8月にこんな記事を書きました。
プロ野球界を去った後、素行不良がひどくならないか心配だそれでその記事の続きを。たぶんですが、今シーズン終了後に関係する記事を少なくともあと1つは書くと思います。
>首都高爆走の西武・佐藤龍世に懲役3か月、執行猶予2年の判決「深く反省」
ニュース/コラム2020.10.08
西武球団が判決内容を発表、無期限の対外試合出場禁止などの処分を当面の間継続
西武は8日、4月に首都高速道路中央環状線山手トンネル内を法定速度を大幅に超過する速度で走行したとして、起訴されていた佐藤龍世内野手が東京地方裁判所において、懲役3か月、執行猶予2年と判決が言い渡されたと発表した。
佐藤は自粛期間中の4月12日に法定速度(時速60キロ)の首都高速道路中央環状線山手トンネル内を、89キロ超の149キロで走行し、道路交通法違反の罪に問われていた。この日、判決が言い渡された。球団はこの判決を受け、無期限の対外試合出場禁止及びユニホーム着用禁止の処分を当面の間継続するとした。
判決を受けて佐藤は球団を通じて「この度の違反行為は、自らの甘さが招いたことであり、多くの方の信頼と期待を裏切ることとなり、深く反省しております。本日の判決については、大変重く受け止めており、二度とこのようなことを起こさないよう十分に注意いたします。自分が今後できることは、支えてくださっている関係の方々や期待してくださっている多くのライオンズファンの皆さまに対し、グラウンドで結果を残すことだと考えております。その日に向けて、精一杯、練習に励みたいと思います。この度は大変申し訳ございませんでした」とコメントを発表した。
(Full-Count編集部)
これもいつもの定型的なお詫びのコメントですが、
>自分が今後できることは、支えてくださっている関係の方々や期待してくださっている多くのライオンズファンの皆さまに対し、グラウンドで結果を残すことだと考えております。その日に向けて、精一杯、練習に励みたいと思います。
てのは「どうもなあ」ですね。関係ないじゃないですか、仕事とは。例えば勤め人(私もそうです。)が、このような懲役判決を受けて「お詫びに仕事に励みます」、商店主、実業家が「商売(経営)に励みます」、学生が「学業に励みます」なんていったって、それとこれとは話が別でしょう(苦笑)。刑法上の罪は、仕事や学業で償うものではないでしょう。刑務所で償わなければいけないこともあるし(時には、命(=死刑)で償わされることもある)、罰金、今回は執行猶予でもあるので再犯はしないということで償うしかないでしょう。
が、それはこの記事で書きたいことではありません。この判決の前に報道されたこちらの件です。
>首都高149キロ爆走の西武・佐藤に懲役3月求刑 速度違反は「相内さんの指示に従った」
10/1(木) 21:44配信
(略)
リポートによると、同乗していた相内誠投手(26)と共に「無期限の対外試合禁止及びユニホーム着用禁止処分」のペナルティーを受けている佐藤被告は、新型コロナウイルス拡大のため球団から外出制限を受けていた4月12日午前6時15分、千葉県内のゴルフ場へ向かうため、東京・目黒区の首都高速・山手トンネル内で制限速度60キロを89キロオーバーする149キロで車を走行させた疑い。阿曽山によれば、28日の罪状認否では「間違いありません」と消え入るような声で罪を認めた。
佐藤被告はスピード超過について「同乗していた先輩の相内さんの指示に従った」と語ったといい、中古車購入の際に備え付けられていたオービス探知機が何のための装置かを知らず、走行当日も警報音が鳴っていたが、相内から「トンネル内は大丈夫」と言われ、無視をしていた。また当時の相内の様子については、「助手席でオービス(速度違反自動取締装置)の場所を知らせるアプリを見ていた」などと証言したという。
当時乗っていた車はすでに売却。佐藤被告は「一生運転はしない」とも語り、現在はタクシーで自主練習に通っていることを明かした。今後は本拠地・メットライフドーム近くに住居を移し、自転車で通勤する意向を語っていたという。
検察側は佐藤被告に対し、懲役3月を求刑。判決は来週中に言い渡される。
ほんとに一生運転しないのかよ(喉元過ぎれば熱さを忘れる)という疑問は生じますが、それはさておき。私が興味深く思ったのが、佐藤が
>スピード超過について「同乗していた先輩の相内さんの指示に従った」と語った
というところです。つまり佐藤は、相内を「悪者」にする証言をしたわけです。
現実に車内でどのようなやり取りがあったかはわからないし(私は確かに、そんなところだろうなという気はしていますが、あくまで「気はしてい」るというレベルの話ですからね)、全て自分の責任ですといえばそれはそれでありですが、たぶんですが球団から「相内の指示だっと証言しろ」と言われたのでしょうね。おそらく自分だけの意志で、このような証言をしたのではない。弁護士だって、このあたりは慎重に考えるでしょう。運転している自分だけの責任ではないという証言を後輩がしたということは、つまりは相内にもそれ相応の責任はとってもらうよということです。球団は、相内を見捨てたのでしょう。
それでこんな報道もあります。
>西武・相内誠「あきれる。」インスタ投稿で憶測広がる 佐藤龍世の初公判報道との関連指摘も
2020年10月02日13時28分
プロ野球・西武ライオンズの相内誠投手が2020年10月2日未明にインスタグラムのストーリー機能で「あきれる。」と投稿した。
1日の夜には、運転中のスピード超過により道路交通法違反に問われていた西武・佐藤龍世被告が初公判で「同乗していた先輩の相内さんの指示に従った」と語ったことが報じられていた。そのためファンからは、これについての投稿なのでは、と指摘する声が相次いでいる。
「あきれるのはこっちや」
(中略)
この報道を受けてかは不明だが、2日未明に相内投手はインスタグラムで真っ黒な背景に「あきれる。」とだけ投稿。ファンからは「相内のインスタのストーリーなんなん」「相内のインスタは誰に言ってるん?自分?佐藤龍世?それとも世間?」「あきれるのはこっちや」といった反応が上がっている。
相内の投稿の真意はわかりませんが、彼も事実上「お手上げ」という覚悟をしたんじゃないんですかね。すでに来期はないよという通告みたいなものを球団側から受けているかもしれない。
相内は、養護施設で育ったりと恵まれない成育歴がありました。そういう彼にとってプロ野球の選手になれたというのは、人生でこれ以上にないチャンスだったわけです。しかし前記事でも書いたように、ドラフト指名後での交通事犯や喫煙ほかのトラブル頻発で、しかもこれといった活躍ができていない。さらに今回は、後輩をも巻き込むトラブルになってしまった。球団側からすれば、これだけ我慢して面倒も見てきてやったのに、迷惑をかけるのもいいかげんにしろというところがあったはず。それはしょうがないことです。仕方ないことですが、やはりメンタルの面できわめて未熟なところがあったんですかね。野球にかぎらずスポーツ選手でも、能力はきわめてすぐれたものがあるのにメンタルが劣悪で伸びない選手というのが少なくありません。どうも、相内も、それだけではないにしても、そういう側面はあったのだろうなと思います。
たぶん彼が戦力外通告を受けたことが発表になった後で、もう1回この件で記事を書くつもりです。トライアウトにも出ないだろうし、出たところで彼と契約を結ぶNPBの球団はないでしょう。今後どうやって生活をしていくかということを彼も考えないといけないでしょう。正直かなり厳しいと思います。
そう考えると、プロ野球の選手のセカンドキャリアというのも、彼のようにいろいろ問題がある人間についてが一番難しいですね。かなり極端な例を挙げると、浪費癖などがたたり強盗殺人をして無期懲役判決を受けた元プロ野球選手すらいます(小川博)。そこまではいかずとも、まともな人生を歩むためには、たぶん相内は人並み以上の努力を必要とします。このあたり周囲の手助けも必須でしょう。非常に心配です。今後も動向を注視できればです。