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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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アニメも、プライムタイムを担えない時代になった

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先日興味深い記事がありました。こちらを。

>2019.8.22 05:30

「ドラえもん」&「しんちゃん」土曜日放送に 10月から、“お引越し特番”も

   現在金曜日にテレビ朝日系で放映されている人気アニメ番組「ドラえもん」(後7・0)と「クレヨンしんちゃん」(後7・30)が、10月から土曜夕方の放送枠に移行すると同局が22日、発表した。

 「ドラえもん」は1981年から38年間、「クレヨンしんちゃん」は1996年から23年間、現在の時間帯に放映されている。同局によると、今の時代の子供たちのタイムスケジュールに合わせ、じっくりとテレビを楽しむことができる土曜夕方に「アニメタイム」を新設。「クレヨンしんちゃん」を午後4時30分から、「ドラえもん」を午後5時から放映する。「ドラえもん」に関しては、新しいオープニングや新コーナーなど、リニューアルも予定されている。

 この放送枠移動に伴い、同局は9月6日に「お引越し記念! ドラえもん誕生日スペシャル」を、13日には「クレヨンしんちゃん せぷてんばー引っ越せばースペシャル」を、いずれも午後7時から放映する。 

つまりプライムタイム(19:00~22:00)からの撤退ですね。「ドラえもん」も「クレヨンしんちゃん」も、もはやテレビ局を満足させる視聴率をプライムタイムで取れる時代ではないということです。

さてさて、前に「サザエさん」についての記事を書きましたが、

「サザエさん」の視聴率低下とテレビの社会的位置づけの変化について考える(9月4日更新)

ちょっと昨今のビデオリサーチ調査によるアニメ関係の視聴率を見てみたいと思います。出典はこちらのサイトより。バックナンバーをさがのぼって検索しまして、そのスクリーンショットをご紹介します。

 

 

週が飛んでいるのは、通常編成でなくアニメ枠が1時間になっている週が2週(「ドラえもん」と「クレヨンしんちゃん」で1回ずつ)あったのと、2番組とも放送されなかった週があったということでご了解ください。

こうやって確認してみると、「サザエさん」は現在日本で唯一10%以上の視聴率を期待できるアニメコンテンツです。「ドラえもん」も「クレヨンしんちゃん」も、7%に行くのも厳しい時代です。「サザエさん」の前番組である「ちびまる子ちゃん」も視聴率は厳しい。

そうこう考えると、テレビ朝日としてもしがらみがあるので打ち切りはしないが、正直もう視聴率を期待するコンテンツではないということですね。現状の視聴率を書投げると、「ちびまる子ちゃん」が今後も放送されるかは不明ですが、「サザエさん」は加藤みどりが降板してもたぶん放送は続くのかなと思います。次の番組が(アニメかどうかはともかく)10%を超える視聴率を確保できるかはかなり苦しいでしょう。なおフジテレビのこの2つのアニメコンテンツは、18時台の番組なので、プライムタイムの番組ではないことをお断りしておきます。

それで「名探偵コナン」も18時台の番組だし、これにて日本のアニメ番組はプライムタイムから完全撤退ということになります。これは、日本のテレビの編成市場のエポックメイキングな出来事なんだろうなと思います。

かつて土日の7時台は、「まんが日本昔ばなし」(土曜19:00)とか「世界名作劇場」(日曜19:30)といったアニメというより日本テレビ史上に燦然と輝くすごい作品(シリーズ)がありましたが、この両番組が90年代までに放送を終了したというのが、やはり今日の時代の先駆けだったのかもです。その後もなんとかかろうじてアニメは続いていましたが、やはり少子化の問題もあるし、時代が「ドラえもん」などのある種異常な人気のあるマンガの存在する時代でもなくなったし、また少子化の問題や、上の記事にもあるように塾の問題などいろいろな要素があるのでしょう。「ちびまる子ちゃん」の作者が昨年亡くなったことは、彼女はがんで早逝しましたが、これも象徴的だといえないでもない。

そう考えると、「サザエさん」は例外なのかもしれませんが、アニメというのも衰退コンテンツ、今後の見通しが立たないのだろうなと思います。テレビ自体がそうなのでしょうが、アニメの今後は相当暗いだろうなと考えて、この記事を終えます。


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