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国会で、早い時点で北朝鮮拉致の可能性を指摘し政府側の答弁を引き出した橋本敦氏の死に際して、その件が必ずしも報道されていないことが拉致風化を物語る

拙ブログ記事へのコメント欄にてbogus-simotukareさんからいただいた情報で、共産党の参議院議員であった橋本敦氏がお亡くなりになったとのことを知りました。時事通信の記事を。

>橋本敦氏死去 元共産党参院議員
2021年10月18日17時58分

 橋本 敦氏(はしもと・あつし=元共産党参院議員)8月29日午前7時ごろ、老衰のため大阪府吹田市内で死去、93歳。大阪市出身。葬儀は近親者のみで済ませた。喪主は長男裕之(ひろゆき)氏。
 弁護士を経て、74年参院選の大阪選挙区で初当選。当選4回。党参院幹事長、参院懲罰委員長などを歴任した。

東京新聞の記事を。

>橋本敦さん死去 元共産党参院議員
2021年10月20日 07時52分
 橋本敦さん(はしもと・あつし=元共産党参院議員)8月29日、老衰のため死去、93歳。大阪市出身。葬儀は家族で行った。弁護士などを経て74年に初当選。01年まで4期を務めた。

熊本日日新聞の記事を。これは、共同通信の記事です。

>橋本敦氏死去
元共産党参院議員
共同通信 | 10月18日 16:23

 橋本 敦氏(はしもと・あつし=元共産党参院議員)8月29日午前7時ごろ、老衰のため大阪府吹田市で死去、93歳。大阪市出身。葬儀は家族で行った。弁護士などを経て74年に初当選。01年まで4期を務めた。

とあります。

東京新聞と熊本日日新聞の記事はだいたい同じですね。ところで橋本氏は、拙ブログの関心ごとで話をすれば、Wikipediaから引用すれば(注釈の番号は削除)

1987年大韓航空機爆破事件を受けて北朝鮮の拉致に疑惑を感じ、調査を始める。

1988年3月26日、参議院予算委員会において日本人拉致問題に関する質問をして国家公安委員会委員長梶山静六から北朝鮮による関与が濃厚とする政府答弁を初めて引き出す(失踪問題を国会で初めて取り上げたのは1980年、公明党和泉照雄。北朝鮮拉致問題を国会で初めて取り上げたのは1988年1月の民社党中央執行委員長塚本三郎)。1997年、再び拉致問題を参議院法務委員会で質問する。

として知られているかと思います。しかし、上で引用した時事通信や共同通信などの死亡記事では、そういったことは紹介されていませんね。それで我らが(笑)産経新聞の記事を拝見しますと・・・。

>磯崎氏「拉致濃厚」答弁引き出した共産橋本氏に弔意
2021/10/19 16:06

北朝鮮による日本人拉致の疑いを認める政府答弁を初めて引き出した共産党の橋本敦元参院議員が死去したことに関連し、磯崎仁彦官房副長官は19日の記者会見で、橋本氏に哀悼の意を表したうえで、「すべての拉致被害者の1日も早い帰国実現、拉致容疑事案などの全容解明へ、関係機関と緊密に連携しながら調査・捜査を推進したい」と述べた。

橋本氏は昭和63年3月26日の参院予算委員会で、当時の梶山静六国家公安委員長に北朝鮮が日本人を拉致した疑いを質問。55年、産経新聞が国家的な拉致容疑を初めて報じたアベック3組失踪などに関し「北朝鮮による拉致の疑いが十分濃厚」との答弁を引き出した。

(後略)

とあります。bogus-simotukareさんがコメント欄でご指摘のように、

>しかし、日経と時事は産経に比べて「記事の分量が少ない」ですね。そして拉致については全く触れていません。もちろん「共産党に冷淡なマスコミ」「橋本氏も政治家引退してからだいぶ時間が経った」つう事もあるでしょうがやはり「拉致の風化」もあるでしょう。

という感がありますね。さすがに2002年の拉致被害者の北朝鮮からの帰国の時期でしたら、こんなことはないでしょう。それで逆に、時事や日経以上に共産党に敵愾心がある産経が、官房副長官の談話の紹介という形式ではあるとしても、

>橋本氏に哀悼の意を表した

と書いているのが興味深いですね。つまりは、産経からすれば、敵という意味合いでは、

北朝鮮>共産党

ということなのでしょう。

それで、救う会のサイトにある「メールニュース」を確認しますと、この記事を書いている時点で10月20日には2つのメールニュースが発表されていますが、立民生方議員発言 どこが間違いか
岸田総理との面会後の記者会見概要であり、予想の範疇ではありますが、橋本氏逝去の件は触れられていないみたいですね(苦笑、いや笑ってはいけません)。

で、なんで救う会(巣食う会)が橋本氏がお亡くなりになったことを報じないかといえば、それは橋本氏というより日本共産党への敵対心の故なのでしょうね。それでいて、安倍晋三みたいな役立たずクズには最大限の支持をしているのだから、こいつらどんだけ恣意的でデタラメで、無礼千万な連中だというところです。もちろん橋本氏に限らず、小泉首相、福田官房長官、外務省の田中均氏らにもご同様(肩書は当時)。

それで偶然の同じタイミングで、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したと報道されました。

>北朝鮮が弾道ミサイルを発射、日本海に落下
2021年10月19日

日本の防衛省と韓国軍は19日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、日本海に落下したと発表した。

韓国の合同参謀本部は、北朝鮮東部の新浦からミサイル1発が発射されたと述べた。

一方、日本の岸田文雄首相は記者団に対し、発射されたのは2発だと説明。自身のツイッターに「毅然と対応してまいります」と投稿した。

北朝鮮はここ数週間、ミサイルの発射実験を繰り返している。9月30日には新型対空ミサイルを、同28日には新たに開発した極超音速ミサイル「火星8」を発射した。

日米韓の情報当局トップはこの日、ソウルで北朝鮮対策について協議していると伝えられている。そのタイミングで発射が実施された。

(後略)

ちょうどこの日が衆議院選挙の公示日だということもあるでしょうが、大した騒がれ方をしていませんね。つまりはそんなものは大して「脅威」ではないということが国民のコンセンサスになっているといって過言でない。で、それは拉致問題が国民の間から忘れられていく過程でもあったのでしょうね。以前選挙で拉致問題は争点になんかならんと書いて、関係者の方から苦言のコメントをいただきましたが、どっちみち拉致問題というのは、方向は、拉致被害者を北朝鮮から返してもらうということでどこの政党も一致している。しかし家族会も救う会も、やれ平壌に連絡事務所を設置するなとか、自分たちの唯我独尊の方針に固執するから、これまたまったくもってどうしようもないわけです。そういった連中の態度が、橋本氏の死去に対してこれといった反応をしていないという無礼なことの原因です。もちろんそれに具体的な反論なり自分たちで連絡事務所を設置するなどをしない日本政府に大きな問題があります。

ところで昨日記事にした森山真弓は1927年生まれ、橋本氏は1928年生まれです。津田塾の専門学校から東京大学に進んだ彼女と、旧制浪速高等学校を経て、京都大学法学部を卒業した彼は、ちょうど旧制から新制の教育課程の過渡期に大学に進学したわけです。なお同じ1928年生まれの手塚治虫は、やはり浪速高校を受験しましたが、落ちています。彼もまた、戦時体制の下、医者を早急に要請するための学校である大阪帝国大学附属医学専門部に入学し卒業しています。また同じ年に生まれた有名な政治家としては、土井たか子もそうです。戦争についてのマンガもいろいろ描いていた手塚はもちろん、土井たか子もやはり、昨日指摘したように、戦争経験というものが、彼女の人生に大きな影響を与えたように思いますね。橋本氏について詳しいことは何も私は知らないので滅多なことは言えませんが、やはり彼が弁護士から参議院議員として活躍した背景にも、戦争の関係でいろいろ苦しい思いをしたという経験がいろいろバックボーンにあるのではないか。

資質の問題から生きた時代まで大差があるにしても、あまりの落差に驚く(森山真弓と杉田水脈)

橋本敦氏のご冥福を祈ってこの記事を終えます。また情報を提供していただいたbogus-simotukareさんにも感謝いたします。こちらの記事もご一読願えれば幸いです。

今日の朝鮮・韓国ニュース(2021年10月19日分)

 


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