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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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官邸主導で拉致問題に対応するって、具体的にどういうことをするつもりなのか(過去全然できていなかったじゃん)

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ちょっと前の記事ですが、なかなか興味深い記事を。

>安倍首相、拉致解決へ官邸主導強化=北村氏抜てき、菅氏担当続投で調整
2019年09月08日07時08分

 北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向け、安倍晋三首相は11日の内閣改造を機に、首相官邸主導の態勢を強める構えだ。拉致問題担当相は内閣の要の菅義偉官房長官に引き続き兼務させる見通し。さらに、官邸外交を支える国家安全保障局長に、北朝鮮側との極秘接触が伝えられてきた北村滋内閣情報官の抜てきを調整している。
 首相は先月26日、先進7カ国首脳会議(G7サミット)後の記者会見の冒頭、G7全首脳から拉致問題で支持を取り付けたとアピール。その上で「あらゆるチャンスを逃さず、果敢に行動していく」と強調した。
 首相が拉致問題に前のめりになる背景には、北方領土交渉の停滞がある。首相は昨年9月の自民党総裁選で「戦後日本外交の総決算」を掲げて3選を果たしたが、ロシア側の態度硬化で領土交渉の進展は見通せなくなった。手掛かりがつかめないのは拉致問題も同じだが、「安倍外交で何らかの成果を残すには拉致問題に懸けるしかない」(政府関係者)との事情がある。
 改造内閣で留任する方向の菅官房長官は拉致問題の経緯を把握しており、この局面での拉致担当相の兼務の変更は「ないだろう」(政府高官)との見方が大勢。これに加え、官邸主導強化の象徴と目されているのが、警察省出身の北村氏の国家安保局長への起用だ。
 初代局長の谷内正太郎氏は元外務事務次官。後任も外務省出身者が就くとみられていただけに、北村氏を充てることには波紋が広がっている。
 北村氏は第1次安倍内閣で首相秘書官を務め、首相側近として知られる。外務省による「表ルート」で日朝交渉の突破口が開けない中、北朝鮮統一戦線策略室長とベトナムで昨年7月に極秘接触したと報じられるなど、かねて水面下での交渉の可能性が取り沙汰されている。
 首相は改造後の16日、東京都内で開かれる拉致問題の国民大集会に出席し、新態勢で解決を目指す決意を示すとみられる。ただ、政府内では「北朝鮮は米国しか見ていない。この状況が変わらない限り、拉致問題を動かすのは難しい」(外務省関係者)との声も強い。

個人的な意見を言いますと、時事通信は拉致問題でわりと意欲的な記事を書きますね。こちらの記事でご紹介した記事などもそうです。この記事も、他紙、他通信社、放送局などではなかなか書きにくい記事ではないか。

で、この記事の内容を私なりに要約すると、北方領土問題の解決が望めないと判断したので、安倍晋三は拉致問題解決にまたシフトしたということですよね。

しかしですよ。安倍が2島返還で北方領土問題を決着し、日露平和条約を締結したいとしたのは昨年11月じゃないですか。1年にもたたずこの始末ですか(苦笑)。予想通りといえば予想通りですが、しかしその際は確か「これで参議院選挙に大勝し、改憲に弾みをつける」なんて話がけっこうまことしやかに流れていましたが、事実上の断念ですね、これ。

さてさて、この記事が正しければの話ですが、今のところ安倍ほかから特に抗議もないみたいですし、だいたいの内容は正しいんでしょうね、たぶん。でもそうとなると、いろいろなことを考えざるを得ません。

それでこういう記事を読んで、巣食う会の連中はともかく、拉致被害者家族会の面々はどう反応するんですかね。本来ならこれ、安倍に対して「拉致問題を自分の政治の道具にするのもいいかげんにしてほしい」くらいの苦情を申し入れるべきでしょうに。でもまあそんなことはしないんでしょうね。で、なんでそういう態度なのかといえば、安倍に期待しているからだとか遠慮しているとかという話でなく、いまさら安倍批判もできない、安倍絶賛の引っ込みがつかないというものでしかないんでしょうね。

たとえば先日記事にした有本明弘氏にしたところで

>この6年半、拉致問題は進んでいないが…、北朝鮮にモノが言える政治家は安倍首相しかいない

ですからねえ。そんなん何の意味もないじゃん、具体的に安倍が何をしてくれたんですかかと聞かれて、有本氏(横田さん、増元照明氏ほかでも構いません)は何か具体的な回答ができるんですかね。とてもできそうにありません。

前私こういう記事を発表しました。

安倍政権の外交というのも、ほぼ失敗に終わっているといっていいのではないか

で、この時事通信の記事を読むと、私の意見もあながち的外れではなかったのかなと思います。正直現在の安倍政権で、佐藤栄作の日韓国交回復、沖縄返還、田中角栄の日中国交正常化、福田政権での日中平和友好条約締結、小泉純一郎の拉致被害者帰国の実現などの偉業に匹敵する実績なんてものはないわけです。これはたぶん強固な安倍支持者でも多くは認めざるを得ないのではないでしょうか。

それにしたって、拉致問題は難しいから北方領土、でやっぱりこれもだめだったからまた拉致問題ですか(苦笑)。何をいまさらながら安倍も場当たり的なだめな野郎です。そんな落ち着かない態度で、拉致問題にしても北方領土にしても、長期の外交懸念が解決できるわけもない。

だいたい上の記事にしたところで

>首相官邸主導の態勢を強める構え

なんて書いてありますけど、

>北村滋内閣情報官

を抜てきしたところで北朝鮮側とうまく交渉できますかねえ。具体的に対価を出さなければ北朝鮮だって話を聞いてはくれないでしょう。米国その他のG7(日本んは別と考えれば6か国ですか)が

>G7全首脳から拉致問題で支持を取り付け

なんてしたところで、安倍は「北朝鮮側が対話に応じれば、日本としてはこれこれこういう対価を出す用意がある」なんていう話を各国首脳にしているんですかね。していないんじゃないんですかねえ。あ、すみません。もししていてそれが明らかになればこのくだりは撤回します。でもしていない可能性が非常に強いと私は思います。おまけに昨今の韓国との関係悪化ですからねえ。前にも書いたように、2002年の拉致被害者帰国については、韓国の金大中大統領(当時)やその側近である林東源統一相(当時)その他による北朝鮮側への働きかけがありました。それが日本人拉致被害者帰国につながる大きな助けになったわけです。そういった恩人を荒木和博は殺されていればよかったんだと平然と書くくらいで、世の中ここまでの人間のクズ、忘恩の徒、非常識、馬鹿、最低、最悪、失礼な人間は、古今東西にも珍しいと私は思いますが、こういったクズどもの妄言はともかく、具体的に当時の韓国に匹敵する協力国ってあるんですかね? 拉致被害者家族ほかは、中国とはかかわりあいたくないとか主張しているようですが、そんな贅沢を言える立場か。まったくもってどうしようもないとしかいいようがない。これもたとえば拉致被害者家族に、韓国や中国に話を取り持ってもらえなくて拉致問題ってのはどうにかなるんですかねえとか聞いても、やっぱりまともな答えは返ってこないんでしょうね。あるいは「有本さん(横田さん、増元さんでも可)は、何がどうなれば拉致問題は動くと思いますか」という基本的な質問をして、どういう答えが返ってくるのか。大いに疑問なところです。

なおこの記事は、bogus-simotukareさんの記事を参考にしました。感謝を申し上げます。


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