Quantcast
Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4143

『正論』の広告の入り方を解析する(2020年10月号)

$
0
0

以前このブログで、産経新聞社のオピニオン誌である『正論』には、どのような会社の広告がどのように入っているかというのを調べたことがあります。

『正論』の広告の入り方を解析する 『正論』の広告の入り方を解析する(2) 『正論』の広告の入り方を解析する(3)その1 『正論』の広告の入り方を解析する(3)その2

2009年から2010年にかけての記事であり、政権交代とその翌年に書いた記事です。

それから10年以上たち、自民党・公明党連合が政権を奪還、安倍晋三が首相に復帰ましたが、退陣となりました。しばらくぶりにこれをやってみようと思いまして、いつの号にしようかと考えました。そうすると、安倍が首相を辞任することを表明したのが、2020年8月28日というわけで、するとその直後に出た号がいいかなと考えて、2020年10月号を図書館から借りてきました。以下、それをサンプルとします。

月刊正論 2020年 10月号 [雑誌] Kindle版

まず裏表紙がフジテレビの広告です。これは以前と変わりません。表表紙の裏広告が、あいおいニッセイ同和損害保険です。その次が、日本製紙グループの会社である道央開発㈱の1ページ広告で、ゴルフ場の宣伝です。新聞社や出版社は莫大な紙を使うので、製紙会社とはいい関係にあります。

次に、目次の中の7ページに、1/4広告で、もちろん関連会社である産経新聞出版による単行本「李登輝秘録」の広告です。8ページに東海旅客鉄道株式会社(JR東海)の1ページ広告があります。JR東海の万年トップの人物が2013年に正論大賞を受賞していることも、この広告出稿に寄与しているのかな? 財界出身者でこの賞をもらっているのは、この人物だけのはず。

次が16ページに、「知られざる帝国海軍の栄光と遺産」なる集会の告知で、それによると

>C・W・ニコル先生を偲んで

とあります。え、ニコルって、こんなものにかかわるような人物だったのと思います。前彼について記事を書いたことがあり、そこでは天皇に対してかなり好意的な発言をしていることに気づきましたが、しかし産経なんぞとかかわるというのは、それよりかなり進んでいるということになるでしょう。それもどうかです。

C・W・ニコルの死からC・W・モスを思い出し、マイケル・J・ポラードの死を知る

それでこの企画の主催者は、産経新聞社であるわけで自分のところの広告ですが、協賛が大阪冶金興業㈱なる会社で、その隣が、その会社の1ページ広告です。たぶんこの2つの広告はセットであるはず。

ここまでがカラーの広告で、その裏の18ページの広告が、「習近平国賓来日に反対する日本国民の会」なるところの1ページ広告です。「習近平 国賓来日反対 署名お願いします!!」とあります。URLは書かれておらず、メルアドのみ記されています。こういう連中は、それで安倍晋三らへの批判には逃げ腰なのだから、まったく頼りないこと甚だしい。だから、安倍からも甘く見られて無視されるのです(笑)。

21ページが、「国守衆」という組織と日本文化チャンネル桜による広告です。どちらも水島総がトップの組織ですので、一括した広告なのかと思います。

その裏の22ページが、㈱フローラによる1ページ広告です。こちらは2008年でも広告がありました。Wikipediaによると、特にフジサンケイに広告を集中して出向しているというわけではないのですが、維新政党・新風の広報誌に広告を出稿しているというので、あるいは経営者が右翼なんですかね?

以上がグラビアです。ここから記事となります。しばらく全く広告がなく、106ページに、ホテルニューアワジの1/6広告があります。ここも、以前から広告を出しています。

それからさらにえんえん広告がなく、231ぺーじに雑誌『MOSTLY CLASSIC』の1ページ広告です。これも、発行が産経新聞社で発売が日刊工業社ですから、完全な自家広告ですね。ここの広告も、昔からです。

239ページに、フジサンケイグループの各社名を記した広告(フジテレビがトップなのが、やはり象徴的)があります。グループ全体で出稿という形なんですかね? これも前からあります。

次に247ページに、公益財団法人モラロジー研究所による1/3広告、「令和専攻塾 開塾記念 WEB特別講演会 塾長櫻井よしこ」とあって、9月13日から配信するとのこと。彼女の写真入りです。それにしても彼女の肩書が、「ジャーナリスト・モラロジー研究所顧問」というのには笑います。今時彼女のことを「政治活動家」「右翼活動家」と考える人はいても、ジャーナリストと考える人も以前と比べれば激減しているでしょうが、「モラロジー研究所顧問」ねえ。右翼活動家にこうやって小遣い出すのもいいかげんにしろですが、さすがに「ジャーナリスト」を自称していて、こんなところの「顧問」をしているというのも正気の沙汰ではありません(苦笑)。なお、彼女は、192ページからも、李登輝を追悼する記事を書いています。

余談ではありますが、櫻井って、ほんといつも自分の出る記事や広告ほかには、自分の肖像写真を入れますよね。この雑誌の寄稿では、他の筆者も写真があるので彼女だけの話でもないとしても、やっぱりこの人相当自己顕示欲が強いのかなと思います。

その次が、257ページに1ページ広告、「大日本帝国憲法復元を。」とあります。「大日本帝国憲法復元委員会」による出稿です。自裁錯誤も甚だしいですが、広告には、「日本国憲法という名の占領基本法を 総理大臣が無効宣言すると同時に 大日本帝国憲法に復元すべきです。 そしてすぐに、その大日本帝国憲法を改正します。」とあるので、さすがに「大日本帝国憲法」のままでいいという意見ではないようです。「意見広告」とあります。

なおその次のページが、山尾志桜里による記事ですからねえ(呆れ)。野党の代議士で弁護士資格を持っている人が、こんな雑誌に登場するのもどうかです。

そしてしばらくまた広告がなく、313ページに、1/3広告で、錦正社という出版社の広告があり、単行本と雑誌の広告があります。Wikipediaによれば、戦前から事業を行っている出版社とのこと。

それで342ページに1ページで「産経新聞出版の雑誌です」とあって、2冊紹介されています。発売は、日刊工業新聞社です。「月刊おとなのデジタルTVナビ」と「終活読本ソナエ」の広告です。どちらも、この雑誌というか、産経新聞の読者の高齢化を象徴しているのかも。なお、「ソナエ」は季刊誌です。こちらも自家広告です。

それで・・・349ページは『正論』の直販バックナンバーの案内、次のページは、『正論』年間購読キャンペーンの案内、ラスト裏表紙のフジテレビ広告の裏は扶桑社の広告で、これも昔と変わりません。以上です。

それでこういうこと言ってもしょうがないんですけど、調べていて実につまらないですね。前は、けっこうトンデモ広告があって面白かったのですが(例えば

>面白いのが、156ページの「男性差別をなくす会」というところの意見広告で、1/6ほどのスペースで「痴漢冤罪の危険性を無くすために鉄道各社に『男性専用車両』の設置を求めます」とあります。このサイト(というかブログ)を見ると、最近は更新されていないのですが、この意見広告を出した旨の記事がありました。

というのもあったのですが、すでにリンク切れです)、正直「いかにも」というところの広告が、モラロジー研究所くらいしかない。あとは、「大日本帝国憲法復元を。」も、意見広告です。前は靖国神社とか右翼系の組織の広告がいろいろ入っていたし、また多少なりとも大企業の広告もあったのですが、それも激減です。とてもまともに雑誌が出せるとも思えませんね。やっぱりフジテレビなどの援助が大きいのでしょうから、フジの悪質さというのもひどいものです。

面白くなかったので、今後このような記事を書くか未定ですが、状況が変わることもありえなくはないので、何かあったまた記事にします。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 4143

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>