Quantcast
Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4143

新潟で、北朝鮮・拉致問題・北朝鮮への帰国(帰還)問題に関する映画の上映会がある(都合をつけて、行ってみようかと思う)

$
0
0

bogus-simotukareさんの記事で知ったのですが、12月4日と5日、新潟市で、「第3回北朝鮮人権映画祭」なるものが開催されます。ポスターは下。

個人的な意見では、5日の映画のほうはそんなに興味がないのですが(相対的な意味であって、全くないわけではありません)、4日のほうの映画はぜひ見てみたいですね。特に井上梅次監督の『絶唱母を呼ぶ歌 鳥よ翼をかして』と望月優子監督の『海を渡る友情』は非常に興味があります。前者はともかく後者はおそらく上映後の関係者によるトークでは、悪口三昧にもほどがあるというものでしょうが、やはりこの映画を観ることは、私も拉致問題や北朝鮮問題に興味を持ちかかわっているからには、避けては通れないと考えています。

望月優子は、私などは、大島渚監督のデビュー作『愛と希望の街』で、主人公の母親を演じた人というイメージが強いのですが、彼女は1971年から77年まで社会党の参議院議員を務めたくらいで、こういった問題にもかなり熱心な人だったのだろうと思われます。それでこの映画については、彼女のWikipediaにすら記載されておらず、彼女はとっくの以前に亡くなっているのですから黒歴史として封印されているということでもなさそうですので、いわば完全に関係者からも忘れ去れていた作品ということなのでしょう。製作が東映教育映画ということで、つまりは当時は、東映のような映画会社でも(教育映画とはいえ)このような映画を製作したということです。実際キャストも、水戸光子西村晃加藤嘉(彼は、望月の義弟でもあります。今井正監督作品『』で望月と共演もしていました)などなかなかの人たちをそろえています。加藤は、たぶん身内であると同時にイデオロギー的にも望月と相通じるものがあったのでしょうが(彼は左派です)、西村などはたぶん望月の心意気に共感しての参加ではないか。すみません、このあたりそうでなかったら訂正します。また撮影は、中尾駿一郎で彼は今井正作品の常連カメラマンであり、上記『米』でも撮影を担当しています。彼もたぶん左翼的な心情での参加ではなかったか。

この映画は、図書館などには16㎜フィルムなどで所蔵されていることもあるようですが(なにしろ「教育映画」ですから)、最近は「昔はこういう映画も制作されていた」みたいなニュアンスで、ちょいちょい上映されることもあるようです。現在からすればいろいろ批判されるところの多い部分が目立つ映画ということになるでしょうが、上にも書いたように、映画好きを自称していて、北朝鮮問題にもいろいろと興味のある私としては、この映画の鑑賞はやはり必要なことだと考えます。そういうわけで、なんとか都合をつけて観てみたいと思います。

それでもう1本『絶唱母を呼ぶ歌 鳥よ翼をかして』で、こちらは統一協会(統一教会とも。現・世界平和統一家庭連合)が制作したという話のある(原作者が統一協会メンバー)作品で、これまたいわくつきの映画ですが、これも映像ソフト化はされていないと思うので、かなり興味深いですね。キャストも、沖田浩之坂上味和藤巻潤萩尾みどり柳生博新藤恵美二木てるみといった人たちが出演しています。井上監督という人は、Wikipediaから引用すれば

>日本の映画監督としては初めて、スタジオ撮影によるテレビドラマを監督した

という人であり(太字もそのまま)、基本的に仕事のオファーはあまり断らない人だったと思われます。世間的には、天知茂時代の「江戸川乱歩の美女シリーズ」のメイン監督(1~19話まで。1977年~82年)で有名かもしれません。また夫人である月丘夢路のWikipediaにも記載がありますように、彼女は若干統一協会と関係がありましたので、たぶんそういう絡みもあって、この仕事を引き受けたのかもと思います。実際彼は、これが彼の映画の遺作となった『暗号名 黒猫を追え!』は、当時スパイ防止法制定に動いていた統一協会系の資金で制作されたとされています。この映画は、妙にキャストが豪華で、Wikipediaから引用すると、

野々村志郎警視:柴俊夫 吉野年男:榎木孝明 高松晃:国広富之 大田黒洋:高岡健二 野々村京子:田中美佐子 清水くみ子:中島ゆたか 島田みどり:音無真喜子 高松ひろみ:木村弓美 谷警部:荒木しげる 坂本刑事:三ツ木清隆 加藤刑事:真夏竜吾 三上警部:新藤栄作 島田公平:伊吹剛 甲山:片桐竜次 野々村徹:森次晃嗣 島田の姉:月丘千秋 野々村の父:久保明 中田警視:本郷功次郎 天野警視監:山村聡

であり、え、なんでこんな人たちがこんな映画に出演するのという気がします。たぶん多くは、事情がよくわかっていなかった、仕事を選べる立場でなかったとかいうことなのでしょうが、それもどうかです。月岡千秋と真夏竜(上では、「竜吾」)は、前作に引き続いての出演です。月岡は夢路の妹としての身内出演として、真夏氏は、井上監督に気に入られたんですかね? なおこの映画は、内容が内容だけに映画館での上映を拒否され、1987年の製作からようやく2008年に上映されました。DVDの購入もできますので、興味のある方は、統一協会への資金提供になると躊躇されなければ買ってみてもいいかも。実は私も買いました(笑)。なお、イデオロギー的な評価は別としますと、やや内容を盛り込みすぎて散漫になってしまっているというレビューが多いように感じます。

話がだいぶとびましたが、今回上映される映画は、アクションでなくヒューマンドラマでしょうから、これもどういう映画になっているか興味がありますね。面白いかどうか、それをイデオロギーとどう超越しているか、時代の推移に耐えるものなのか、いろいろ確認できればです。観に行って、記事にしようと思えば記事にします。その気にならなければしないので、乞うご容赦。

ただこれは映画の出来うんぬんとはまた話の次元が違いますが、この映画の上映を企画している人たちは、基本に日本人妻の自由往来について反対してませんかね。拉致問題とそれは別個に考えるべきだろと思いますが、例えば拉致被害者家族による平壌への日本政府連絡事務所設置拒否など、いかにそういうことを実現阻止するのかということに全力を尽くしているように感じます。要は「あんたたち単なる反北朝鮮だろ」ということです。この連中が単なる「反北朝鮮」なことは、別にどうこういう気もいまさらありませんが、この連中と拉致被害者家族が完全な同盟関係、はっきりいって主従関係にあることは、実にいろいろな点で不幸なことですね。心底そう思います。なおこの記事は、上にリンクした記事以外に、bogus-simotukareさんのこちらの記事を参考にしました。感謝を申し上げます。

「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」を笑おう(2019年5/31分)(追記あり)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 4143

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>