過日の記事を。
>オリンパス、赤字のカメラ事業を売却 OM-D、PEN、ZUIKOブランドは新会社が継承
2020年06月24日 17時25分 公開
[谷井将人,ITmedia]
オリンパスは6月24日、カメラの製造販売を行う映像事業を国内投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)に譲渡すると発表した。
映像事業を継承する新会社を設立し、株式をJIPに譲渡する。新会社はオリンパスのカメラブランド「OM-D」「PEN」や、交換式レンズのブランド「ZUIKO」などを継承し、オリンパス製品のカスタマーサポートも続ける。
オリンパスは1936年からカメラの製造を続けてきたが、スマートフォンやタブレットの進化によってカメラ市場が縮小。生産拠点の再編や交換レンズの値上げなどで業績改善を図ってきたが、2018年3月期以降は赤字が続いていた。
「JIPのもとで事業を展開することが、映像事業の自律的かつ持続的な成長を実現し、オリンパスの製品を愛好するお客さまへの価値提供と、そのために働く従業員にとって最適であると判断した」(オリンパス)
個人的には、ついにこの日が来たかなというところですね。実は私も、かつて数年間、正確には3年間オリンパスのコンデジを使っていました。1台は、紛失してしまい(たぶん盗まれたのだと思います)、同じ機種を買いなおしたのですが、それは2018年に故障、現段階それが私が買ったコンデジの最後です。
私は、デジタル一眼レフを使いこなすほどのカメラ好きではありませんが、しかしやっぱりスマートフォンに特化したくないという気持ちも強かったので、コンデジを使い続けたのですが、しかし2013年の時点で私はこのような記事を書いています。
次に買うコンデジが、最後のコンデジ購入になるかもこの記事を書いた時点で、コンデジもそろそろおしまいかなあと考えつつ、2015年にカメラを購入しました。
カメラを替えたこのカメラを2016年正月に紛失して、すぐに買い替えたのですが、2018年にて故障ということになったわけです。それ以降コンデジの購入はしていません。さすがに修理をする気もしなかったので。
2015年暮れ~2016年正月の、台湾での数枚の写真(追記:台湾での地震について)今の時代、北京でもそうでしたが、高級なデジタル一眼レフを使いこなしている人間は、そのほとんどが定年退職をした人ですね。もちろん趣味人としてカメラを使っている若い人もたくさんいますが、現実問題として趣味としてカメラを持つのなら、今の時代スマートフォンでじゅうぶんです。それ以上は、コンデジですともはや購入の意味が低いし、高級な一眼レフは、高すぎるし、買っても買った金額に見合うだけの使いこなしはまず難しいと思います。逆に使いこなせる人は、なんであろうと購入するのですが、その数がそんなに多いとは考え難い。
実際最近、今年は野球の始球式というのはやっていないのかもしれませんが、審判の後ろでカメラを構えている人もスマートフォンで撮影している人が多かったし、また記者会見などもスマートフォンで撮影している人が目立つようになっています。業務用の写真もスマートフォンが増えているのだから、素人さんの写真はますますスマートフォンでOKということになるでしょう。
それでこの報道のちょっと前ですが、これもやはりその関連ということになりますね。
>アサヒカメラも休刊、純広告11ページに激減で白旗、カメラ7割減が直撃
経営戦略2020/06/03 12:34
朝日新聞出版は6月1日、月刊カメラ雑誌「アサヒカメラ」を6月19日発売の2020年7月号で休刊すると発表した。1926年(大正15年)4月に創刊し、今年で94年目を数える総合カメラ誌がまもなく消える。2010年頃までは5万部以上あった発行部数は徐々に減少。2018年以降は2万部台まで落ち込んでいたものの、直近の数号は3万1500部まで持ち直していた。しかし、同社によると「この数年伸び悩んでいた広告収入が、今回のコロナ禍で激減。紙の定期刊行物を維持することが困難だと判断」し、休刊を決めたという。
休刊直前の6月号に掲載されている純広告のページ数は、自社広告を除くと11ページ。しかも、カラーの広告ページはわずか5ページしかない。窮状がうかがえる。一方、誌面は充実している。「いまこそ、フィルム!」と題した渾身の特集だ。デジタルカメラ全盛時代に、あえてアナログのフィルムやカメラ、写真をぶつけた。
特に、現在入手可能な68種類のフィルム特性を実写で比較した企画や現在入手可能なフィルムカメラをまとめた企画は圧巻だ。まるで100年近くカメラ雑誌の頂点に君臨してきた同誌の墓標のようだ。
今後は、朝日新聞出版のニュースサイト「AERA dot.」内の記事としてカメラや写真関連の情報を配信。写真家の作品や撮影ノウハウの紹介、撮影ルールやマナーの問題などにも取り組んでいく。紙媒体は増刊やムックなどで引き続き刊行していく方針。同誌中心に実施してきた木村伊兵衛写真賞については、朝日新聞社、朝日新聞出版の共催で継続する。
今年に入って古参のカメラ雑誌が消えるのは、4月に突然休刊した「月刊カメラマン」に続き2誌目。スマートフォンの影響で、もともと縮小傾向にあるカメラ市場だが、新型コロナウイルス感染症の影響が加わって、販売台数は激減している。
特に、3月以降の縮小はすさまじく、BCNが調査した販売台数前年同月比は3月が50.1%、4月が31.5%と7割減。5月は多少持ち直したものの35.5%と回復には程遠い。カメラ雑誌の淘汰はさらに進みそうだ。(BCN・道越一郎)
え、『アサヒカメラ』ってまだ発売していたの、ってのは冗談ですが(でもこれが決して冗談でない人はかなり多いはず)、個人的には部数が上向いていたというのはかなり意外だったのですが、(当然ながら)どっちみち広告がなければカメラ雑誌なんて継続できませんから、コロナウイルスの関係も確かにあるのでしょうが、これも遅かれ早かれだったんでしょうね。コロナウイルスがなかったとして、あと6年がんばって創刊100年まで到達できたか。たぶんできない相談だったと思います。
前『アサヒグラフ』について、銀行や医院の待合室くらいでしか見たことがないっていう揶揄した言葉を聞いたことがありますが、そんなことが語られているうちに休刊になってしまいました。時代が変わったので、『アサヒグラフ』のような雑誌に存在意義があったかというと休刊(廃刊)時にはたぶんもうなかったでしょうが、雑誌の性質は専門誌ですからまた違いますけど、『アサヒカメラ』もちょっとどうこうできるようなものではなかったでしょうね。これもやっぱり、カメラというものがすでに「高級」とかそういう意味合いのある商品ではなくなったということなのでしょう。
いずれにせよカメラ業界というのはきわめてよろしくない状況だなと思います。やっぱり大手企業のデジタルカメラからの撤退というのがこれからも起きるのだろうな、関係している雑誌なども継続は厳しくなるのだろうなと今のうちから覚悟して、この記事を終えます。