まずはこちらの記事を。
>免許取得直後の「無謀かつ危険な運転」 同乗者に後遺症
戸田和敬2021年8月26日 15時00分
2019年10月に東広島市の市道で車を横転させ、同乗者の大学生の女性(21)らに重傷を負わせたとして、危険運転致傷罪に問われた元少年の被告(20)の判決公判が25日、広島地裁であった。藤丸貴久裁判官は「無謀かつ危険な運転だ」として、懲役2年8カ月(求刑懲役4年)を言い渡した。
判決などによると、当時18歳だった被告は19年10月10日夜、東広島市高屋町稲木の市道で乗用車を運転し、時速104キロで右折カーブに進入。曲がりきれずに車が横転し、後部座席の女性と助手席の男性(21)に重傷を負わせた。車外に投げ出された女性は、四肢まひの後遺症が残った。
検察側は、被告が法定速度が時速60キロの市道を一時150キロで走行し、100キロ近くまで減速してカーブに進入したと指摘。「気分の高揚から高速度の運転を見せつけようとした」と述べた。これに対し、被告は公判で起訴内容を否認。「曲がり切れると思った」として危険運転致傷罪は成立しないと主張した。
藤丸裁判官は判決で、被告はカーブ手前で減速しており、「制御が困難な高速度だと認識していた」として同罪は成立するとした。被告は当時、免許を取得して約1カ月で、同乗の男性が「やめろ」と何度も注意したにもかかわらず、「自身の運転技能や車の性能を過信し、自慢しようとした。あまりにも浅はかだ」と述べた。「被害者は重度の障害を一生背負う。結果は極めて重大」とした。
「被告は全くわかっていない」法廷での意見陳述
事故で重い障害が残った女性の将来は暗転した。2年近く経った今も自宅で療養を続けている。
(以下略)
以下は、有料会員のみ閲覧できる部分ですので、私はそうでないので引用できません。ただ最近、朝日と毎日は、有料会員になってもいいかなという気もします。
それにしてもひどいですねえ、この事故。
>免許を取得して約1カ月で、同乗の男性が「やめろ」と何度も注意したにもかかわらず、「自身の運転技能や車の性能を過信し、自慢しようとした。あまりにも浅はかだ」と述べた。
って(呆れ)、お話にもなりません。またこういう事故って、運転手がけっこう助かったり、怪我をしても他の乗っている人より軽いものですむ場合もおおいわけです。運転手は、本能的に自分の身を守るようにハンドルを切るし、またエアバッグなどの防御装置でも有利です。
それで私は、この事故については、こちらの記事を読んでいたので知識はありました。
『危険運転の被害で女子大生が全身麻痺に 再生医療に希望を託す両親の苦悩』【親なき後を生きる】
危険運転で全身麻痺となった女子大生 検察官に訴えた苦悩と加害者への思い >夜間、片側一車線の暗い一般道を、時速150キロで走ることに恐怖を感じなかったのでしょうか…… というのは、被害者の父親の方の弁です。文字の太字も、元の文のままです。それにしてもむちゃくちゃですよね。車の恐ろしさを何もわかっていないとしかいいようがない。
こちらも。同じ朝日新聞の記事で、同じ広島地裁の判決です。書いた記者も同じ方ですね。こちらの運転手の少年のひどさも、かなりすさまじいですよ。
>「夫婦で葬式、見ていてつらい」 車で酩酊の少年に実刑
戸田和敬2021年8月31日 9時30分
広島県庄原市の国道で今年2月、無免許のうえ酒に酔った状態で車を運転し、高齢の夫婦を死亡させたとして、自動車運転死傷処罰法違反(無免許危険運転致死)と道路運送車両法違反(無車検)の罪に問われた三次市の無職の少年(19)の判決公判が30日、広島地裁であった。日野浩一郎裁判長は懲役7年以上10年以下(求刑懲役8年以上13年以下)の不定期刑を言い渡した。
判決などによると、少年は2月7日午後4時10分ごろ、庄原市西城町大佐の国道183号で、飲酒して乗用車を運転し、対向車と正面衝突。軽乗用車を運転していた同町小鳥原(ひととばら)の岡田和歌子さん(当時80)と夫の重紀さん(同85)を死亡させた。
少年は6月の初公判で起訴内容を認めた。検察側の冒頭陳述などによると、少年は当日、寝起きに350ミリリットルの缶チューハイを半分飲み、午前9時40分ごろから約4時間半、缶チューハイ3本やウイスキーの水割りをコップ2杯ほど飲んだ。その後、車内などで缶チューハイ2本やビール系飲料1本を飲んで、50キロ以上運転。法定速度が時速50キロの道路を70キロ以上で走行し、事故を起こした。少年は無免許で、兄から譲り受けた車は車検切れだった。
7月15日の被告人質問で少年は「(飲酒は)少しくらいなら大丈夫だと思った」と話した。最終陳述では「自分の身勝手な行動で命を奪ってしまい申し訳ない」と遺族に謝罪した。弁護側は少年が反省の弁を述べていることなどから情状酌量を求めた。
判決は、「被告は足がもつれるほどの酩酊(めいてい)状態となり、危険を感じた同乗者に交代を提案されながらも断った」と指摘。「運転は危険性が高く、交通法規を無視した意思決定は強く非難されるべきだ。何の落ち度もない2人の命が失われた結果は重大だ」とした。弁護側は、少年が求刑後に「刑を受け入れる」と申し出たとして、控訴しない方針を明らかにした。
◇
この事件をめぐっては、同乗者の少年も道交法違反(無免許・酒気帯び運転同乗)の罪で三次区検が略式起訴。三次簡裁が罰金30万円の略式命令を出した。
(以下略)
これは本当にひどいですね。
>少年は当日、寝起きに350ミリリットルの缶チューハイを半分飲み、午前9時40分ごろから約4時間半、缶チューハイ3本やウイスキーの水割りをコップ2杯ほど飲んだ。その後、車内などで缶チューハイ2本やビール系飲料1本を飲んで、50キロ以上運転。法定速度が時速50キロの道路を70キロ以上で走行し、事故を起こした。少年は無免許で、兄から譲り受けた車は車検切れだった。
7月15日の被告人質問で少年は「(飲酒は)少しくらいなら大丈夫だと思った」と話した。
って、絶句するにもほどがありますね。飲酒が少しって、ぜんぜん少しじゃないじゃないですか(呆れ)。それにしても同乗者の少年も、
>交代を提案
って、私だったらそんな車こわくて絶対乗りません(当たり前)。交代を提案するどころの話ではない。ただこの事件の場合すごいのが、この少年の母親ですね。なにしろこちらによれば
>
(前略)
検察側の冒頭陳述によると、少年は7日、寝起きに350ミリ・リットル入り缶チューハイを飲んだ後、母親(52)と店でウイスキーなどを購入。約4時間にわたって水割りなどを飲んだという。
少年はその後、友人を乗せ、高速道路などを走行。頭がふらつき、足がもつれていることを認識しながら、友人が申し出た交代を断った上、途中で購入していた缶ビールを飲みながら運転を続けたという。
というので、こいつ未成年にしてアルコール依存症じゃないのとすら思いますが、
> 事故直後、少年の呼気からは基準値(呼気1リットルあたり0・15ミリ・グラム)の3倍超のアルコール分が検出。検察側は「運転操作が困難な状態だった」と主張した。
母親は道路交通法違反(無免許・酒気帯び運転)のほう助容疑などで書類送検されている。検察側は、母親が運転前の少年に「警察に捕まるから、走るなら(人目につかない)山の方に行きなさい」と指示していたことを説明した。
ですからねえ(唖然)。まさにこの親にしてこの息子としかいいようがない。どんだけ馬鹿でクズなんだか。この記事の見出しは、
>母親が「捕まるから山の方に行きなさい」と飲酒・無免許の息子に指示…夫婦死なす事故
です。なおこの母親は、不起訴処分になったとのこと。別に私は、やみくもに起訴しろとも思いませんが、それにしても「どうもなあ」ではあります。
それでは、なぜこの記事を今日書くかというと、やはりこの関係です。記事を。
>池袋暴走母子死亡事故 90歳被告に禁錮5年の実刑判決 東京地裁
2021年9月2日 16時43分
おととし、東京 池袋で車を暴走させて、母親と子どもを死亡させたほか、9人に重軽傷を負わせた罪に問われた、90歳の被告に、東京地方裁判所は「ブレーキとアクセルの踏み間違いに気づかないまま車を加速させ続けた過失は重大だ」と指摘し、禁錮5年の実刑を言い渡しました。
おととし4月、東京 池袋で車が暴走し、松永真菜さん(31)と長女の莉子ちゃん(3)が死亡したほか、9人が重軽傷を負った事故では、旧通産省の幹部だった飯塚幸三被告(90)が過失運転致死傷の罪に問われました。
裁判では運転にミスがあったかどうかが争点になり、被告側は「アクセルとブレーキを踏み間違えた記憶は全くない。車両に何らかの異常があった」と無罪を主張していました。
判決で東京地方裁判所の下津健司裁判長は、当時の車の状況や警察の鑑定結果などをもとに「ブレーキとの踏み間違いに気付かないまま、アクセルを最大限踏み続けて加速させ、事故を起こした。車の速度は最終的には時速96キロに達していた。車に異常は認められず、故障をうかがわせる事情も一切ない」と認め、過失は重大だと指摘しました。
そのうえで「松永真菜さんと莉子さんは突如として将来への希望や期待を絶たれ、愛する家族と永遠に別れなければならず、その無念は察するに余りある。遺族の悲しみは非常に深く、喪失感はいまだに全く埋められていない」として、禁錮5年の実刑を言い渡しました。
判決を言い渡したあと裁判長は被告に向かって「あなたの過失は明白だと判断しました。納得できるのなら、責任を認め、過失を認め、真摯(しんし)に謝ってほしい。それを実践してもらいたい」とことばをかけました。
法廷では妻と幼い娘を亡くした松永拓也さんも言い渡しを聞き、目を閉じて裁判長のことばに耳を傾けていました。
松永拓也さん「判決は前を向いて生きていくきっかけに」
判決のあと、妻の真菜さんと娘の莉子ちゃんを亡くした松永拓也さん(35)は記者会見を開きました。
松永さんは「判決が出た瞬間には涙が出てきてしまいました。2人の命が戻ってくれたらとむなしさも感じますが、きょうの判決は、私たち遺族が少しでも前を向いて生きていくきっかけとなり得ると思います」と話しました。
そのうえで「被告には、判決という客観的なかたちで事実が認められたことを受け止め、もう一度、自分自身に問いかけてほしいです。被告が控訴するかどうか、この先どうなるかはわかりませんが、これからも、2人の命をむだにしないために、裁判も、交通事故の撲滅に向けた取り組みも、私にできることはすべてやっていきたい」と話しました。
この事故もいろいろな問題がありますが、やはり世間の憤激をよんだのがこちらですかね。
>独自 池袋事故「フレンチに遅れる」
11月12日(火)
東京・池袋で今年4月、乗用車が暴走し、母子2人が死亡、10人が重軽傷を負った事故で、運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長が、「予約していたフレンチに遅れそうだった」と供述していたことがテレビ東京の取材で明らかになりました。 警視庁はきょう、起訴を求める「厳重処分」の意見を付け元院長を過失運転致死傷の疑いで書類送検しました。
(以下略)
そんなことで猛スピード出すか、ですが、交通事故をする人間とういのも、免許とりたての学生、免許すらない馬鹿な少年、この事故(Wikipedia)の運転手のご老体、どの人も実に事故を起こすにあたいしないことで、きわめて重大な事故を起こしていますね。予約に遅れそうだとか、友人を乗せて精神が高揚していた(?)、あるいは運転というものをなにも理解していなかったとか、まったくもってお話にもなりませんね。この3人とも、さすがにいろいろ禍根があるでしょうが、あまりに事態が重大ですからね。私もめったに車の運転はしませんが、しかししないわけではない。人間人殺しをするなんてことはめったにありませんが、交通事犯なら殺してしまうこともありうる。私も気をつけますので、読者の皆様も細心の注意で車を運転してください。よろしくお願いします。