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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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伝説的な名画である『バニシング・ポイント』が4Kデジタルリマスターで現在上映中である

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まずは記事を。

「バニシング・ポイント」4Kデジタルリマスターで約50年ぶりリバイバル
2022年12月23日 18:00 149 12
映画ナタリー編集部

アメリカンニューシネマの1本に数えられる「バニシング・ポイント」の4Kデジタルリマスター版が、3月3日より東京・シネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次公開される。

本作は死の恐怖もいとわず、憑かれたようにハンドルを握る男を描いた逃走劇。主人公はアメリカ中西部のデンバーから遠く離れた西海岸のサンフランシスコまで、ダッジ・チャレンジャーを運転して送り届けるコワルスキーだ。15時間で仕事を完了させる賭けをしたコワルスキーは、警察や大勢の野次馬、メディアが押し寄せる中、交通法規を無視してひた走る。

当時無名のバリー・ニューマンがコワルスキーを演じ、コワルスキーとラジオを通じて交感する盲目のDJスーパー・ソウルにクリーボン・リトルが扮した。のちに「荒野に生きる」「ロリ・マドンナ戦争」を手がけるリチャード・C・サラフィアンが監督を務めている。

1971年7月の初公開時、日本では有楽町スバル座で17週にわたるロングランを記録。キネマ旬報ベスト・テンでは外国映画の第5位に選出された。このたび4Kとなって約50年ぶりのリバイバル公開を果たす。配給はコピアポア・フィルムが担当。

というわけで、先週金曜日である3月3日より公開されているわけです。まずは公式サイトを。さらに予告編の動画を。

『バニシング・ポイント』本予告編

ツイッターはこちら

この映画自体は、何回も観ていますが、やはり大画面で観たほうがいい映画かと思いますので、観にいく所存です。しまってしまったので手元にはありませんが、DVDも買ったはず。

ところでこの映画は、UKバージョンがあって、そこではシャーロット・ランプリングが出ているとのことで、それはぜひ見てみたいと思っているのですが、まだ見ていません。今回の公開もUSバージョンですが、この映画も、なんだかほんと伝説の映画になりましたね。実は、こちらでそのUKバージョンを観ることはできます。

バニシング・ポイント コレクターズ・エディション [DVD]

ただしAmazonでは、この記事執筆時点で18115円と高価なので、そう気楽に買えるわけでもありません。US版でしたらアマゾンプライムでも観られますし、BDやDVDも、一般のものでしたら安く買えます。ヤフオクやメルカリだったらもっと安く買える可能性もあります。

今回の再公開を観に行く人は、そのほとんどは、たぶん過去にこの映画を観たか、さもなければこの映画の評判を知っている人かと思いますが、この映画のなんともいえない虚無感、あるいはラジオ局が襲われるシーンなどは、まさに『イージー・ライダー』などにも通じるものがあるかと思います。私もその時代を知るものではありませんが、現在の学生などは、私などともまた違ったものを感じるのではないか。いろいろ興味深いところです。

さてこの作品の脚本を書いたのは、Wikipediaから引用すると、

>脚本を担当したギレルモ・ケインという人物については正体不明であったが、後年にギリェルモ・カブレラ=インファンテであったことが判明している。

とのことで、私もこの人についてはよく知らなかったのですが、キューバ出身の彼はもともと親が共産党系だったこともあり、バチスタ政権下で投獄されたくらいの人間でしたが、革命後は必ずしも革命政権との関係がよくなく、けっきょくロンドンに出国、亡命のような形となります。この映画での徹底的な虚無感などは、たぶん彼のそういった人生の遍歴みたいなものが作用しているのでしょう。していないと言ったらうそでしょう。革命に期待して裏切られ、しかしだからといって革命に対してそれを徹底的に否定することもできないというような想いがこの映画にも伝わってきます。彼が米国でなく英国に居住し続けたのにも、やはりキューバの革命政権を徹底的に否定し続ける米国への嫌悪感もあったのではないか。

今日の観客にこの映画がどのように映るかはわかりませんが、同時代の観客とはまた違った視線もあるはずです。いろいろ多角的にこの映画を観ていければとてもいいと思います。


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