以前このような記事を書きました。
多少なりとも金があると、金融機関の人間は投資をすすめてくる記事自体は、私が通帳の再発行をしに某メガバンク支店に行ったら、そこで投資の勧誘があったという話です。
この記事を発表したのが今年の5月1日であり、それから特にコメントはつかなかったのですが、拙ブログの常連コメンテイターであるnordhausenさんからコメントが6月8日に入りました。
で、これは単なる偶然ですが、その翌日の6月9日に私にとって聞き捨てならない報道がありました。引用はNHKですが、各社が報道しています。
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「仕組み債」で千葉銀行など行政処分勧告へ 証券取引等監視委
2023年6月9日 11時27分
高い利回りをうたう一方でリスクを伴う「仕組み債」と呼ばれる金融商品をめぐって、「千葉銀行」と子会社の証券会社、それにさいたま市に本店を置く「武蔵野銀行」がリスクを十分に説明せずに顧客に販売したなどとして、証券取引等監視委員会は3社に対して行政処分を行うよう金融庁に勧告する方針です。
関係者によりますと証券取引等監視委員会は、「千葉銀行」と子会社の「ちばぎん証券」、それに「武蔵野銀行」の3社が仕組み債のリスクを十分に説明せずに顧客に販売したなどとして金融商品取引法に基づいて行政処分を行うよう9日にも金融庁に勧告する方針を固めました。
金融商品取引法は、顧客の知識や経験、それに財産の状況などに照らして不適当な勧誘や販売を行ってはならないという原則を定めていますが、ちばぎん証券は投資の経験が少ない顧客に十分なリスクの説明をせずに仕組み債を販売していたということです。
また、提携関係にある千葉銀行と武蔵野銀行はそれぞれの顧客の情報をちばぎん証券に提供していましたが、監視委員会はこの2つの銀行が法律が求めている投資家保護のために必要な対応をとっていなかったと判断したとみられます。
「仕組み債」をめぐっては金融機関がリスクを十分に説明せずに顧客に販売したなどとしてトラブルが相次いでいますが、金融庁はこの3社は特に悪質性が高いとみて今回の勧告を受けて行政処分を検討することにしています。
鈴木金融相「十分な説明行っているか重点的にモニタリング行う」
これについて鈴木金融担当大臣は9日の閣議のあとの会見で、一般論だとした上で「仕組み債は商品性が複雑で、顧客によっては理解が困難であり、リスクやコストに見合う利益が得られない場合がある」と指摘しました。
その上で、鈴木大臣は「金融機関が顧客の投資経験などを適切に把握し、それに見合った販売や勧誘を行っているか、リスクやコストについて、顧客にわかりやすく十分な説明を行っているか、重点的にモニタリングを行っている」と述べ、金融機関の販売管理体制が適切か引き続き確認する考えを示しました。
Wikipediaでは、「仕組債」です。「詰め将棋」と「詰将棋」みたいなもので、特に新聞は、本来なら短い字数にしたいのでしょうが、送り仮名の原則にのっとり、「仕組み債」「詰め将棋」という呼称にしています。
仕組債というのは、ハイリスクローリターンどころか、ハイリスクノーリターンとまで言う人もいるくらいで、詐欺と紙一重などという説もあります。私がたまたま読んだ記事を。
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「ノックインで700万円失った…」
実際に「回転売買」的な営業活動の餌食となり、多額の損失を被った例は珍しくない。
千葉県木更津市で農業を営む男性(70)。2018年ごろ、県内の有力銀行から「話したいことがある」と連絡が届いた。ちょうど、預金残高が2000万円に達した直後だった。
店舗に赴くと、系列関係にある証券会社の担当者が出し抜けに現れて名刺を渡された。投資経験の乏しい男性に対し、担当者は資産運用を提案。「元本割れは避けたい」と男性が伝えたところ、最初は仕組債の一種であるコーラブル債を勧められた。
コーラブル債は仕組債の中でも比較的、値動きが安定しているとされる。500万円分を購入し、1年間で一定の利益を得た男性に対し、担当者は次に日経平均などに連動するリンク債を、3度目にはソフトバンクなどの株価に連動するEB債を勧めてきた。いずれもコーラブル債よりリスク水準の高い仕組債だ。
説明を聞いた男性は当初「リスクが高いのでは」と難色を示したが、担当者は執拗に説得を続け、結局、男性はソフトバンク社の株価に連動するEB債に2000万円をつぎこんだ。証券会社の担当者とのやりとりは基本的に、銀行の店舗内で行われたという。
約半年後の2022年12月、ソフトバンク株の急落によってEB債のノックインが発生し、男性は約700万円の損失を被った。「銀行の店舗で、まさか危ない商品をつかまされるとは思っていなかった。亡父から託された大切なお金だった。子供のマイホーム購入資金に充てることができたはずなのに」と悔やむ。
(後略)
記事をお読みになればわかるように、これ今回の処分の事例の1つになったんじゃないんですかね。仮にそうでなくったって、おそらくこの件の首謀者である千葉銀行やちばぎん証券などは、この手の事例をさんざんしでかして、関係各所に苦情が殺到しているのでしょう。
それでですよ、これ都内とかに在住の人には、いまひとつピンとこないことでしょうが、地方では、地元の地銀というのは、絶大な信用があります。昔と比べればそういう信用もなくなってきたかもしれませんが、いまだってまだ神通力はある。とくにこの件の男性は70歳とのことで、たぶん彼の人生は、地元の地銀とともに歩んできた部分があったはず。たぶんですが、上に引用した記事で銀行が、預金が2000万円というでかさに到達したとたんに
>話したいことがある
といったような勧誘があること自体、それ相応の関係があったこと伺わせます。で、そういう関係にかこつけて、投資に詳しくない人に(それにしたって、高リスクであり難色を示しているくらい、素人さんが聞いても「これはどうも」と思わせるような代物だということです)無理に投資をすすめて短期間に1/3強の損失を与えているのだから、お話にもならないとはこのことです。悪質にもほどがある。上で、損をした人が
>銀行の店舗で、まさか危ない商品をつかまされるとは思っていなかった。
と発言しているのはそういうことです。
私は、メガバンクから投資の勧誘を受けたことについて、
>私に投資の話をもちかけた某メガバンクは、そんなに投機性のつよい投資をすすめはしなかったのかもしれませんが
と書きましたが、これではそんなこともどうだかわかったもんじゃありません。断るのが苦手な人、その銀行に何らかの関係がある人らには、金融機関はシビアに投機性の強いどころかかなり危ない投資(投機)をすすめてくるわけです。
(報道が事実なら)投資(投機)とギャンブルはやはり怖い(いい人面していたのが、悪い方向に逆回転したのかも)(逆に銀座の事件は、知的障害者かそれに近い人間がした可能性がありそうだ)上の記事で取り上げた教師(殺人と住居侵入の疑いで起訴されました。強盗殺人ではなかった)がどういうきっかけでFX取引なんぞをしだしたのかは不明ですが、彼は証券会社のたぐいから投資をすすめられたのではないのかもしれませんが、いずれにせよ投資というのは、するのならそれ相応の覚悟をしたほうがよさそうです。株価が順調に上がっている時代ならいいとして、そうでないならなおさらです。