逮捕になるぞなるぞとさんざん報道されていたので「やっぱり」でしかないですが、記事を。
>河井克行・案里議員を逮捕 2600万円で買収した疑い
2020年6月18日 15時04分
昨年7月の参院選をめぐり、票の取りまとめを依頼する趣旨で約2570万円の現金を地元議員らのべ96人に渡したとして、東京地検特捜部は18日、前法相の衆院議員・河井克行容疑者(57)=広島3区、17日に自民党を離党=と、参院選で初当選した妻の参院議員・案里容疑者(46)=広島選挙区、同=を公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕した。特捜部は認否を明らかにしていない。
河井夫妻、底なしの買収疑惑 コロナ禍で続いた特捜捜査
2人はこれまでの任意聴取に買収行為を否定していた。買収疑惑の発覚後も自民党議員として活動を続けていたが、16日付で離党届を提出し、国会が閉幕した17日に受理された。
特捜部の調べによると、克行氏は、案里氏が参院選への立候補を表明した昨年3月下旬から8月上旬までの間、案里氏を当選させるため、計約2400万円の現金を広島県議など地元議員や後援会・陣営関係者91人に渡した疑いがある。案里氏も同年3月下旬から6月中旬までの間、克行氏と共謀して計170万円の現金を5人に渡した疑いがある。
(以下有料記事にて略)
金を配られた側の供述がしっかりとられているようなので(おまけに秘書まで先日有罪になっている)、どっちみちご当人らがどうこう言っても有罪は動かないでしょうが、でもなあですね。前にこんな記事を書きました。
選挙に無理があったことが、この件の遠因ではないかという気がする(河井案里の不祥事)その記事でも書きましたように、これはそもそも自民党と旧民主党系の候補者が議席を分け合うある意味無風選挙区だった参議院広島県選挙区で「自民党の2議席独占」とか称して、現職候補に対抗する形で河井案里を立候補させたわけです。実際の安倍のねらいは、2議席独占でなくもともと関係の悪かった(以前安倍を「過去の人だ」と批判した)溝手顕正氏を落選させることでした。前にはそうは書かれていませんでしたが、河井案里のWikipediaにすら
>定数2の広島県選挙区において二人を公認するのは無謀であることから、自民党本部が無所属現職の森本真治ではなく、過去に「(安倍首相は)もう過去の人」などとして安倍批判を行っていた溝手潰しを狙っていたとの見方が報道されている。公示前、党本部は河井陣営に資金として1億5,000万円を振り込むが、溝手への支給額は1,500万円だった。二階幹事長や菅官房長官などの党幹部が選挙応援に訪れる中、案里は豊富な資金を元手に選挙戦を有利に進め、同年7月21日投開票の結果、順位2位で初当選した。溝手は約2万5千票差で落選。
などと書かれるという事態になったわけです。なお上の引用で、注釈の番号は省略しました。
それで彼女の夫は、これまたWikipediaに
>安倍晋三の信奉者で、『月刊Hanada』2018年7月号に「安倍総理こそノーベル平和賞だ」と題する文章を寄稿した
なんて書かれていますからねえ。そういう人間でなければこんなやばい話に乗らないし、またその件の論功行賞がなければ法相という格の高い政府高官なんかになることもないわけです。それで就任してから2か月で辞任して、さらにそこから1年も経たないうちに指揮権を持っていた検事総長をトップとする組織の検察に逮捕されているんだから、お話にもならないとはこのことです。無様で無残にもほどがある。
でもさあ、こうやってむりやり選挙で勝ったって、地元の自民党県連の怒りはすさまじいし(当然ですよね。こんなことされたら県連からすれば迷惑にもほどがある)、溝手陣営だって検察ほかにいろいろ決定的な情報を流すわけです。それで私がネットで記事を読んだ限りで意見を述べると、地元の『中国新聞』も相当に厳しく河井夫婦を批判していますね。たぶんですが、その報道姿勢を可能としているのは、地元の自民党の怒りを背景にしているのだと私は考えます。おそらく必ずしも溝手陣営ではなくても協力している関係者がいる
それで1億5千万円の金が入れば、これ「買収しろ」って言っているようなもんですよね(苦笑)。案里の選挙運動をしてくれなくても、溝手側の選挙運動をしないでくれれば、相対的には案里有利になる。そして選挙で当選を勝ちとったわけです。
まあそれにしても、安倍という男の馬鹿でクズぶりもひどいですね(苦笑)。本来なら当然安倍だってもっと早く2人を切り捨てたいところでしょうが、こういう経緯があるからまさに逮捕直前の自民党離党を許すなんていう甘い態度になるし、この2人だって立候補から当選までの経緯があるから、議員辞職なんかしないわけだし、離党すらギリギリの段階までしないわけです。正直その気持ち、わかります(苦笑)。とくに奥さんの方は、自分は好きで立候補したわけではないっていう気持ちはあるんじゃないんですかね? 立候補するにしても、違うタイミングでしたかったでしょう。
ほんと、上で使った表現を繰り返せば、無様で無残にもほどのある光景です。まったくお話にもなりません。安倍みたいな最高レベルの馬鹿でクズがえんえん首相を続けるからこんな愚劣なことになるのです。2013年の選挙の時は、さすがに安倍も対立候補を出すには至りませんでした。