先日こんな報道がされました。
>盗難の「戦場のメリークリスマス」ポスターが返却
[2021年3月18日22時19分]
東京・新宿武蔵野館で、故・大島渚監督の名作「戦場のメリークリスマス」および「愛のコリーダ」の修復版の劇場公開に向けて展示中だった、1点しかない「戦場のメリークリスマス」の海外版ポスターが15日午前に盗まれた件で、同館は18日、公式サイトで「本日、返却されてまいりましたので、ご報告申し上げます」と明らかにした。
また配給会社アンプラグドも、公式フェイスブックで「差出人不明で、新宿武蔵野館に返却されたという連絡を受けました。弊社も先ほど劇場に伺いまして、それが現物であると確認いたしました」と報告した。ポスター展は1度、中止していたが、レプリカのポスター展示に変更して展示するという。
今後について、アンプラグドは「権利元である大島渚プロダクション様とも協議いたしまして、これ以上の詮索は行わないつもりでございます。ただし警察によりますと、捜査は今後も継続されるとのことです」とした。また新宿武蔵野館は、防犯カメラを増設するとともにセキュリティー強化に一層、留意するとした。
盗難は15日朝に発生。アンプラグドは16日、公式フェイスブックなどで「現在、新宿武蔵野館ロビーにて展示中の大島渚監督作品ポスター展におきまして、3月15日朝に、何者かがポスターケースのネジを外して、オリジナルポスター1枚を持ち去るという事案が発生いたしました」と報告。「本ポスター展は、4月16日から本劇場で公開する『戦場のメリークリスマス4K修復版』『愛のコリーダ修復版』公開に先駆けての記念展示でした。大島渚プロダクション様のご厚意により、所有されている貴重な初公開当時の世界各国のオリジナルポスターをお借りして開催しておりました。今回盗難されたのは、1点しかない貴重な海外ポスターでございます」と説明していた。
それで上の記事にもあるように
>4月16日から本劇場で公開する『戦場のメリークリスマス4K修復版』『愛のコリーダ修復版』公開
ということです。それについての記事も。
>2021.01.08
「戦メリ」「愛のコリーダ」初デジタル修復で4月公開
日本映画が世界に誇る巨匠、故大島渚監督の、社会現象となった代表作「戦場のメリークリスマス」(1983年)と「愛のコリーダ」(76年)が初めてデジタル修復され、4月に公開されることが7日、分かった。大島作品が2023年に国立機関に収蔵される予定のため、最後の大規模ロードショーになるという。
故デヴィッド・ボウイさん、坂本龍一(68)、ビートたけし(73)らをメインキャストに据えた異色の戦争映画「戦メリ」(4月16日公開)は、4K修復版となって上映。大島作品では最大のヒット作だ。
太平洋戦争下のジャワを舞台に、収容所長のヨノイ大尉(坂本)と捕虜の英軍少佐セリアズ(ボウイさん)、ハラ軍曹(たけし)と捕虜で日本語が堪能な英軍中佐ローレンス(トム・コンティ)との関係から、東洋と西洋の衝突と相互理解を描いており、坂本の音楽も長く愛されている。
藤竜也と松田英子が主演した「愛のコリーダ」(同30日公開)は、1936年に起きた猟奇事件「阿部定事件」を題材としたハードコア映画。戦争が迫る不穏な時代を背景に、男女の究極の性愛を官能的に描いた。書籍を巡って裁判にもなったことでも知られる。
ジャン=リュック・ゴダール、マーティン・スコセッシ、クリストファー・ノーランといった巨匠たちもリスペクトをささげる、世界の大島による不朽の名作2本が、鮮明な映像でスクリーンに帰ってくる。
大島渚監督、伝説の2作品『戦場のメリークリスマス 4K修復版』『愛のコリーダ修復版』特別予告
2023年というのは、大島監督がお亡くなりになってから10年という意味なんですかね? それから国立機関(たぶん「国立映画アーカイブ」)に収蔵というのが、著作権上どういう扱いになるのか当方無知にて存じ上げませんが、つまりは保護を国に委託するってことなんでしょうかね。おそらく松竹や東映(『天草四郎時貞』)のものではなくて、大島渚プロダクションが著作権を持つ映画の収蔵という意味ではないかと思いますが、違うんですかね。すみません、以上のくだりは、私の勝手な憶測ですので、不備もあるかと思います。
以前私は、こんな記事を書いたことがあります。
やはり大島監督を語る際は、「愛のコリーダ」か「戦場のメリークリスマス」が話題になるのかも今回の上映は、まさに上の記事のタイトルがそのままというところかもしれません。このブログで1番お客の多かった記事は、『愛のコリーダ』再上映における藤竜也のインタビューを採録した記事と森友の関係の記事ですが、大島渚監督が亡くなった際は、拙ブログがgoo4位のアクセスを記録して驚いたことがあります。ほかにも主演の松田暎子(英子)を扱った記事も長きにわたってアクセスをいただいており、『愛のコリーダ』は、私にとっても印象深い映画です。
『愛のコリーダ』についての藤竜也のインタビュー 2000年(2)『愛のコリーダ』は18歳未満お断りの映画ですので(もちろんこのブログの読者の多くはそれ以上でしょう)、性的なシーンが苦手な人は観ることができないでしょうが、気にしない方は是非どうぞ。1976年の最初の公開時は、この映画を観にいくことはそれなりの「勇気」を必要としたかもですが、現在はそういったところもだいぶ薄れていると思います。いずれにせよ2023年以降は、劇場で観る機会が減るようですから、ここはこのチャンスは逃さないようにしたいものです。
『戦場のメリークリスマス』の話がありませんが、この映画で印象が強いのが、デヴィッド・ボウイが坂本龍一の頬にキスをするシーンで、画面が揺れるシーンです。これを観たとき私は(当然?)「あ、2人の心の動揺を表したんだな。さすが大島監督、うまいな」と思いましたが、これは完全なハプニング、偶然だったとのこと。Wikipediaによれば、大島監督は、奇跡だと語ったとかですが、そういう信じがたい偶然というのもあるのだと言うことです。
というわけでこれは4月の公開を楽しみにしたいと思います。読者の皆様もぜひどうぞ。