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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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当然といえば当然だが、渡辺徹の早逝の原因は、大食いだけでなく、休むべき時に休まなかったのだろうと思う(たぶん同じ年の生まれの香川伸行も同じ)

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ネットをあさっていて興味深い記事がありました。

《追悼》渡辺徹さんが闘病中、親友の茨城・古河市長に語っていた覚悟「役者は体が弱いと思われると、仕事がこないんだ」

記事のタイトルにもあるように、現・茨城県古河市の市長の方(針谷力氏)は、渡辺徹と親友であり、幼稚園から高校まで同級生の幼馴染だったとのこと。私が印象に残ったところを引用します。

>本人は近しい人以外には言っていませんでしたが、何度も倒れていました。舞台も透析のスケジュールに合わせて調整していたと聞いています。郁恵さんのおかげで体調管理もされて、少し安心していたのですが……。

 徹がいつも話していたのは、『役者という仕事は体が弱いと思われてしまうと、役者の仕事がこなくなってしまうんだ』と。本人は内緒にしていた部分が相当あったんじゃないかなと思います。でも、徹、まだ早すぎるよ。体が悪いんだから、ゆっくり生きていくはずだったんじゃないのか。今は、ゆっくり休んでほしいです

渡辺徹は、体調を崩して病院に行った際はまだ意識があったようですが、まもなく意識がなくなったとのことなので、つまりは相当に急速に悪くなったと思われます。「細菌性胃腸炎」とはつまりは食中毒ということですが、その細菌がどんどん体にまわってしまい、敗血症となって亡くなったわです。記事を。

> 最後に会話をしたのは20日の入院時だったといい「入院中はICUに入っていたので、20日に『大丈夫?お父さん、何いる?』と声をかけたのが最後です。最後の最後まで希望を持とうという気持ちでいましたが、私が仕事でいない時に何かあったらという不安もありました。でも、そんな無責任な人じゃないから大丈夫だろうと」と回復を信じたことを告白。最期には「感謝の言葉もそうですし、手にぎってあげればよかったねと声を掛けました」と明かした。

榊󠄀原郁恵と息子の渡辺裕太による記者会見が、笑顔だったということですが、どうも2人とも、だいぶ以前からそれ相応の覚悟はしていたのだろうなと思います。

それで、昨今はさすがにだいぶテレビの仕事も減ってきた(ナレーションが主で、俳優としての仕事は舞台に限られた)ようですが、おそらくなんですが、本来休んで入院や治療に専念しなければいけない時期に、彼は仕事をしたし、またそのストレスを食べることで晴らし続けたんじゃないんですかね。そしてさらに体調を悪くしたのではないか。

かなりの肥満で、糖尿病や人工透析に苦しんだ有名人というと、私が思い出したのが元野球選手(キャッチャー)の香川伸行です。香川は、

> 妻・弘美さんは結婚後に香川さんの糖尿病を知り、食事を節制するように促したが、支持者との会食など目が行き届かない場所では管理ができず、気がつけば現役時代110キロだった体重は138キロに。身体にも不調をきたすようになるが「なるようにしかならへん」と病院通いを拒んだ。

 香川さんは楽観的な性格だったが結婚7年後、最悪の事態を招く。07年、糖尿病が影響し腎不全に。身体障害者1級となり、人工透析を一生続ける生活を余儀なくされた。定職に就いて仕事するのが困難となるも、子どもたちはまだ学生。経済的な問題が弘美さんに重くのしかかった。

とのことで、香川は2014年に亡くなっているので、透析開始から7年の命だったわけです。渡辺は、人工透析を始めたのが2016年とのことで、透析開始後6年の命でした。開始の年齢が違うので一概には言えませんが(香川は46歳で開始、渡辺は55歳。なお偶然ながら2人とも1961年生まれ。渡辺は、香川の死をどう考えたか?)、死因も香川の心筋梗塞、渡辺の敗血症とまた違いますが、おそらく香川よりは、渡辺の方が節制もしたし医学的な治療もいろいろ受けていたはずであり、その予後の悪さの共通というのもいろいろ考えさせられますね。

で、香川は、ご当人のパーソナリティのせいもあるでしょうが、経済的によろしくないところがあり(破産したとのこと)、本来休んで入院でもしなければいけない時期に働いてさらにストレスがたまり無茶な暴飲暴食に拍車がかかった。渡辺と似たようなところがあるのでしょう。それにたいして渡辺は、経済的には申し分ない立場にありましたが(成城に豪邸を建てました)、やはりちょっと無理な量の仕事をひところはしたのでしょう。前に私は、所属していた文学座が渡辺を甘やかしたのではないかと指摘しまして、それが間違ってはいないでしょうが、香川の減量に対して所属球団の真剣度がやや不十分だったところがあったように、渡辺に対しても、文学座ばかりでなくおそらくテレビ局ほかも相当甘い態度に終始したのでしょう。榊原郁恵は、夫の大食に切歯扼腕しましたが、しかしなかなか渡辺の大食いはやまなかったわけです。こちらの記事を。

>「妻の榊原郁恵さんはカロリーと栄養バランスを計算し尽くした食事を作って、健康管理を徹底しました。それでも染み付いた食生活を変えることは容易ではなく、渡辺さんが『量が少ない』などと不満を漏らし、けんかになることもあったようです」(夫婦を知る人) 

>「ここ数年はインスリン注射も手放せない状態だった。ずいぶんスリムになり、ダイエットの成果かと思っていたのですが……体はもう限界だったようです」(芸能関係者)

この後、どうも榊原も、渡辺の余命をかんがみて、食事の制限を緩和しようという考えであるという旨の記述があります。

香川の時代は、香川の減量というのがオフシーズンに面白おかしく報道されて話題になるくらいの、いわばまだまだ牧歌的な時代でした。現在の厳しい時代では、香川もまさに生きるか死ぬかの態度で減量をしなければだめだったでしょう。まさに昔の野球選手は、酒を飲んで女遊びをして・・・なんて話が武勇伝として伝わった時代の名残です。

渡辺に関しては、レギュラーで長期のドラマ出演をしていたにもかかわらずあそこまで体型が変わった俳優は、あとにも先にもいないのではないかと思いますが、例えば彼のような体格の人間に、『世界ごちそうさま!!』『料理天国』なんて番組にオファーをして出演させたのも、いまとなってみるとあまり感心したものでもありませんね。いや、もちろんその件でテレビ局を批判するつもりはありませんが。

というわけで、当たり前の話ですが、やっぱり人間自分の体は大事にですね。たぶん渡辺も香川も、やや性格が弱いところがあったのでしょう。食べることを自分の意志で断ることが苦手だったのでしょう。それは、彼らにとってとても不幸なことだったと思います。写真は、1987年体重が130㎏あったという時の渡辺と、1998年の香川。出典は、前掲記事こちら


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