現在都内の東京国立美術館フィルムセンターで、
というのをやっています。9月6日までですのでもう終盤ですが、しかし上映する映画がけっこう面白い。概要は、
>日本映画の輝かしい歴史を築き、惜しまれながら逝去された映画人の方々を、それぞれの代表的作品を上映することで追悼する企画「特集・逝ける映画人を偲んで」を2年ぶりに開催します。残念ながら、この2年のうちにも、日本映画は多くのかけがえのない才能を失うこととなりました。
本企画では、2013年1月1日から2014年12月31日の間に逝去された方々へのオマージュとして、70作品(60プログラム)を上映し、山口淑子(李香蘭)、三國連太郎、高倉健、菅原文太の各氏をはじめとする60名以上の映画人の業績を回顧・顕彰します。
上に出てくる方々は、みなさん(超)大物ばかりですが、そういったメジャーどころでなくても、様々な映画人が取り上げられています。
たとえば7月5日と8月19日に上映された映画はというと、
>彫る 棟方志功の世界/叛軍No.4
2015年7月5日1:00 PM@大ホール 2015年8月19日3:00 PM@大ホール 彫る 棟方志功の世界(35分, 35mm, カラー)晩年の棟方志功の創作活動に迫った記録映画。日活で数多くの作品の編集を担当した鈴木晄が、監督の柳川武夫から撮影素材をすべて任され、音入れも含めて構成した。1976年ベルリン国際映画祭記録映画部門グランプリほか、数々の賞を受賞。
叛軍No.4(96分, 16mm, 白黒)反戦自衛官・小西誠の裁判経過を収めたアジビラ映画(シネ・トラクト)として構想されたシリーズの4作目。戦時中に叛乱行為で罪に問われた元二等兵が、これまで内密にしていた事実をとうとうと語り始めるが、その講演を終える瞬間、映画の根源を揺るがす事実が明らかにされる。映像で語る行為自体の政治性を作品ごとに提示してきた岩佐寿弥の代表作。
というものです。どうです、ドキュメンタリー映画(後者の映画は、アジビラ映画ですから、ドキュメンタリーでもないですが)という共通点はあっても、映画としてはほとんど共通するところはありません。このような映画の上映会があるというのも非常に面白いというものです。
また
>マジンガーZ対暗黒大将軍/グリム童話 金の鳥
2015年7月22日3:00 PM@大ホール 2015年9月5日1:00 PM@大ホール マジンガーZ対暗黒大将軍(43分, 35mm, カラー)1974年夏休みの「東映まんがまつり」で上映された人気TVアニメーション「マジンガーZ」の劇場オリジナル版第2作。TV版に先駆けてグレートマジンガーが初登場し、当時大きな話題となった。角田紘一が作画監督に昇格して担当した最初のTVアニメが「マジンガーZ」である。本年3月に逝去した西沢信孝にとっては最初の劇場オリジナル作品の演出であった。
グリム童話 金の鳥(52分, 35mm, カラー)世界征服をもくろむ魔女のペットである金の鳥を追う、心やさしい王子の冒険が描かれる。平田敏夫監督によれば、本作は演出を担当した劇場用作品の中でも「自分が最初から最後まで」作った2本のうちの1本(もう1本は『ボビーに首ったけ』)とのこと。
のようなアニメーションも上映されますし、
>大人のオモチャ ダッチワイフ・レポート(73分, 35mm, カラー)
2015年7月23日3:00 PM@大ホール 2015年9月1日7:00 PM@大ホール氷に閉じ込められた北極観測隊。男ばかりの彼らを無事に帰還させたのは極秘のBB作戦だった。ダッチワイフBB(ベベ)が彼らの欲望のはけ口になったのだ。BB作戦を成功させた国立医大の大森医師は、人形師の久生に、さらに精巧なタッチのBB制作を依頼する。曽根中生の隠れた傑作。
のようなロマンポルノも上映されます。すばらしいではないですか。またドナルド・リチーの前衛映画も観ることができます。
>ドナルド・リチー選集(計88分)
2015年7月19日1:00 PM@大ホール 2015年9月4日7:00 PM@大ホールドナルド・リチーは、小津安二郎や黒澤明をはじめとする日本映画を逸早く海外に紹介し、研究書を著したパイオニアであると同時に、日本の実験映画/個人映画作家の草分けでもあり、ユーモアとエロスに満ちた作品を撮り続けた。1964年には大林宣彦や飯村隆彦らと共に「フィルム・アンデパンダン」にも参加した。
し(10分, 16mm, 無声, 白黒) SHI 戦争ごっこ(22分, 16mm, 白黒) WARGAMES ライフ(4分, 16mm, カラー → 白黒) LIFE 猫と少年(5分, 16mm, 白黒) BOY WITH CAT 五つの哲学的童話(47分, 16mm, カラー → 白黒) FIVE PHILOSOPHICAL FABLES