まずはJR東海のHPより。
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2024年1月26日
東海旅客鉄道株式会社
東海道新幹線 車内喫煙ルームの廃止日について
東海道新幹線では、2007年7月のN700系デビュー以来、新幹線車内に喫煙ルーム
を設置してきましたが、近年の健康増進志向の高まりや喫煙率の低下を踏まえ、2023年
10月17日にお知らせしました通り、車内の喫煙ルームをすべて廃止します。
このたび、車内喫煙ルームの廃止について詳細な日程が決まりましたのでお知らせします。
○ 車内喫煙ルームの廃止日
2024年3月16日(土)(ダイヤ改正日)
※同日から車内でお煙草はお吸いいただけません。
旧国鉄を母体とするかなり保守的な部分のある会社であるJR東海も西暦表記なのが時代ですが、それはさておき。
いろいろ記事は出ていますが、私が興味深く思ったのがこちらの記事です。
興味深い部分を抜粋します。
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(前略)
全面禁煙化はJR東日本が先行し、2007年春に東北・上越など同社の各新幹線と、夜行列車を除く特急の全面禁煙化を達成。以後の車両には喫煙ルームも設置しておらず、その後延伸していった北陸新幹線・北海道新幹線でも同様だ。在来線特急でも、2010年代のうちに夜行列車以外のJR各社で全面禁煙になった。
流れを加速させたのは03年施行の健康増進法である。受動喫煙の防止を各業界の事業者に義務付け、鉄道各社でも乗客と従業員の受動喫煙対策としての禁煙化が加速した。
他方で東京から西に向かう東海道・山陽新幹線では喫煙車が残り、07年導入のN700系で初めて全車両を禁煙席とした上で、デッキに喫煙ルームを設けた。九州新幹線でも山陽新幹線に直通するN700系7000番台の『さくら』『みずほ』で喫煙ルームを設けていたが、今春に全廃する。
なぜ、他社での全面禁煙化後も喫煙車と喫煙ルームを残していたか。JR東海はこの点を「東海道新幹線をご利用のお客様の中には、一定程度の喫煙者がいらっしゃったため、2007年7月のN700系デビュー以来、喫煙ルームを設置していました」と説明する。
喫煙サービスを残していた路線列車は、東海道新幹線にせよ近鉄特急にせよ、ビジネス需要が多く、かつ観光地よりも大都市同士を連絡する役割本数の多い路線も担っていたであったことが特徴でもある。東京から博多にかけては航空路線との競合も激しく、喫煙ユーザーへの配慮で喫煙車を残してきた。航空路線は2000年代初頭までには禁煙化が達成されていたので、差別化するメリットはあった。
「確かにたばこが吸えるからとJRより近鉄を選ぶユーザーも一定数いたものの、その数は少数でしたし、結局は時代の流れにあらがえなかったということでしょう」。こう推測指摘するのは鉄道・交通ライターの新田浩之氏。「中高年のビジネスマンとなるとたばこが吸えるのが当たり前の時代を生きてきていますし、行楽・ファミリーでの移動とは違うニーズに応える必要もありましたが、世の中の禁煙化はこれからも進むでしょうからサンライズ瀬戸・出雲の喫煙個室もいつまで継続できるか分かりません」
(後略)
上の引用で交通ライターの新田氏がご指摘になっているように、夜行列車の「サンライズ瀬戸・出雲」には、まだ喫煙が可能となっているスペースがあります。上の記事から引用しますように、
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すでにJR他線の新幹線と在来線特急では車内の喫煙ルームもなくなっていて、今春をもって国内新幹線の車内全面禁煙化となった。私鉄でも、唯一喫煙ルームを設けていた近鉄が「ひのとり」など各特急車両で3月1日からルームを撤去し、全面禁煙化に踏み切った。
残る例外は、東京~出雲市・高松間を走行する寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」で、全14両編成のうち6号車・13号車の1人用B寝台個室の全室、4号車と11号車のA寝台個室とB寝台2人用個室の半数が喫煙可能になっている。それ以外の普通・特急・快速など全列車から、喫煙席も喫煙スペースも姿を消した。
ビジネス系の乗客の多い東海道新幹線には、かなり最近まで、喫煙席というのが、JR東海のビジネスのためにプラスになるという判断があったということなのでしょうが、そういうこともいよいよ継続できなくなった、すること自体が商売上もマイナスになったということでしょう。
当方煙草は吸わないし、ホテルの部屋も禁煙部屋ですから、こうなるのは大変ありがたいことです。私は医者ではないし、生命保険会社や火災保険会社とも直接関係はありませんし(喫煙は火事の大きな原因だし、言うまでもなく健康にも悪いので、公的保険から私的な保険にいたるまで、掛け金の高騰の大きな原因です)、もちろん煙草会社や煙草農家、煙草流通関係に直接かかわっているわけではないので、喫煙が直接自分の仕事にかかわるわけでもありませんが、でも総合的に考えればやはり喫煙者の数や割合の減少というのは、私のような非喫煙者にとってはありがたいことです。
ここで突然思い出しましたが、私が社会人になって間もないころ、どういうわけかわかりませんが、とあるすらりとした美女が妙に私のことを気に入ってくれて、やたら私に親切にしてくれてかわいがっていただいたのですが、彼女は喫煙者でして、それは玉に瑕、大きな難点でした。いけね、過去の話をしてしまった。
それはともかくとして、世代が交代してきて、途中から喫煙をやめた元喫煙者から、生まれてこの方喫煙と無縁の人間が増えてきたのも、これからは拡大再生産のように喫煙率が下がるという大きな要因になろうかと思います。JR東海が、最終的に喫煙者を切り捨てるにいたった背景には、海外からのインバウンド需要の増加がありますし、上で書いたように、今後もどんどん喫煙率が下がることを予想しているという部分もあるはず。
というわけで、これからの日本は、「禁煙車」も「喫煙車」も、事実上意味のない言葉になりましたね。すべて禁煙車なのだから、わざわざ「禁煙車」と断る意味がない。「喫煙車」もご同様。
実は私、かつて禁煙車で煙草を吸っている人物に、「ここは禁煙車である」と注意してすごまれた(さすがに暴力はふるわれなかった)とか、ニューヨークへ行く便でやたら煙草の煙が飛んできて辟易したというろくでもない経験があります。こういうことも今後はさすがになくなるでしょうから、それは大変いいことではあります。
喫煙者には申し訳ありませんが、私としては
祝! JRで禁煙化(ほぼ)完了!!!
と書いてこの記事を終えます。