エド・マクベイン原作の「87分署シリーズ」は、Wikipediaから引用すれば、
>警察の捜査活動から登場人物の私生活にいたるまでをリアルに描く「警察小説」(police procedural)というジャンルを確立した作品として知られる。
という画期的なものでした。日本でも影響が強く、黒澤明の『天国と地獄』、市川崑の『幸福』など彼の原作を映画化したものがあります。また連続ドラマとして、私もこのブログで複数回ご紹介している『87分署シリーズ・裸の街』があり、あと2時間ドラマとして、火曜サスペンス劇場『わが町』が計10作製作されています。
さて、このシリーズの登場人物に、「マイヤー・マイヤー」という人物がでてきます。Wikipediaから引用すれば、
>キャレラの同僚でユダヤ人。親が悪意を持って名と苗字を同じにし、また非ユダヤ人街で育ったため、いじめに遭うなど苦労をした人物。そういった環境の中で善良な人間として育ってきたので大変な忍耐力を持つが、この忍耐は30歳前にして彼の頭髪を薄くするという形で表層化した。ある時彼はかつらをつけるが、同僚にからかわれたり、自分に似合うかどうか悩むなど、逆に彼自身を窮地に陥れる。
とあります。名前からすると、ドイツ系ユダヤ人ですかね。
それで、この設定が、日本におけるこのシリーズを原作としたドラマでも踏襲されています。『裸の街』では、
>田中邦衛 - 竜間達磨刑事(マイヤー・マイヤー二級刑事)
友成の上司で第一係長。実家は貧しい寺で、その後継ぎになるべく佛教大学に入学するも、退学して警察官になる。その家柄から愛称は「和尚さん」。凶悪事件の時にも陣頭指揮を執る。となっていまして、『わが町」では、
>鳴海成巳(マイヤー・マイヤー二級刑事)演 - 蟹江敬三刑事課刑事。階級は警部補。愛称は「鳴さん」。第一作時は44歳。妻、娘が2人、息子1人いる。娘の由加(第6作の地点で中学2年、第8作では高校生)が登校拒否や家出をしていたが、第10作で戻ってきた。かつて、墨田署に在籍した事がある。
となっています。田中氏も蟹江氏も、もはやこの世の人ではありませんね。
それで私は、日本の名前で「マイヤー・マイヤー」の名前って、どういうのがあるかなと考えました。以下、私の考えた名前をご紹介します。漢字の表記については、あえてすべてカナカナにしてみました。たとえば「夏樹」といったら男性の名前であることが多いでしょうし、ひらがなの「なつき」なら女性の名前でしょう。字によっても、男女の名前が違うこともあります。順不同ということで。
アオイ・アオイ
ユウキ・ユウキ
ナツキ・ナツキ
マサキ・マサキ
アサコ・アサコ
イズミ・イズミ
名字と名前が「キ」で終わると、マイヤー・マイヤーの名前を作りやすいですね。最後が「キ」だと、男女両方の名前に使える可能性がある。「アオイ・アオイ」も、男性女性両方ありの名前です。「イズミ」も、男女両方ありかな。桑田真澄の弟は、プロゴルファーの桑田泉です。
ところで英語圏の名前、と思ったんですが、米国は移民国家なので英国直伝の名前ばかりなんてこともないのですが(マイヤー・マイヤーもそうです。英国自体、そもそも移民が大勢来る前から、アイルランド系、スコットランド系、フランス系などいろいろな系統の名前がある)、「マイヤー・マイヤー」の名前で私が思いついたのが、トレイシー・トレイシーですね。日本では、トレイシーというのは、トレイシー・ハイドのイメージが強いせいもあってでしょう、女性の名前ですが、実際には男性の名前でもあるし、また姓としても珍しくありません。スペンサー・トレイシーなど。フィクションですと、ディック・トレイシーというのもある。あるいはジョージ・ジョージという名前もありうるし、よりマイナーなものですと、ウィンストン・ウィンストンという名前もありです。ジョン・レノンは、ジョン・ウィンストン・レノンという名前ですが、これは、ウィンストン・チャーチルからいただいたものです。のちにジョン・ウィンストン・オノ・レノンに改名しました。別に説明の必要はないでしょうが、「オノ」は、オノ・ヨーコ(小野洋子)のこと。
ほかに、タクマ・タクマという名前もありそうです。余談ですが、『わが町』では、主人公の恋人・奥さんのろうあ者として、有森也実が出演していますが、彼女は「ナルミ」という名前であり、まさに男女どっちもありの名前です。あるいは、蟹江敬三氏の役名「ナルミ・ナルミ」も、ここにかこつけた可能性もあったか? それはないか。あとシノブ・シノブという名前もありですね。これは、「忍」という名字は、いくつかの読み方がありますが、「しのぶ」という読み方が、岐阜県であるとのこと。また「しのぶ」という名前は、女性がつけられることが多いでしょうが、有名な暴力団関係の人もいる(本名ではありませんが)。
気づいたら、メモをしてみて、たまったらまた記事にしてみても面白そうです。