先日の記事より。
山中氏・小此木氏・林氏が横一線、松沢氏が追う…横浜市長選の読売情勢調査 : 地方選 : 選挙・世論調査 : 読売新聞オンライン
>2021/08/15 05:00
読売新聞社は、22日投開票の横浜市長選について、電話による世論調査と取材を基に情勢を分析した。立憲民主党が推薦する元横浜市立大教授の山中竹春氏(48)、前国家公安委員長の小此木八郎氏(56)、4選を目指す林文子氏(75)が横一線で競り合い、前神奈川県知事の松沢成文氏(63)が追う展開だ。ただ、3割強の有権者は態度を明らかにしておらず、情勢は流動的。有力候補乱立で再選挙の可能性も取りざたされている。
選挙では、菅首相や自民党の地元議員の大多数が小此木氏を支援。秋に自民党総裁選や衆院選が控える中、政権の命運を左右する戦いの様相を呈している。
政党支持層への浸透を見ると、山中氏は立民の5割強から支持を集めている。小此木氏は自民の3割強を固めた。前回選で自公の推薦を受けた林氏は、自民の3割弱に食い込んでいる。 (後略) 見出しで >山中氏・小此木氏・林氏が横一線 とありますが、常識的に考えて先に記載のある人が有利なのでしょうから世論調査実施時点では、山中氏が有利なのでしょう。 他のメディアの調査状況をみてみましょう。地元の神奈川新聞の調査を。 >世論調査:山中氏先行、追う小此木氏 林・松沢・田中氏続く選挙 | 神奈川新聞 | 2021年8月14日(土) 20:06
任期満了に伴う横浜市長選(22日投開票)で、神奈川新聞社は13、14の両日、市内の有権者を対象に電話世論調査を実施し、取材結果を加味して情勢を探った。
過去最多の8人が立候補する中、元横浜市立大教授の山中竹春氏(48)=立憲民主党推薦=が先行し、前国家公安委員長で元衆院議員の小此木八郎氏(56)が追う展開。現職の林文子氏(75)、前神奈川県知事で元参院議員の松沢成文氏(63)、元長野県知事で作家の田中康夫氏(65)が続いている。
>山中氏と小此木氏が競り合う 横浜市長選挙tvk情勢調査
8/14(土) 21:16配信
tvkニュース(テレビ神奈川)
(前略)
調査は電話で、13日と14日に実施し、あわせて1107人の有効回答を得ました。
それとこれまでの取材をあわせた情勢では、
山中氏と小此木氏が激しく競り合い、林氏、松沢氏、田中氏が追う展開となっています。
太田氏、坪倉氏、福田氏の支持は広がっていません。
(後略)
>小此木氏わずかに先行、山中氏ら猛追 横浜市長選情勢調査
とありますので、調査日が9日・10日となると、数日の間にあるていど世論に変化があった可能性ががありますね。わかりませんが。
野党系候補である山中竹春氏なる人物をよく知りませんが、Wikipediaによると医学部の元教授ではありますが、医者ではなく統計学などの専門家とのことですね。問題点も指摘されていますが、正直そんなに強い候補とも思えませんね。自民党が統一候補を出せれば圧倒的に有利なのでしょうが、現段階では
>小此木氏は自民の3割強を固めた。前回選で自公の推薦を受けた林氏は、自民の3割弱に食い込んでいる。
という状況ですからね。けっきょく完全に分裂選挙ということになったわけで、小此木氏Wikipediaによると
>自由民主党横浜市連は自主投票を決定したが、同党市議36人のうち30人は小此木の支援に回った。
とのことですが(注釈の番号は削除)、もちろん有権者の動向までは指図できません。
今回は現職も出馬する選挙なわけですが、小此木氏という人物は、横浜市を地盤とする3代目政治家であり、神奈川3区での選挙も、2009年の政権交代の際は、比例復活もできずに落選しましたが、2012年、2014年、2017年の選挙は、2位の候補者にダブルスコアで勝利しています。基本的に出馬すれば、負ける候補者ではない。ところが日刊ゲンダイの記事に
>小此木さんは横浜を地盤とする3代目。地元の知名度は抜群です。それに比べ、野党の山中さんは、まったくの無名。なのに、互角の戦いになっている。この先、山中さんは知名度が浸透していくでしょうが、小此木さんには伸びしろが期待できない。小此木陣営にとって誤算なのは、選挙の争点が菅政権のコロナ対策になりつつあることです。当初はカジノを横浜に誘致することの是非が争点になると想定されましたが、やはり有権者はコロナ対策への関心が強い。この感染爆発は、投票日の8月22日までには収束しないでしょう。神奈川県の新規感染者も、過去最多を更新している。コロナが争点になったら、小此木陣営に逆風となるのは間違いありません
という談話が紹介されています。
常識的に考えて、本来なら世論調査では彼がリードするのが当然でしょう。が、どうも現状そうでない。このままでは結果も厳しい。なにしろ「神奈川新聞」の表記では、
>先行
ですからね。上の記事の指摘であるように、いまさら小此木という人が差をつめるというのは変な話です。
さてさてこうなって、これはまだ仮定の話でしかありませんが、もし山中氏の勝利となると、これは菅政権と自民党にとっては、かなり目もあてられないということになりますね。bogus-simotukareさんのご指摘を引用すれば
>1)コロナで支持率が低迷
2)現職支持という選択肢もあった(その場合は分裂選挙ではなく野党が勝てたかどうか)
3)菅は横浜が選挙区
4)渋々であれ、「菅内閣閣僚」なんて人物が菅の意向を無視して出馬するとは思えず、菅が出馬に同意したに決まってる
といったような問題がでてきます。
とくに分裂選挙でなければ、さすがに野党候補の勝ち目は薄いでしょうが、けっきょく両名の出馬断念も説得しきれなかったわけで、これは菅という人の能力に対する重大な問題が生じるということになるでしょう。
現段階自民党・公明党連合軍が次の選挙でどれくらい議席をとるか定かでありませんが、政権交代とまではいわずとも大幅な議席減となったら、巷の噂であるように、たとえば安倍晋三再々登板なんていう声が高まるんですかねえ(苦笑)。仮に高まって、それでまたまた安倍自民党総裁、安倍首相なんていう事態は私としてはもちろんごめんこうむりたいところですが、ただそうなると自民党の今後の衰退は、やっぱり加速するのでしょうね。安倍晋三は、「悪夢の民主党政権」なんていっていましたが、いまのところ「自民党も同じじゃん」という程度でしかない。つまりは、安倍の再登板とか再々登板なんていう話がでるのも、つまりは自民党の人材不足ということなのでしょうね。安倍もそうだし小此木もそうですが、彼らは3世代政治家です。失礼ながらお二方とも政治家として優秀な人間ではない。安倍もとても首相になったり再度首相になるような人間ではない。自民党だけの話でなく日本全体に大変な迷惑がかかります。
ともかく近いうちに衆議院選挙があるはずで、やはりこの横浜市長選挙は大きな指標になるはず。その結果がどうなるかは非常に興味深いですね。その結果があるいは安倍復権(?)なんていうことの遠因になる可能性もある。ここは私としても大変な関心を持って事態をみていきます。なおこの記事のヒントを、bogus-simotukareさんの上に引用した記事からいただきました。感謝を申し上げます。