若干旧聞ですが、興味深い記事を。
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旧統一教会に賠償求めた裁判 6月に最高裁弁論へ
2024年3月18日 21時49分
旧統一教会から高額献金などの被害を受けたとして、長野県の元信者やその家族が教団らに賠償を求めている裁判で、最高裁判所は6月に弁論を開くことを決めました。教団の勧誘や献金をめぐる裁判が最高裁で審理されるのは初めてで、訴えを退けた1審と2審の判断が見直される可能性があります。
長野県に住み、裁判中に亡くなった元信者の女性は7年前、違法な勧誘で献金などをさせられたとして1億8000万円余りの賠償を求めて裁判を起こしました。
しかし1審の東京地方裁判所と2審の東京高等裁判所は、元信者が裁判を起こす2年前の86歳の時に「教団に賠償請求を行わない」などとする念書を書いていたことなどから、訴えを退けました。
原告側は不服として、請求のうち6500万円余りについて上告し「元信者は高齢で十分な判断能力がなく、念書の目的を理解していなかった。教団が賠償の義務を免れるために作成したもので、念書は無効だ」などと主張していました。
この裁判について最高裁判所第1小法廷の堺徹裁判長は18日、6月10日に弁論を開くことを決めました。
判決を変更するのに必要な弁論を開くことから、訴えを退けた判断が見直される可能性があります。
教団の勧誘や献金をめぐってはこれまで複数の元信者やその家族が裁判を起こしていましたが、最高裁で審理されるのは初めてです。
原告代理人「被害者の救済につながるような判断を期待」
この裁判で原告の代理人を務める「全国霊感商法対策弁護士連絡会」の木村壮弁護士は「教団に賠償を求めないなどとする念書があることで返金を諦めてしまう人が多くいる。最高裁判所には、被害者の救済につながるような判断を期待したい」と話していま
旧統一教会「詳細がわかり次第、適切に対応」
旧統一教会=世界平和統一家庭連合は「詳細がわかり次第、適切に対応して参ります」とコメントしています。
記事にもありますように、最高裁が弁論を開くということは、下級審の判断を見直すということになるかと思います。で、1審と2審の東京地裁と東京高裁は、統一協会勝訴の判決を出しています。地裁と高裁での判決が、最高裁で覆されるなどということは、そうそうあることではありません。だいたい日本の裁判所は、地裁<高裁<最高裁の順番で、行政とか自民党など強者におもねる判決を出します。地裁と高裁で統一協会勝訴の判決が出た裁判で、最高裁において、どこまでの勝訴ということになるのかはもちろん現段階言えませんが、ある程度原告側が有利になる判決が下される可能性が出てきたというのは、これまたずいぶん奇怪な話です。
つまりは、けっきょくこれ、私が前に記事にした
けっきょく誰かが(死因はともかく)死なないと事態は改善しないようだ(夏の甲子園もそうではないか)のたぐいですよね。
上の記事で、私は次のように指摘しています。
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統一協会に関しては、安倍晋三の暗殺がありました。あれがなくて、今日のような事態になったとは考えにくい。いや、安倍が殺されてですら、自民党ほかの中には統一協会をかばう態度がありましたが(こちらの拙記事に、その一例をご紹介しました)、さすがに日本憲政史上1番首相在任が長かった人物が殺されて、そのおおもとの原因に見て見ぬふりをするわけにはいかなかったということです。
上の記事を私が発表したのは、2023年11月26日です。この1か月半前の2023年10月13日、文科相が統一協会への解散命令を東京地裁に請求しています。で、このようなことが、今回の弁論を開く決定に関係しているのでしょうね。うんなもん、安倍晋三が殺されようがどうなろうが、この裁判に関していかなる関係もあるわけがないですが、でも安倍が殺されていなかったら、日本政府による裁判所への統一協会解散命令請求なんかされるわけもないし、最高裁も、たぶん弁論なんか開かないのでしょうね。こんなもんどこが三権分立じゃいです。今回の裁判の地裁と高裁の裁判官も、統一協会勝訴の判決を下したとき、良心がとがめなかったんですかね。たぶんとがめたでしょうね。最高裁が、いろいろな事情があるにしても原告側に有利な判決を下す準備をしているような裁判で、地裁や高裁の裁判官が、統一協会勝訴の判決を平然と下しているということもないでしょう。念書の存在などの形式的な判断に逃げて良心のとがめから目をそむけていたのでしょう。それもどうかです。この裁判官たちも、さすがに裁判官になった当初は、そういう判決を下す先輩裁判官たちを軽蔑していたでしょうにねえ。まるっきり若き日ののちの警察庁長官中村格みたいなものです。中村だって、さすがに警察庁の官僚になった当初は、のちの自分が、山口敬之が伊藤詩織に対する性犯罪をした際、山口に対する逮捕状の執行を停止するなんていう不祥事をしでかすなんて、想像の埒外だったはず。
高校生、大学生、警察庁に入庁したばかりの中村格が現在の自分を見たら、ああいうクズにだけはなりたくないと思ったろう上にも書いたように、こんなもんどこが三権分立なんですかね。つまりはいかに、地裁と高裁における統一協会勝訴の判決がろくでもない代物であったかということだし、統一協会の関係で恨みを買った安倍晋三が殺されるなどという想像を絶する不祥事が起きて、日本政府や自民党をふくめた統一協会を擁護してきた勢力が統一協会擁護を打ち切ってから最高裁は、統一協会により厳しい判断を下す準備をしているわけです。統一協会がしでかしてきたよろしくないことの数々なんて、そんなもの安倍晋三が殺されるとっくの前からの話です。裁判所はさすがに行政などや自民党の政治家などよりは、統一協会にそれ相応に厳しい態度を取り判決を下してきたかと思います。それでこのざまなのだからほんと日本というのもひどい国だと思います。お話にもなりません。
なお引用したNHKの記事では「旧統一教会」という表記ですが、拙記事では「統一協会」という表記にしますことをお断りします。