bogus-simotukareさんの記事を読んでいて、興味深いくだりがありました。
今日の中国ニュース(2021年5月18日分)(ボーガス注:楊海英の馬鹿さに心底呆れる、ほか)
首相の親書まで書き換えてしまう勢力が跋扈する日本の政界。彼らを選んだ国民の責任。その結果が今、中国リスクとして日本人を苦しめている。https://t.co/3cGE82GFPj
— 楊海英(Oghonos Chogtu, 大野旭) (@Hongnumongol99) May 18, 2021「はあ?」ですよね(苦笑)。いかにも怪しいなあですが、せっかくご当人がリンクしているのですから、記事を引用してみましょう。
>中国への安倍親書「書き換え」 外交で始まった側近政治
2021年5月18日05時00分
■「未完の最長政権」第3部第1回
一通の首相親書が、日中関係の軌道を大きく変えていった。2012年に首相の座に返り咲いた安倍晋三は当初「対中牽制(けんせい)」を強調したが、徐々に「競争」から「協力」へ軸足を移す。その転機となったのが「習近平(シーチンピン)国家主席に宛てた安倍首相親書の書き換えだった」。複数の政府関係者はそう証言する。
親書は17年5月、中国とのパイプを重視する自民党の二階俊博幹事長が中国が掲げるシルクロード経済圏構想「一帯一路」に関する北京での国際会議に参加した際、安倍が習主席宛てに託したものだった。
二階訪中には経済産業省出身で、首相側近の今井尚哉秘書官が同行。習と対面した二階は「ここで読んでください」と笑顔で親書を手渡したという。親書には、中国の一帯一路を評価する内容が記されていた。
中国に渡った親書の内容を知った国家安全保障局長の谷内正太郎は愕然(がくぜん)とした。自らまとめた原案から大幅に書き換えられていたからだ。安倍に面会を求め、詰め寄った。
「行政のシステムとして4大臣会合で了承された基本方針と全く異なる内容の親書が、私の知らないところで秘書官の一存で発出されたのはどういうことか。自分としては承服しがたい」
谷内はそれまで、集団的自衛権の行使容認など、安倍の外交・安保戦略の指南役を務め、安倍が創設した、日本の外交・安全保障戦略の司令塔「国家安全保障会議(NSC)」を束ねる初代の国家安全保障局長に抜擢(ばってき)された人物だ。
中国の一帯一路に対抗すべく、谷内らが「自由で開かれたインド太平洋戦略」を練り上げ、安倍は16年8月のアフリカ訪問で、この新戦略を日本外交の方針として世界に発信していた。
二階訪中はその翌年。谷内らが手がけた親書原案は「日本は一帯一路に慎重に対応していく」方針で作成され、安倍、麻生太郎副総理、菅義偉官房長官らの了承も取り付けていた。だが、中国側に渡った親書は、その方針と正反対の内容となっていた。
これ以降は有料部分ですが、ここまででじゅうぶんでしょう(笑)。それ安倍が承知の話じゃないですか(笑)。書き換えたのは安倍の同意あってのものであり、二階氏や今井氏が安倍の意向を無視して動いたというわけではない。当たり前でしょう(苦笑)。
だいたい楊説のように、仮に安倍が、二階氏や今井氏の無理やりの「書き換え」によって対中国への融和路線にシフトしたとしたって、その後安倍はその路線を続けたのですから同じ話です(笑)。別に安倍がだまされてそういった道へ強要されたわけではない。つまりは、谷内氏を安倍が斬って捨てただけの話でしょう。それにしてもさあ、
>中国に渡った親書の内容を知った国家安全保障局長の谷内正太郎は愕然(がくぜん)とした。自らまとめた原案から大幅に書き換えられていたからだ。安倍に面会を求め、詰め寄った。
「行政のシステムとして4大臣会合で了承された基本方針と全く異なる内容の親書が、私の知らないところで秘書官の一存で発出されたのはどういうことか。自分としては承服しがたい」
てねえ(苦笑)。
それは谷内氏としては
>自分としては承服しがたい
ということになるでしょうが、しかししょうがないよね。安倍のほうが谷内氏より上の立場なんだから。単に安倍が谷内氏を呼んで大要「谷内さんには大変申し訳ないが、総合的に物事を考えてここは中国側と協力することが国益になると考えた」とでもいえばいい話じゃないですか。そうすれば谷内氏だって(それなりには)納得するんじゃないんですかね。事前にそういう話をすれば、一応の「仁義」にはなるでしょう。
でも・・・安倍はそれをしなかったということですね。谷内氏からすれば「はしごを外された」「いくらなんでもひどい」ってことになりますね。安倍としては安倍が三顧の礼で起用した(? かどうか知りませんが、まあそんなに外れてもいないでしょう)谷内氏にそのような態度をとれなかったということなのでしょうが、そんな人物がプーチン大統領とか習近平国家主席、もちろん同盟国の米国のトランプ大統領(当時)あたりとまともに渡り合えますかね(笑)。できない相談でしょ、悪いけど。
以前私はこのような記事を書きました。
安倍政権の外交というのも、ほぼ失敗に終わっているといっていいのではないかこの記事を書いたのが2019年4月であり、それから安倍政権は1年4か月以上続いたのですが、特にその間に外交について何らかの得点を安倍政権が稼いだなんてこともありませんでしたよね。そういう安倍晋三をなぜだか知りませんがやたらありがたがっているのですから、産経とか日本会議とか「国家基本問題研究所」界隈とかの安倍支持者連中というのも、おめでたいというか安倍追従、盲従というべきか、呆れた連中です。
だいぶ話が長ったらしくなりましたが、そこで楊海英静岡大学教授です。彼は、ここまで黒を白、白を黒というレベルの嘘をついて、どうしようというんですかね?
これではほとんど櫻井よしこ、阿比留瑠比、島田洋一、黒坂真、百田尚樹ら並みのデマ屋といわれてもしょうがない。今あげた連中は、狂信右翼か学者であってもとても学問で評価されているとはいいかねますが、彼はそうでないしねえ(呆れ)。岩波書店のようなリベラル系の大御所出版社からも著書を出しています。つまりは彼は、こと学問に関してはそれなりの人物なのでしょう。そういう人物が、こんな嘘デタラメほざきますかね(苦笑)。桜井とか阿比留とか百田はガチの安倍狂信者でしょうが、彼はさすがに違うでしょ。要は、右翼界隈にこびているのでしょうが、そういうことをしていて彼の将来にプラスにはならんでしょ。だいたい日本右翼なんて、彼みたいに中国から日本に国籍をかえた人間なんて、ひどい差別意識を持っている連中がおおいんじゃないんですかね。たぶんペマ・ギャルポ氏にたいしてだって似たようなもんじゃないんですかね。そして楊氏やぺマ氏がそんなことを認識していないような頭の悪い人間とは、とても私には思えませんね。全く醜悪にもほどのある図式です。死の直前に『月刊Hanada』なんて極右雑誌に論考を寄せたらしい李英和教授について私が
>「月刊Hanada」なんていう雑誌が、北朝鮮うんぬん以前に在日コリアン(もちろん韓国籍の人もふくめます)のことをどう考えてどういう態度で接しようとしているのかまともに考えていたんですかね? そんなことで正確な認識を持てないほど、彼だって馬鹿でも狂信者でもないでしょうに
と書いたのと同じことがいえるはず。けっきょく彼らは、モンゴル、チベット、朝鮮(韓国)といった自分たちの出自を徹底的に裏切っていると思いますね。どうしようもないとはこのことです。
北朝鮮が崩壊する前に自分の会社を倒産させた無様で無残な話そして楊氏のツイッターなんかもほとんど「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」というレベルのろくでもないツイートが目立つ。いや、彼はまさに中国に対しては袈裟まで憎いんだろうけどさ(苦笑)。それにしたってもうすこしまともなことを書くべきでしょう。たとえばやはりbogus-simotukareさんの記事からのものですが、次のようなツイートはどうか。
皆さん、中国のプロパガンダにお気づきだろうか?何げなくテレビをつけると、そこにはチャイナ・ドラマや自然を紹介する映像が流れている。知らぬ間に親近感を植え付ける。それを大外宣という。対外大宣伝。そして、日本のテレビ局も金に釣られて親中映像を垂れ流す。情報戦で日本は既に敗戦。 pic.twitter.com/DJhPjtCmn3
— 楊海英(Oghonos Chogtu, 大野旭) (@Hongnumongol99) May 19, 2021そもそも具体的なことがなにひとつ書いていないので、反論するのもくだらないのですが、彼のいう
>チャイナ・ドラマ
ってなんですかね? かつての『冬のソナタ』あるいは最近では『愛の不時着』みたいに一般のニュースサイトなどでも取り上げられるような人気ドラマなんてありますかね? あるいは観ていなくても題名くらいは、出演者やアウトラインくらいは知っているようなドラマはあるのか。私は知りません。CSでやっているドラマか。一部の好き者が観ているだけだと思いますが。本気でこんなことを書いているほどのキチガイでは、彼もないでしょう。
>自然を紹介する映像が流れている。
いや、そんなのは昔からやっているでしょう(苦笑)。NHKの『シルクロード』とか。
>皆さん、中国のプロパガンダにお気づきだろうか?
>知らぬ間に親近感を植え付ける。それを大外宣という。対外大宣伝。
いや、それは「ソフトパワー」というものでしょう。別に悪いことではない。日本だってやっているし、それを批判したら世の中成り立たない。前に私は、このような記事を書きました。
じゃあてめえら産経新聞社社員は、中国製品を使っていないのかという話になる>ある国の政府や政策に批判的であることと、その国の工業製品を使用したり、文化(映画、絵画、文学、音楽、アニメーションのような創作物、建物、自然、歴史、食品その他いろいろありますわな)に親しんだりすることは、話の次元が違います。ベトナム戦争の時代だって、米国のベトナム撤退を叫ぶ学生だって、サリンジャーなどの米国文学を読むし、コカコーラは飲むし、米国のロックやフォークを聞いたし、米国映画も見たし、あるいはヒッピー文化にあこがれたわけです。ある国に批判的である=その国のあらゆるものを否定してその国の工業製品も使わない、なんて話ではない。
とその記事の中で私は書いています。当たり前の話じゃないですか。馬鹿も休み休み言え、デマデタラメもいいかげんにしろというレベルです。
ある段階で、彼は完全に常軌を逸した、戻れなくなる一線を越えたんでしょうね。それはご当人の問題ですので他人がどうこうできるわけではありませんが、こういうことをやっていると、たとえば岩波書店などは、次なる書籍を出すのか。しばらくすると付き合いのある出版社が右翼系のいかがわしい出版社が増えてこないか、さすがに大学当局もいい顔をしなくなる(現段階でじゅうぶん「注意」もありだと私は考えています)のではないか。ご当人そういうことが全く頭から飛んでいるということもないと思うので、それでもいい、この路線を走ると決めているのでしょう。それもどうかです。けっきょく「中国出身者」であるということにかこつけられて、日本右翼からいいように利用されているだけでしょう。そしてそんな連中の「反中」なんて、安倍晋三が反中路線に限界を感じて路線変更しても、満足に安倍を批判することすらできないという程度の代物に過ぎません。なんとも無様で無残な構図です。
なおこの記事は、引用させたいただいたbogus-simotrukareさんの記事を参考にしました。感謝を申し上げます。