こんな記事が出ました。朝日新聞の記事より。
>「残業代ゼロ」厚労省懸念 政権、前のめり 競争力会議
山本知弘、清井聡
2014年4月23日02時58分
政府は22日の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)で、労働規制を緩和し、法律で定める時間より働いても「残業代ゼロ」になる働き方を一般社員に広げる議論を始めた。働き手本人の同意が条件だが、厚生労働省は、経営者の立場が強いため、本人同意が強制されるとの懸念から慎重な考えを示した。長時間労働の拡大につながりかねず、大きな議論を呼びそうだ。
「残業代ゼロ」一般社員も 産業競争力会議が提言へ民間議員の長谷川閑史(やすちか)・経済同友会代表幹事が22日、労働時間ではなく、成果をベースに賃金を支払う仕組みを提案した。例えば、子育て中の女性などが退社後に自宅に持ち帰って仕事ができるようになれば、企業は子育て・介護世代を活用しやすくなり、雇用が増えると主張した。
議長を務める安倍首相は「時間ではなく、成果で評価される新たな仕組みを検討してほしい」と指示した。今回の提案では、年収が1千万円以上など高収入の社員のほか、労使合意があれば一般社員も「残業代ゼロ」の対象とする。長時間労働の拡大を防ぐため、政府が労働時間の上限の基準を示し、労使で決定することも盛り込んでいる。
個人的な意見を書けば、安倍晋三(だけではもちろんありませんが)が考えそうなことです。inti-solさんがおっしゃるように
>こんな制度を導入して、働く人にとって得になることは、ほとんどないと思われるので、私は断固として反対です。
という以上のものではないでしょう。
で、しばらく前にこんなことも報道されました。今年3月の記事を(魚拓)。引用は一部。
>安倍晋三政権が成長戦略の柱と位置付ける国家戦略特区の最大のポイントは、雇用の規制緩和だった。現在の日本の労働法制は解雇を厳しく制約している。特区における規制緩和は、
(1)労働者と経営側が事前に契約を交わし条件や手続きを明確にしておけば、解雇しやすくなる
(2)有効契約で5年を超えて働いた人が、無期契約になれる権利をあらかじめ放棄できるようにする
ことを目指した。外国企業の進出やベンチャー企業の設立を容易にし、海外からの投資を呼び込む狙いがあった。
だが、雇用の規制緩和は野党や労組、マスコミから「解雇特区」「ブラック企業特区」と批判された。首相周辺は「雇用軽視のレッテルを貼られたら、安倍政権の実績が吹き飛びかねない」として雇用の規制緩和を先送りした。しかし、「失業なき雇用の流動化」をスローガンに掲げ、雇用見直しを加速させたい安倍政権は、岩盤と見なされてきた雇用の規制を打ち破る突破口として、バーチャル特区の福岡市での実験的導入を目指す。
これも、そうとう好意的に考えても
>働く人にとって得になることは、ほとんどないと思われる
というものでしょう。が、これは別に意外ではありません。安倍なんてそんな男です。
がですよ、これはいくらなんでもひどいんじゃないんですかね。
産経新聞 4月27日(日)7時55分配信
連合は26日、第85回メーデー中央大会を東京・代々木公園で開催した。安倍晋三首相が自民党政権の首相では13年ぶりに出席。首相はあいさつで、「何としても賃金の上昇を実現させたいとの思いで政労使の懇談会をつくった」と述べ、春闘でベースアップが相次いだ実績を強調した。
(後略)
ここまでくると率直に言って笑っちゃいますね。いや、まじめに考えれば笑っちゃいけないんだろうけど、このような労働者に不利益な制度改革をしようとする人物をメーデーに呼ぶ労働組合の元締め団体って、私にはそれこそ肉屋を支持する豚というレベルだと思います。もちろん安倍だって、こんなところで解雇特区や残業代ゼロへの理解を求めるような演説なんかしはしないでしょうが、どちらにせよ安倍といい連合といい、どうしようもない連中です。いちおう私も労働組合員ですが、いいかげんうんざりしました。
なお、参考になる記事を書いてくださったinti-solさんに感謝を申し上げます。