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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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宮部昭夫と内海賢二、どちらがスティーヴ・マックイーンの声に合うか

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声優の内海賢二さんがお亡くなりになりました。旧聞ですが、ちょっと記事を。

>「北斗の拳」ラオウ、サリーちゃんのパパ 声優内海賢二さん逝く
スポニチアネックス 6月13日(木)19時48分配信

アニメ「北斗の拳」のラオウ役や「魔法使いサリー」のパパ役の声として知られる声優の内海賢二(うつみ・けんじ、本名健司=けんじ)さんが13日午後3時1分、がん性腹膜炎のため東京都新宿区の病院で死去した。75歳。

葬儀・告別式は未定。喪主は妻で声優の野村道子(のむら・みちこ、本名内海道子=うつみ・みちこ)さん。

 1937年(昭12)福岡県北九州市生まれ。高校3年時に、NHK小倉の専属劇団に合格し、ラジオドラマや朗読の仕事を始める。その後上京し、63年「狼少年ケン」に出演、アニメ声優の草分け的存在となる。

 「魔法使いサリー」のパパや「Dr.スランプ アラレちゃん」の則巻千兵衛、「新造人間キャシャーン」のブライキングボスなど、張りのある低音を生かしてコミカルな役から悪役まで幅広い役をこなし、多くのアニメファンに親しまれた。そのほか「黄金バット」「マッハGoGoGo」「ベルサイユのばら」などにも出演した。

 外国映画の吹き替えでは俳優スティーブ・マックイーンやジャック・ニコルソン、映画「ロッキー」シリーズでロッキーの好敵手アポロの声を担当。テレビ番組のナレーターとしても活躍した。


がんだったということですね。ご冥福をお祈りいたします。それで今回は、彼が担当したスティーヴ・マックイーンの声について考えてみたいと思います。

内海のwikipediaの記事に

>スティーヴ・マックィーンは声を演じてきた中で唯一の二枚目であり、自身のアテレコ史の頂点であると語った

という記述がありました。私なんかちょっとこのくだりを読んで苦笑しちゃったのですが、マックイーンの声というと、ほかに宮部昭夫が担当していました。宮部氏もすでに06年にお亡くなりになっています。

日本語吹替の声にはほとんど興味がないという方はともかく、ここで読者の方々に質問を。宮部と内海、どちらのマックイーンの声があなたは好みでしょうか。

これは趣味の問題ですが、私は宮部マックイーンのほうに軍配を上げたく思います。ちょっと内海さんの声は、マックイーンの印象と異なる気がします。

具体的に言うと、内海の声と話し方がすこし癖があって、宮部のほうがクールでマックイーンの(私にとっての)イメージに合うんです。あえて言えば、内海マックイーンはすこし個性がマックイーンと合わないように感じます。

繰り返しますが、これについては善悪の問題ではありませんので、内海マックイーンのほうが好きだといわれればそれについて私はもちろん何も言いません。言えるわけもありません。だから「こいつの意見は賛同できん」と思われても、それはそれということでご了解願います。

ピーター・フォークの声を完璧にあてたといっていい小池朝雄が亡くなった後、それを石田太郎がひきつぎました。これは小池氏が亡くなったので新たに製作されるコロンボその他の作品のフォークの声を小池が担当できない事情があったわけですが、「新作」が80年までで製作されなくなったマックイーンの場合、もちろん吹替再録はありえるにしても、宮部と内海が2人して担当し続けたというのは、やはり双方意識することもあったかと思います。マックイーンの遺作「ハンター」では、最初のテレビ放送版を宮部が担当し、他局での再録版を内海が担当しました。現在発売されているDVDには、内海版が収録されていますが、やはり宮部版を聞きたいなと強く思います。wikipediaによると、DVDに収録されているのは内海版が多いようですね。あるいは、収録時期の関係かな?

同じようなことは、ジョン・ウェインもいえます。ウェインの声は、小林昭二納谷悟朗が担当しました。これもたとえば「ラストシューティスト」などは小林版と納谷版があります。実は私、小林氏のウェインの声ってあんまり印象に残らないんですが、納谷さん(すいません、これは記事の趣旨と何の関係もありませんが、いまこれを書いていて実に自然に「小林氏」「納谷さん」と書き分けました。もちろんどちらの方とも面識はありませんが、私にとっては「納谷悟朗」という方は「納谷さん」と表記する方なのでしょう)のウェインはわりと好きです。たぶん声優としての好みの部分が大きいのだと思います。

俳優の声も、、ほぼ声が固定している人、固定していない人、2人ほどの少数の声優で分け合っている人、いろいろです。そう考えるとNHKというのは、NHKだからできるのでしょうが、世間をあっといわせる人を吹替で起用します。森光子山岡久乃(彼女はキャサリン・へプバーンも担当していますが)、あるいは最近では八千草薫里見浩太朗など、およそ声優などしそうにない人たちが外国ドラマ、アニメなどで声を担当しました。たぶん彼(女)らは、NHKからのオファーだからこの仕事を受けたし、他の民放はそもそもこの人たちに吹替の仕事は依頼しないでしょう。

そういえば「刑事コロンボ」でも、平田昭彦が声を担当していましたね(「攻撃命令」での二コール・ウイリアムソン)。平田氏って、あんまり声優みたいな仕事はしていなかったんじゃないんですかね? wikipadiaには、声優の仕事はこれしか記載はありません。それからウィリアムソンも2011年に亡くなっていたんですね。この記事を書いていて初めて知りました。コロンボの犯人役の役者たちもどんどん亡くなっています。

それにしても、こういった人たちの吹替がまたうまいんですよね。聞いていて、さすがの水準です。昔ながらの声優(新劇出身の人たち)は、だいたいにおいて演技ができなければだめだといっているみたいですけど、なるほどなと思います。

話は飛びましたが、映画の洋画番組や外国テレビドラマなどに往年の影響力がなく、さらに時代の変化もあるので、上であげたような話は「過去の話」の部分が大きいかと思いますが、私なりにこれからもいろいろと洋画吹替の世界を探求したいと思います(アニメはいまひとつ興味がないので、申し訳ございません)。


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