まずは記事を。
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奈良県知事選挙 山下真氏 初当選 維新公認知事は大阪以外で初
2023年4月10日 3時30分
現職と新人、あわせて6人の争いとなった奈良県知事選挙は、日本維新の会の新人、山下真氏が初めての当選を果たしました。大阪府以外で初めて維新の公認知事が誕生しました。
奈良県知事選挙の開票結果です。
山下真、維新・新。当選。26万6404票。
平木省、無所属・新。19万6729票。
荒井正吾、無所属・現。9万7033票。
尾口五三、無所属・新。1万9861票。
西口伸子、無所属・新。1万3034票。
羽多野貴至、無所属・新。6806票。
日本維新の会の新人の山下氏が自民党県連が推薦し、立憲民主党県連が支持した元総務官僚の平木氏や、現職の荒井氏らを抑え初めての当選を果たしました。
大阪府以外で維新公認の知事が誕生するのは初めてです。
山下氏は山梨県出身の54歳。朝日新聞社の記者を経て弁護士となり、平成18年から9年間、奈良県生駒市の市長を務めました。
選挙戦で山下氏は、民間の発想をとりいれて県政を改革し、予算のむだづかいをなくすとともに所得制限のない高校の授業料の無償化など教育・子育ての支援に取り組むと訴えました。
その結果、日本維新の会の支持層のほか無党派層や立憲民主党などからも幅広く支持を集め、初めての当選を果たしました。
山下氏は「本当に奈良県がすばらしい県になったと後世の人から評価されるよう全身全霊を尽くして知事として私の生涯を全うしたい」と述べました。
投票率は、54.82%で、前回、4年前の選挙と比べて6ポイント余り高く、昭和54年以降に行われた13回の奈良県知事選挙の中では3番目の高さとなりました。
維新 馬場代表「改革が全国的に広がりつつある」
日本維新の会の馬場代表は、9日午後8時すぎから大阪市で記者会見しました。
この中で、奈良県知事選挙で、日本維新の会の新人、山下真氏の当選が確実になり、大阪府以外で初めて維新公認の知事が誕生することについて「大阪でやってきた『身を切る改革』をはじめとする改革が、全国的に広がりつつある。大阪での改革を見てもらった奈良の皆さんから『奈良も大阪のようになればいい』という期待をいただいたと思う」と述べました。
自民 森山選対委員長「奈良県民の厳粛な選択」
自民党の森山選挙対策委員長は、午後8時半すぎに党本部で記者団に対し、奈良県知事選挙について「保守分裂となり、何とかいい調整ができないかと微力を尽くしたが、結果としてそれがなされなかった。奈良県民の厳粛な選択なので真摯(しんし)に受け止め、県連と党本部がしっかり協議を続けないといけない」と述べました。
自民 高市経済安保相 ツイッターに投稿
自民党奈良県連の会長を務める、高市経済安全保障担当大臣は、午後9時前、奈良県知事選挙について、ツイッターに投稿しました。
この中で、高市氏は、自民党県連が推薦した平木省氏の落選が確実になったことを受けて「平木省さんは、厳しい情勢が伝えられる中でも、最後まで明るく、正々堂々と立派に闘い抜かれた」などとしています。
事前の世論調査などからも、山下真氏の当選は堅いのだろうなと思っていましたが、かなり早い段階での当確が出ましたね。
奈良県知事選
山下真氏 当確✅
維新の山下真氏が、自民推薦・立憲支持の平木省氏らより優勢で、今後順調に得票を伸ばすと見込まれることから、当選が確実となりました。
このツイートが20時3分だから、ゼロ打ちのようなものですかね。ともかく圧勝、完勝なのは間違いない。2月に私は、次のような記事を書きました。
大阪府以外で維新単独推薦の人物が首長選挙で当選したことは、それなりに注目に値する舞鶴市長選挙で、維新の候補者が現職に圧勝といっていい票差で勝利したことを取り上げた記事です。その記事の中で私は、
>京都あたりは、かなり維新の力が強そうですね。となると、現職に対してやや不満がくすぶっていてある程度強い人物が維新の名のもとに立候補したら、ことによったらじゅうぶん当選の可能性があるということになりそうです。とすると、今回の当選も、来るべきものが来たということになりそうですね。
と指摘しました。この時点で、大阪府を除く奈良県ほかの知事選で維新の候補が勝つと予想したわけではもちろんありませんが、現実に維新の候補が知事になったわけです。
それで、次に維新が強そうなのが京都ですね。京都府知事選は、まだそういうことにはならないかもですが、京都市長選はどうか。記事を。
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京都市長選 自民は現職の門川氏が出ても支持せず
2023/1/7 17:54
自民党京都府連会長の西田昌司参院議員(京都選挙区)は7日、京都市内で報道陣の取材に応じ、来年の京都市長選で候補者を擁立する考えを示した。過去4回の市長選で自民党の推薦を受けている現職の門川大作氏(72)=4期目=は態度を保留しているが、西田氏は門川氏が出馬を表明しても支持しない方針を明確にした。
西田氏は「党本部は政令市長選の推薦を原則3期までとしており、門川氏の4期推薦は異例だった。例外的な推薦を何度も続けるわけにはいかない。代わる人に出てもらうのが筋だ」と説明した。候補者の選定は5月の大型連休後に行うという。
門川氏は来年2月24日に任期満了。同市長選は自民、公明など非共産系の政党が相乗りで1人の候補者を推薦し、「非共産対共産」で争われる構図が長く定着している。
もちろん現段階では現職が次の選挙に出るかは不明ですが、自民党系の新候補が出馬するとして、ご当人が納得いかずとなって強行出馬する可能性もある。今回の知事選でいえば、奈良もそうだし、徳島県知事選もそうです。そうなった場合、以前なら共産党候補が漁夫の利で当選することもありえましたが、昨今では、いくら共産党が強い京都といえども、可能性としては、維新が候補を出して勝つということのほうがありえそうです。京都府議選の話はまたしますが、2022年の参議院選挙での比例代表では、京都市における自民党の得票数が132,746票、維新が129,061票です(データの出典はこちら。小数点以下は切り捨て)。実際には立憲や国民民主党、公明党もありますので、一騎打ちなら自民党系の候補が勝つでしょうが、分裂したらわかりません。私としては、そこで漁夫の利を得て共産党の候補に勝ってほしいのですが、やはり難しいかな(苦笑)。いや、笑っている場合ではない。
それで、共産党については、統一地方選挙前半では、共産党がかなり食われましたね。しかも関西で。
大阪府議選では、共産党がついにゼロになるのではないかとまで言われましたが、2→1、大阪市議選では、4→2で、母数が少ないのであんまり意味のない表現ですが半減です。奈良県議選では、4→1というひどい状態、共産党が別格に強い京都でも、府議選が12→9、京都市議選が18→14です。また兵庫も、県議選では5→2です。和歌山県議選も、4→1です。滋賀県議選でも、4→2で半減です。
統一地方選挙【詳細】維新 大阪ダブル選制し 道府県議選も倍増 | NHK | 統一地方選
>共産 道府県議選 選挙前から24議席減 5県議会で議席失う
共産党は、今回の道府県議会議員選挙で、あわせて75議席と、選挙前から24議席減らしました。これまで全国の都道府県議会で唯一、議席を持っていなかった愛知で議席を獲得した一方、新潟、福井、静岡、福岡、熊本の5つの県議会では、議席を失いました。
というわけで、99→75となり、議席を1/4弱減らしたわけです。関西の5府県で、15議席も減らしたことになり、共産党の減らした議席の6割が関西であったわけです。伝統的に京都の共産府政(蜷川府政)や大阪府の黒田府政など、関西というのは共産党が強いイメージがある時期までありましたが、今回の選挙では、そこが中心として食われてしまったわけです。だいたい都道府県議選の場合、東京や京都のように共産党がわりあい強い都道府県はまた違うのかもしれませんが(詳しく確認していません)、多くの県では、中選挙区でたくさんの候補者が選出される選挙において、その最下位くらいで当選する場合が多く、そうなると何らかの理由で共産党に逆風が吹くと、一発で選挙は厳しくなります。今回の統一地方選挙では、共産党を除名処分で追い出された松竹伸幸氏が京都所属だったせいもあり(京都の出版社かもがわ出版の幹部です)、たぶんその件も影響して、地元の京都でも動揺が起きたということなのでしょう。そして遺憾ながら、共産党が減った分、維新が議席を伸ばしている。大阪は共産党の議席が極小ですので、そんな話でもありませんが、府議会・大阪市議会両方で維新が単独過半数となりました。今まで公明と組んで、衆議院の小選挙区でも公明党が出馬する選挙区では維新はあえて候補者を出さないという配慮をしていましたが、次の選挙からは容赦なく出て、大阪府の小選挙区でパーフェクトの勝利をおさめる可能性がありますね。ていうか、現状なら出馬すればそうなります。奈良県議会では、維新が3→14ですし(自民党も23→17、立憲も4→2です。つまり自民・立憲・共産の減らした11議席をそのまま維新が持っていったわけです)、京都府議会は維新は3→9、京都市議会での維新は、4→10です。準地元の兵庫県議会も、4→21です。これまたすさまじい議席の伸び方です。自民党も、31→24と大幅に減らしています。滋賀でも、議席無しから3議席を獲得しています。
それにしても大阪にいたっては、府議選で、自民党が16→7で、公明党の14議席の半数ですからね。大阪の自民党は、ほぼ壊滅状態といって過言でないのではないか。大阪市議選では、14→11とそこまでひどい状態ではありませんが、完全に少数野党という立場です。これは、維新側の意図的な定数削減などもあるとされていますが、それにしてもです。このような大阪の自民党の凋落、壊滅状態の一因は、安倍晋三らが維新に特段の配慮をした結果であり、さすがに大阪の自民党関係者は激怒しているんじゃないんですかね。安倍らは、維新に対して大阪の自民党を供与したといって過言でない。
だいぶ話が飛びましたが、とりあえず遅くとも来年冬までには執行される京都市長選挙は非常に興味深いですね。もちろん私は、維新京都市長なんて実現してほしくありませんが、ともかく見守っていきたいと思います。