先日次のような記事を発表しました。
スウェーデンの王室の決定について、日本人も日本の皇室と対比して考えてもいいかもしれないその拙記事に、拙ブログの常連コメンテイターでもおられるnordhausenさんから、次のようなコメントをいただきました。抜粋してご紹介。
>ところで、こんな報道もあります。
https://www.sankei.com/life/news/191021/lif1910210004-n1.html
旧皇族とその子孫の皇族復帰も話題になっていますが、仮にそれが実現したとしても、女帝を認めることを視野に入れるべきだと思います。
それで私の返しのコメントがこちら。こちらの該当部分の抜粋で。
>はい、私もその件には注目しておりまして、また記事を書こうと考えています。それでご紹介いただいた記事にもありますように
>>男系維持のため、旧宮家の男子が現在の皇族の養子か女性皇族の婿養子となるか、国民の理解に基づく立法措置後、了承の意思があれば皇族に復帰できるようにする。
というのは、はたして婿になる旧皇族がいるか(婿OKでも、はたして結婚が成立するか)、自分の子どもを皇族への養子にする旧皇族がいるか、皇族に復帰したがる旧皇族がいるか、いたとしてそれが国民の支持を集めるか、相当に疑問ですね。それより女性天皇を認めたほうが話も早いし国民の支持を集めやすい、というほうが現実的なアイディアですが、 それを絶対拒否ですから、話がなかなか進みません。
便宜上、コメントでの引用部分は「>」を1つ加えましたことをご了承願います。
それで、記事を全文引用しますとこうです。また、記事に添付されているまとめた表もご紹介します。
>旧宮家男子の皇族復帰を可能に 自民有志の提言案
2019.10.21 05:00ライフ皇室
安定的な皇位継承に向け、自民党の保守系有志議員による「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」(代表幹事・青山繁晴参院議員)がまとめた提言案が20日、分かった。例外なく父方に天皇がいる男系の継承を堅持し、旧宮家の男子の皇族復帰を可能とする皇室典範の改正か特例法の制定が柱。23日に正式決定後、安倍晋三首相や自民党幹部に直接手渡す方針だ。
提言案では、女性皇族が結婚後も皇室にとどまる「女性宮家」の創設について、婚姻した民間人男性が皇族となり、男系継承の伝統が途切れる女系天皇の呼び水になりかねないことから、否定的な見解を示す。
男系維持のため、旧宮家の男子が現在の皇族の養子か女性皇族の婿養子となるか、国民の理解に基づく立法措置後、了承の意思があれば皇族に復帰できるようにする。現在の皇位継承順位は一切変えないことも明確化する。
上でのコメントの返しに書いたことと重複しますが、そもそも日本国民が、男系継承なんてものに興味があるか(ほとんどの人はないでしょう)、旧宮家の人たちの中で、皇族の養子や婿になりたがる人がいるか、あるいは自分の息子をそうしたいと考えるか、きわめて疑問じゃないですかね。そもそも今どき皇族に復帰したいなんて考える人間は、正直まともじゃない人間である可能性が大きい(苦笑)。前記事でも書きましたけど、皇太子妃(当時)の候補といわれた女性が片端から結婚して逃げたことは、一般の人間にとって皇室に入るなんてことは「ご免こうむる」ことであるということであることを現しています。実際、正田美智子さんや小和田雅子さんが味わった苦労を考えれば、彼女らの判断は正しかったといっていいでしょう。
そうなると、女性の天皇をOKとすることのほうがはるかに現実的かつ合理的でしょう。いや、私は基本的にアンチ天皇制ですから、別に女性天皇絶対イヤだっていう考えに固執して天皇家が立ち行かなくなったって全然かまいませんけど、でも自称天皇(制)を尊重する、敬愛する、末永く続くことを願うなんて考えているらしい連中がこういう不合理な考えに固執しているのは、いつものこと、毎度おなじみの光景とはいえずいぶんこっけいなありさまではあります。
さてさて、そういうわけで私は、上のような提言には現実性がない、たぶん安倍晋三も適当にあしらって逃げるのではないかと思いますが、それはともかく。上のようなことを本気で考えるのなら、
>自民党の保守系有志議員による「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」(代表幹事・青山繁晴参院議員)
は、たとえば次のようなことについてどう考えますかね。
>中西進さん、竹田恒泰さん…各界からお祝いの言葉「真の安寧の実現を」「伝統の尊重に深く感銘」(1/2ページ) - 産経ニュース
(前略)
作家の竹田恒泰さん「天皇陛下には、即位礼正殿の儀をつつがなくお取り納めになった。誠に慶賀の至りに存じる次第である。陛下は、お言葉で、上皇陛下の歩みを心にお留めになりつつ、国民の幸せと世界の平和を願い、国民に寄り添いながら、日本国および国民統合の象徴としての責務をお果たしになるとのお考えを表明なさった。伝統を尊重なさるそのお考えに深く感銘を受け、令和の御代を国民の一人として支え奉ることを決意した。私たち日本国民も研鑽(けんさん)に励み、力を合わせて、令和の御代を築いていきたいと思う。令和の御代が『初春の令月にして、気淑(よ)く風和(やわら)ぎ』と表現されるように、人々が和を紡ぎ、世界が平和になることに期待を抱いていきたい。天皇(すめらぎ)弥栄(いやさか)」
(後略)
そういうことを本気で実現したいと思うのなら、竹田某みたいな人物にかかわるのはやめた方がいいんじゃないんですかね。まともな人間なら、竹田某みたいな人物を見ていたら、「こんなやつが元宮家?」といい顔しないでしょう(苦笑)。本来なら、そういうことを実現したいのなら、竹田某に「あんた迷惑だから引っ込んでいてくれ」っていうべきでしょうに。たとえば彼の次のような著書はどうでしょうか。 中学歴史 平成30年度文部科学省検定不合格教科書 決定版 日本書紀入門――2000年以上続いてきた国家の秘密に迫る 笑えるほどたちが悪い韓国の話 日本の民主主義はなぜ世界一長く続いているのか (PHP新書) 旧皇族が語る天皇の日本史 (PHP新書) 面白いけど笑えない中国の話 天皇は本当にただの象徴に堕ちたのか 変わらぬ皇統の重み (PHP新書) アメリカの戦争責任 戦後最大のタブーに挑む (PHP新書)以上は、Amazonから適当に選んだだけで、ほかにもいろいろあります。常識的に考えて、上のような本を出版しているような人物は、皇室にだって迷惑でしょうに。また、こういう本をたくさん出版している人物を、もちろん喜ぶ人間もいるでしょうが、本当に旧宮家を皇室に復活させたいのなら、嫌がる人間のほうが多いでしょう。もちろん竹田という人間はかなり特異な人間であって、ほかの宮家の人間はもっとまともでしょうが、彼のような人間がフロントに出ていたら、そのような運動にはマイナスでしょう。
が・・・私も詳しいことは知りませんが、竹田某に対して火中の栗を拾って迷惑だから黙ってくれなんて言う人間は、たぶんいないんでしょうね(苦笑)。いや、いるのかもしれませんが、でも何だか知りませんけど、産経とか右翼も、妙に彼を重用していますよね。
たぶんこれ、前記事にした、田久保忠衛が平和を批判したり(それ9条の改憲には、明らかにマイナスでしょう)、安倍晋三にいろんなこと(対中関係とか河野談話とか)で裏切られても絶対支持を崩さなかったり、拉致被害者家族が、荒木和博や西岡力と縁を切らなかったり安倍晋三をいまだ絶対支持しているとか、改憲すれば同性婚なども進展しうるなどと下村某が語ったり(そんなこと言うのなら、てめえの党所属である杉田水脈の暴言に関して、離党勧告するなり除名しろです)、福岡市の前観光親善大使が、自分は福岡のことが好きでないとテレビで話して放送前に自分のインスタグラムで嬉しそうに自慢するようなものなのでしょうねえ。下村の改憲についての与太は、右翼の連中から徹底批判されてすぐ逃げちゃいましたが。
自民党や安倍晋三のコアな支持者は同性婚なんて絶対反対なのだから、その連中を敵に回して改憲なんかできません。そんなん馬鹿でもわかるのに、下村は馬鹿よりもっとひどい(苦笑)。そんなことしたらかえってマイナスなのにするんだから、まったくひどいにもほどがあるというものです。でまかせやデタラメにもほどがあります。
ところでPHPというところも、上にあげたような右翼系の本をたくさん出版していて、これもひどいところですよねえ。パナソニックに迷惑にならないのか。もっとも昔はともかく、今はパナソニックにとってPHPなんて迷惑な存在なのかもですが
いずれにせよ竹田某にしても安倍晋三にしても、ある種の人間にとっては他には代えがたい何かではあるのでしょうね。それもどうかです。