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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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「午前十時の映画祭」で、高倉健の作品を3本見ることができる

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高倉健さんがお亡くなりになりましたね。

悪性リンパ腫ですか・・・。ご年齢もご年齢ですから、お亡くなりになるのはしょうがないところもありますが、私も映画ファンの端くれとしてやはり彼や彼の映画は好きだったので、残念ですね。

ちょっと印象に残った記事がありまして、それをご紹介しましょう。

>健さん最後のCM、放映継続 事務所意向で「仁義」通す 鹿児島の企業
qBiz 西日本新聞経済電子版 11月18日(火)14時50分配信

亡くなった高倉健さんを今春からCMで起用している健康食品通販の健康家族(鹿児島市)にも衝撃が走った。実質的には健さん最後のCM出演とみられるが、健さん所属の事務所の意向もあって、当面放映を継続するという。

 同社によると、昨日17日昼ごろ、所属事務所社員が健康家族本社に直接訪れ、死去の報を伝えた。応対した健康家族の藤裕己社長は突然の訃報に驚き、呆然した様子という。

 事務所側の説明では、今回のCMシリーズ出演が結果的に最後のCM出演となった。健さんはこのCMの出来をとても気に入っており、来年以降の撮影も楽しみにしていたという。同社総務部長の村田悟氏は「今年2月、8月と撮影した際もお元気そうで、伝説通りずっと立っていた。山道もすいすい登っていた。体調が悪いとは全く感じさせなかった。残念でならない」と振り返る。

 一方で、村田部長は「筋を通すため、公になる前に伝えたいということで弊社までわざわざ来られた。とても悲しいが、こうした地方企業のCMに出演していただき、感謝の気持ちでいっぱい」と万感の様子だ。
.西日本新聞社


この記事によれば、少なくとも8月まではそれなりにはお元気だったんですかね。昨年の文化勲章受賞以後、お姿を見かけることもありませんでしたが、あるいは8月の撮影が、最後の撮影だったのかな。そう思って調べていたら、「スポーツニッポン」の記事によると

>故人の遺志に従い、すでに近親者にて密葬を執り行ってからの公表となった。最後の仕事も「健康家族」のCMで8月に撮影が行われていた。

とありますから、どうもそのようですね。下に動画を。

健康家族 にんにく物語「収穫篇」60秒CM

井上陽水が歌を歌っているのは、福岡県、九州出身者で合わせた側面もあるんですかね? 残念ながら、ややご本人の声が悪くなっていますね。

私が彼の映画で個人的に印象に残っているのは、この間伊集加代子記事でちょっとふれた「新幹線大爆破」でしょうか。あれはオールスター映画ですので、あんまり彼本来の味を出す映画でもないのかもしれませんが、警官や国鉄(その時代です)関係者でなく犯人を演じた健さんの演技は好きです。そういえば、あの映画で準主役で同い年(高倉と同じ1931年生まれ)だった宇津井健(偶然ながら同じ名前です)も今年3月に亡くなりましたよねえ。そういう年齢だということです。宇津井健は、「新幹線大爆破」のクレジットでは、いわゆる「トメ」の位置です。

さて、「新幹線大爆破」ではありませんが、タイトルにも書きましたように、今シーズンの「午前十時の映画祭」で、高倉健の出演作品が3本上映されます。つまり

幸福の黄色いハンカチ
ブラック・レイン
飢餓海峡

です。

このうち、主演作といえるのは「幸福の・・・」だけだし、「飢餓海峡」は完全な脇役ですが、しかしもともと任侠系の映画に多く出演したあとに松竹で山田洋次監督の作品に出演して世間をあっと言わせて(いまの感覚では何でもありませんが、当時は高倉健が松竹で山田洋次の映画に主演するというのは、大変な驚きだったはず)、それで米国のアクション映画でも準主役とでもいえる位置づけの役を演じたのは、彼のすごいところです。

「幸福の・・・」以外は、必ずしも「高倉健」を主要なテーマとして映画を選出したわけではないのかもしれませんが(たぶんしてないでしょう)、たとえば「飢餓海峡」での地方の所轄警察署の係長職など、後にはなかなか彼が演じることがなかった役柄などを見ることができて、非常に興味深いところがあります。

で、「飢餓海峡」を見ていて、思わず「野性の証明」で三国連太郎と競演した高倉健は、やはり「飢餓海峡」での想い出話でもしたのだろうかとか、くだらんことを考えてしまった私。三国さんもすでに故人です。

というわけで、「幸福の・・・」は、11月29日から12月12日まで、「ブラック・レイン」は、11月15日から28日までただいま上映中、「飢餓海峡」は、2月7日から20日まで最後の公開が2週間行われます。読者の中で興味のある方がおられましたら、ぜひ映画館へ足をお運びください。フィルムでなくデジタル上映ですが、名前で客を呼べた映画俳優の勇姿を楽しんでください。

最後に、高倉健さんこと小田剛一さんのご冥福をお祈りして、この記事を終えます。


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