1985年に製作されてフジテレビで放送された大映テレビ製作のドラマ『スタア誕生』が本日(5/8)からCSのホームドラマチャンネルで放送されます。堀ちえみ主演です。
大映ドラマも、TBSのドラマは、CSで定期的に再放送されるのですが(人気のある番組が主でして、マイナーな作品はそうはしてくれないのが難)、フジのは不定期の放送なのでより見るチャンスが少ないので、これはいい機会です。
写真は、ホームドラマチャネルの、上にリンクしたページより。
堀ちえみは、『スチュワーデス物語』の成功で大いに話題となり、これが1年ぶりのドラマ出演となりました。私もこのドラマは断片的にしか観ていないので、あまりこれといったことが言えないのですが、出演者が 国広富之、 梅宮辰夫、下川辰平、坂上二郎、宮崎達也といった大映ドラマの常連さんが多いし、また周りを彩る女の子も、坂上亜樹(二郎さんの娘さん)、比企理恵、山本理沙などこちらも大映ドラマの常連さんです。ドラマのテイストも、堀ちえみがやたらひどい目に合うというコンセプトで、反響が大きく26回の放送予定が2回伸長して28回になったくらいです。フジもよほどこの成功に気を良くしたようで、翌年の同じ時期に『花嫁衣裳は誰が着る』を製作、これは、 伊藤かずえ、松村雄基、高橋昌也、 岡田奈々(もちろんAKBの人じゃないよ。念のため)、 名古屋章、 原知佐子、 初井言榮らの大映ドラマ黄金時代を彩った俳優たちの総出演といった感があります。これで宇津井健さんでも出てくれれば完ぺきだったんだけどな。こちらも6月に放送されます。原知佐子の堀ちえみへのいじめ(仕打ち)が話題になりました。彼女は、Wikipediaでも
>1970年代に山口百恵がヒロイン出演した「赤いシリーズ」での強烈なイビリ役で有名となり、一連の大映ドラマに欠かせない名脇役として活躍。
と書かれています(注釈の番号は削除)。ご自身
>アイドルをいじめるのは私の必殺技だったわよ。同じ大映ドラマでは堀ちえみの『花嫁衣裳は誰が着る』(86年、フジテレビ)でも、徹底的にイビる伯母を演じていたし
と語っているくらいです。訃報記事でも、「赤いシリーズ」での演技が代表的な役柄として紹介されていました。
それはともかく、フジテレビもよく大映テレビと共同制作してこれらのドラマを作れたなと思います。どうしても「TBSのパクリじゃん」とか言われるわけで、これはプライドを捨てたというところもあったのかもですね。それで成功したのだから、賭けに勝ったということなのでしょう。なお『花嫁衣裳・・・』も、6月から放送されるとのことです。またソフト化されていない筒井康隆原作の珍品作品『家族八景』も放送されます。86年の単発ドラマで、これも大映ドラマです。5月21日の放送です。
『家族八景』はどうだか知りませんが、『スタア誕生』と『花嫁衣裳・・・』は、いまはなきフィルム撮影のドラマです。やはり大映ドラマは、フィルム撮影に限りますね。VTR撮影よりもフィルムのザラっとした雰囲気が大映ドラマの野暮ったい雰囲気にぴったりマッチします。大映テレビは、1990年放送の『スクール・ウォーズ2』でフィルム撮影から撤退しましたが、やはりそれ以降の大映ドラマは往年のしつこさや面白さに欠けるような気がします。これは時代の変化など仕方ない部分も多いと思いますが、大映テレビの本体だった大映も、けっきょく倒産して、大映テレビはその倒産直前に分社化して、会社の存続が可能だったわけです。
いずれにせよ非常に楽しみですね。視聴環境のある方は、ぜひご覧になってください。