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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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完全な誘導じゃん

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衆議院選挙が終わった翌日の12月15日深夜(16日未明)、テレビ朝日の「テレメンタリ―」で非常に興味深い番組が放映されました。

「僕、殺したんじゃあねぇもの~野田事件35年目の真実~」~2014年12月15日放送~

>1979年9月11日、千葉県野田市の竹藪から、当時小学1年の女児が遺体で見つかった事件。逮捕され、有罪判決が下されたのは、現場近くに住む知的障害者の青山正さんだった。しかし、警察が証拠提出した自白テープや実況見分映像を検証すると数々の矛盾点が…さらに唯一の物証である被害者のカバンには、捜査当局による証拠の“ねつ造”疑惑も浮上。青山さんは身の証をたてるため、
再審請求を申し立てた。はたして事件の真相は…?

制作:テレビ朝日

野田事件の詳細については、とりあえずWikipdia記事をお読みになってください。またこちらの本も非常に良い本です。

ほんとうは僕殺したんじゃねえもの―野田事件・青山正の真実

青山氏は精神鑑定によるとIQ36とのことで、正直訴訟能力があるかさえ怪しいものがありますが、けっきょく有罪が確定、懲役12年となり、現在は出所、東大阪市の福祉施設にいます。つまり地元に戻れないということです。

番組の中では、上の紹介文にもあるように、物証である被害者カバンの疑惑も報じられていましたが、一番すごかったのは、当時の実況見分の一部が番組中で公開されたということです。実況見分が映像として記録されるということもあまり聞きませんが(ましてや、1979年の事件です)、つまりは警察も検察も、「やばい逮捕」「やばい起訴」「やばい裁判」であると認識していたということでしょう。

で、そこでの様子ですが・・・。

 

完全に、警察が誘導しているじゃないですか(呆れ)。

このような「実況見分」を、裁判で有罪の証拠として提出するというのもどうかだし、そしてこれを見て青山さんへの有罪判決を出す裁判官の見識もひどいものです。

そもそも青山さんが、警察や検察の取り調べに応じる能力があったとは考えにくいし、警察と検察がいいようにストーリーを作ってしまえた事件であるという以上の話ではないと思います。あらためて、取り調べの録音・録画などの記録や知的障害者の事件についての立ち合い人の存在などの必要性を痛感します。

なおこの番組を見るきっかけをいただいたapesnotmonkeysさんの記事と、この番組を取り上げた記事を参考にしましたことをご報告すると同時に感謝をいたしたいと思います。また一番上の写真は、「テレメンタリ―」のHPよりです。


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