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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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子どもたちの受難にさすがに気が重くなった

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過日、新幹線車内における焼身自殺についての記事を書きましたが、こちらの事件もひどいですね。

中国では、地下鉄でもX線検査によるセキュリティチェックをしているが・・・

事件直前、妻に「死にたい」 大分4人死亡放火容疑の父

朝日新聞デジタル 7月8日(水)16時38分配信

 大分県杵築(きつき)市で住宅が全焼し、4人の遺体が見つかった事件で、現住建造物等放火の疑いで逮捕された海上自衛官末棟(すえむね)憲一郎容疑者(40)が事件直前に「死にたい」などと妻(42)に漏らしていたことが8日、捜査関係者への取材でわかった。県警は、精神的に不安定な状態だった可能性もあるとみて慎重に捜査を進めている。

 県警は同日、DNA型、歯型の鑑定の結果、焼け跡から見つかった遺体は、行方不明になっている中学2年の長女悠佳梨(ゆかり)さん(14)、小学4年の四男雅祐(まさひろ)君(9)、小学2年の次女真由美さん(7)、幼稚園に通う五男滋君(5)の子ども4人と判明したと発表した。焼死だった。

 海上幕僚監部広報室によると、末棟容疑者は今年3月、山口県下関市の小月(おづき)航空基地から広島県江田島市の第31航空群標的機整備隊に異動。妻と子ども8人は杵築市に住んだまま江田島市に単身赴任しており、捜査関係者によると、週末はしばしば杵築市に車で帰り、月曜朝までに広島に戻る生活を続けていた。

 今回も事件発生前の金曜日(3日)に帰宅。その際に「死にたい」「広島に戻りたくない」などと妻に漏らしていたという。火事は日曜日の5日深夜に起きており、家を出る直前だったとみられる。

朝日新聞社

>「単身赴任に不満募っていた」 杵築市放火

日本テレビ系(NNN) 7月8日(水)22時46分配信

 大分県杵築市で住宅が全焼し4人の遺体が見つかった放火事件で、死亡したのはこの家に住む子供4人と確認された。また、放火の疑いで逮捕された父親の自衛官は「単身赴任の生活に不満が募っていた」と話していることが新たに分かった。

 今月5日深夜、杵築市で住宅1棟を全焼し4人の遺体が見つかった放火事件では、父親で自衛官の末棟憲一郎容疑者(40)が逮捕・送検されている。DNA鑑定などの結果、8日、焼け跡から見つかった遺体はこの家に住む長女の悠佳梨さん(14)、四男の雅祐くん(9)、次女の真由美ちゃん(7)、そして五男の滋くん(5)と判明した。また、捜査関係者によると、末棟容疑者は調べに対し「単身赴任の生活に不満が募っていた」と供述していることが新たに分かった。休暇を利用して家に帰っていた末棟容疑者は、事件直前は勤務先の広島県に戻るところで「妻が見送りをしなかった。妻にかまってほしかった」とも話しているという。

 警察は、単身赴任の生活に不満を募らせていた末棟容疑者が、ささいなことをきっかけに突発的に犯行に及んだと見て追及している。

父親は、上の記事にもありますようにやや精神が不安定であったという話もあります。こちらの記事によりますと、

> 今月5日に大分県杵築市の住宅が全焼し、この家に住む子ども4人が死亡した放火事件で、逮捕された父親が「単身赴任の生活に不満が募っていた」と供述していることがわかった。

 現住建造物等放火の疑いで逮捕された海上自衛官の広島県の部隊に所属する末棟憲一郎容疑者(40)は警察の調べに対し、「単身赴任の生活に不満が募っていた」と供述していることがわかった。末棟容疑者は心療内科に通っていたという。

 警察は、日頃から子育てに忙しい妻と、単身赴任の生活に不満を募らせていた末棟容疑者が、勤務先の広島に戻る際に妻の見送りがなかったことをきっかけに突発的に犯行に及んだとみている。

 火災現場から見つかった遺体はこの家に住む4人の子どもであることが確認された。

とあり、突発的な放火だったとすると、これは子どもたちもどうしようもないですよね。心療内科に通っていたとしても、どういうことで通っていたかというのも記事からはわからないし、仕事関係のストレスが複合的に重なったのかもしれません。刑事責任が阻却されるとかはないかもしれませんが、しかし奥さんもさることながら、子どもたちは気の毒ですね。亡くなったお子さんは当然として、生き残った子どもたちも、肉体の損傷ばかりでなく、精神的な損傷も推し量れないほどのものでしょう。あまりに事態が重大すぎるし、そして防ぎようもないことだしね。

そして子ども絡みの刑事事件では、これもひどい。

>「青い不審車」目撃決め手 防犯カメラ 500台捜査

 奈良県香芝市で小学6年の女児(11)が4日に行方不明になった事件で、5日夜の無事保護につながった決め手は「青い不審車」の目撃情報だった。奈良県警は周辺の防犯カメラを分析して車種を絞り込み、同型の約500台を対象に捜査。最終的には巡回中のパトカーが不審車両を追跡し、無職男(26)=同県橿原市=の現行犯逮捕にこぎ着けた。

 香芝市のリサイクルショップ「開放倉庫香芝店」で女児が行方不明になったのは4日午後2時ごろだった。トイレに行ったまま姿が見えなくなり、「きゃー」という悲鳴が聞こえた直後、同店の従業員が駐車場から走り去る不審な青い車を目撃していた。

 県警はこの情報を基に、周辺にあるコンビニの防犯カメラなどで不審車を確認。青い国産ワゴン車に絞り込み、香芝市や大和高田市など周辺にある同車種の約500台を1台1台調べる作業を進めた。

 県警によると、4日夜には男の自宅に行き着いた。当時、車はなく、部屋に明かりもついていなかったという。

 事件が急展開したのは翌5日夜。リサイクルショップから南約10キロの国道24号で、県警捜査1課の覆面パトカーが北に向かう青いワゴン車を発見した。約20分追跡し、大和高田市内の信号で止まったタイミングを見計らい、停車を求め職務質問。車内には、両手を結束バンドで縛られたはだしの女児が、疲れ切った様子で後部座席に座っていた。  

[ 2015年7月6日 10:25 ]

子どもが殺害されるとかの最悪の事態は避けられたにしても、この女の子の受けた様々な傷は、たぶん一生癒えることはないでしょうね。それも本当にかわいそうです。

それで、この犯人の男性についてのいくつかの報道が印象に残りました。

奈良女児不明 「一生懸命やっているのに受け入れてもらえない」容疑者、短期間に勤務先を転々

産経新聞 7月6日(月)12時1分配信

 奈良県香芝市立小6年の女児(11)が連れ去られ無事保護された事件で、監禁容疑で現行犯逮捕された無職、伊藤優容疑者(26)は短期間に転職を繰り返していた。以前勤めていた介護施設では、上司に「一生懸命やっているのにうまくいかない」とこぼし、次第に無断欠勤や遅刻を繰り返すようになったという。伊藤容疑者の屈折した感情が面識のない女児を連れ去るという卑劣な犯行につながったのか。伊藤容疑者を知る人は「なぜこんなことを」とうつむいた。

 伊藤容疑者の自宅がある同県橿原市南八木町の住宅街。自宅アパートには一人人で暮らしていた。近所の住民らによると、伊藤容疑者は平成25年7月に同県大和高田市から転居してきた。だが近所づきあいはほとんどなく、近くに住む30代の女性は「おとなしく静かに暮らしていた印象。女の子を連れ去るイメージとは結びつかない」と話す。

 一方、25年まで伊藤容疑者が住んでいた大和高田市のアパートに住むパート女性(44)は「体調を崩した母親を車でどこかに送り迎えをする好青年だった。捕まったなんて信じられない」と話す。

 伊藤容疑者は約3年前まで橿原市のデイサービスセンターで介護職員として働いていた。センターの責任者の女性(60)は「注意されても『頑張ります』と言って仕事に一生懸命取り組んでいた」と振り返る。だが、「利用者がトイレに行く時間を忘れるなどミスを繰り返していた」とも語る。伊藤容疑者はなかなか仕事が覚えられず、注意されることもたびたびあった。次第に無断欠勤や遅刻を繰り返すようになり、わずか3カ月で退社した。

 「一生懸命やっているのに、仕事や人付き合いがうまくできず、周囲に受け入れてもらえない」。責任者の女性は、伊藤容疑者からこう聞かされたという。

 伊藤容疑者は郵便局で車を洗う仕事もしていたというが、ここでも、あまり長く続かなかったという。

 「こんなことをする人ではなかったのに…」。女性はそう言ってうつむいた。

 伊藤容疑者に連れ去られ、5日夜に無事保護された女児が通う小学校では6日朝、多くの保護者に付き添われながら、児童らが不安そうな表情で登校した。小学校の校長は、全校朝礼で「見つかって良かった」と話した。

もちろんこんな記事だけでめったなことは言えませんが、この犯人は、あるいは発達障害のたぐいだったんですかね。そうだとしたら、それはかわいそうですね。今回の事件よりはるかに悪質ですが、昨年群馬県前橋市で続けざまに起きた強盗殺人事件の犯人の男性も、たぶん発達障害があり、そして世間から救いの手が差し伸べられることはありませんでした。

この事件も、前に紹介した事件と同じようなものだと思う

この奈良の事件の犯人は無職だったとのことで、どうやって生計を立てていたのかも定かでありませんが、仕事をするのも大変だったのだろうと思います。求刑はほぼ確実に死刑で、判決もその可能性が高いと思われる前橋の事件は金銭がからんでいるし、性犯罪である今回の事件とは事件の重大さなどまた性質がちがいますが、しかしこういう事件は何ともどうしようもないですよね。もちろんこのように子どもを拉致したような犯罪で、被害者に落ち度があるわけもありませんが、小学校6年生の女の子が1人でお手洗いに行くこと自体は当然だし、犯人は別に特定の子どもを狙ったわけでもないらしい。前記事にした群馬県警の警官(当時)は、パトロールの最中に女の子に目をつけてそれで特定の子どもを狙いましたが、今回の事件はそういうものでもない。物色していてたまたま来た女の子を狙ったらしい。まさに運が悪いとしか言いようがありません。群馬の事件は、警官は策略をもって子どもを誘拐しようとしましたが、この件では女の子がしっかりしていたし警官側も深追いはしなかった(たぶん、他の女の子と一緒にいたということも、断念の理由の一つだと思います)。しかし今回は、初めから暴力をもっての拉致ですから、逃げようもありません。女の子としては、悲鳴を上げるくらいしかできることもなかったでしょう。

今回の事件の犯人に余罪があるのかもわかりませんが(前科についてはとくに報道されていない模様)、たぶん同じくらいの年齢の女の人ともまともに付き合えない人間だったんだろうなと思います。そういったひずみが今回の事件の一因かと思うと何ともです。あらためて暗い気分になります。


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