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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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山本美憂の記事を読んで、日本フィギュアのペアの人たちの「その後」を確認してみた

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過日こんな記事を読みました。

>【レスリング】美憂がリオ五輪を断念 カナダ国籍の取得間に合わず

2015年12月1日19時27分  スポーツ報知

 レスリング元世界女王の山本美憂(41)=GENスポーツアカデミー=が1日、来年のリオデジャネイロ五輪を断念すると、所属事務所を通じて発表した。カナダに帰化し同国代表の五輪選考会(現地時間12月4日~6日)への出場を計画していたが、出場資格を満たす市民権が得られなかった。

 山本美憂の話「今日までオリンピック目指して頑張ってきましたが、カナダのオリンピックトライアル出場条件である市民権が間に合わず、断念することになりました。私の周りの皆の力で、カナダの政府機関である移民局までが、私のために全力で頑張って下さいましたが、少しだけ時間が足りませんでした。自分の希望とは違った結果で、今日は悲しいやら、寂しいやら、でもやるべき事はやってきたし、それがあってのこの結果、今は難しいけど受け止めます。全ては意味があっての出来事、神様は理由があって私をこの状況においたから、人生に起こる全てに事に感謝、全てのデコボコ道にも感謝。自分の好きな事をここまでこの環境でできた事は、あまりにも幸せな事、私を信じて支えてくれた全ての方に心から感謝です。私は世界一幸せなアスリート。素晴らしい経験でした。そしてこれからの私の新しい人生の旅がとっても楽しみ! これからもよろしくお願いします!」

 別に私は、彼女のファンではありませんが、彼女がカナダから五輪出場を目指しているというのはニュースで知っていました。そういえば、山本姉妹について記事を書いたことがあります。もっともこの記事で書いたのは、彼女の妹の聖子の方ですが、でも姉さんの方も事情は一緒でしょう。   オリンピックに出られないことを「親不孝」と語っていたら、人生さすがに救われない   題名からもわかるように、私は彼女らの行動その他を必ずしも肯定的にはとらえていません。   >ぜんぜんあなたは親不孝な娘じゃないよ、なんて私が言ったところで何の足しにもなりませんが、なーんかね、どうもね。   ということです。   それで、これとは全く関係ないことですが、オリンピックに出場するために国籍をどうしたこうしたっていうことも、かつて記事を書いたなと思いだしました。すべて2012年の記事です。   トランの日本国籍取得は難しいんじゃない? あと、はたしてペアの種目での国籍統一は必要なのか   マーヴィン・トランのソチ五輪までの日本国籍取得はほぼ絶望だろう   ほれみたことか、こうなった(フィギュアスケート選手マーヴィン・トランのペア解消)   記事の題名を見るだけで、記事の趣旨はご理解いただけるでしょう。つまり、ベトナムとカンボジア系のカナダ人であるマーヴィン・トランが日本の所属で、フィギュアスケートのぺアで3位という好成績を収めたので、これは特例で国籍を取得できないかとスケート連盟などが動いたのですが、結局まったくだめで、2012年の12月でペア事態も解消したという事件です。結果的に私がこの記事で予想したこと(最初の2記事)は的中したわけです。それは別に私が慧眼の持ち主だというわけではなく、そんなのは実に簡単に予測できるということでしかありません。つまりは、スケート連盟が、初めからできっこないことが容易に予想できることを、無理に押し通そうとしてやっぱり失敗した、ただそれだけのことです。   だいたいトランは、日本での居住実績すらなかったわけで、それでは国籍取得などはじめからできない相談です。もっと以前からそれなりの準備をすすめなければいけません。スケート連盟は、そんなことをほとんどしていなかったんじゃないんですかね。あてにならない話でほんろうされたトランが気の毒です。   たさそういった話は別として、そもそもフィギュアスケートのペアやアイスダンスなどで国籍の統一が必要なのかという疑問も生じます。不要でしょう、そんなの。表彰式その他では、五輪旗でも掲揚すれば済む話です。偶然ですが、山本美憂とトランはちょうど反対の立場です。山本にとっては国籍変更はそんなに精神的に高いハードルではなかったのかもですが、トランには日本国籍取得と同時にカナダ国籍を失うことは容易に決断することができなかったのだろうと思います。たぶんトランは、仮に日本国籍を取得しても、オリンピックが終わればカナダほかで居住するでしょうから、カナダ国籍喪失はノーサンキューだったのかもしれません。   トランの相方だった高橋成美は、トランとのペアを解消後、男子シングルだった木原龍一とのペアでソチオリンピックを目指しました。それで、エストニアの出場枠放棄により幸運にもオリンピックに出場できましたが、団体戦は5位、ペア個人戦はSP18位に終わりフリーにもすすめませんでした。   全くの余談ですが、オリンピックでのフィギュアの団体戦て無理やりですよね。あんなのはやめるか日程変更でしょう。だいたいどのスポーツでも、「団体戦」というのは個人戦のあとにするものでしょう。誰だって個人の方が大事なんだから。   それで、この関係者3名のその後をちょっと見てみますと・・・。   マーヴィン・トランは、2013年3月、トライアウトを行ったナターシャ・ピュリッチとのペアを結成しまして、カナダ選手権では4位でした。ソチへは行けず、2014-15シーズンからは、米国のマリッサ・キャステリとペアを組みました。全米選手権は6位、15-16シーズンは、スケートカナダで4位、テロのためフリーが中止になったエリック・ボンパール杯は6位でした。現段階では、いずれ米国籍になるのか、いろいろ本人も思案中かもしれません。現段階では、オリンピック出場のためにはもう少し成績を上げる必要があります。下は、2015年のトランの演技の動画です。スケートカナダより。  

Marissa CASTELLI / Mervin TRAN - Skate Canada 2015 - SP

  ただ、今後誰と組んでも、世界選手権3位以上の成績が取れるか・・・ですね。これは高橋も同じですが、なかなか難しいんじゃないんですかね。別に注釈をつける必要はないかもですが、一番上の写真は、その2012年の世界選手権での表彰式でのもの。   高橋成美は、上にも書いたように、木原とのペアでソチ五輪出場を果たしたものの、2015年3月いっぱいで、木原とのペアを解消しました。2人のブログによると、   >2015-03-31 04:15:05 ご報告! こんにちは!

この度日本スケート連盟の発表で
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、
この世界選手権を最後に、
私と龍一のペアは解散する事になりました。

私は次のオリンピックを目指して、2人で頑張っていくつもりでしたが、

数週間前、龍一から
「解散したい」と話がありました。

今迄応援していただいたファンの方々、
暖かいサポートをしてくださった木下工務店の皆様、
私たちをいつも励まし、支えてくださった方々、
ご期待に応える事が出来なくて、
本当に申し訳ありません。

でも私はやっぱりスケートが大好きです。
ペアが大好きです。

これからも日本のペアとして頑張っていきます‼︎

早くまた皆さんに、会えるように頑張ります!
これからも宜しくお願いします。

成美   >2015-03-31 18:42:15 ご報告 この度、世界選手権をもちまして、高橋成美選手とのペアを解消させて頂く事になりました。
2年間応援して下さった皆様、本当にありがとうございました。
この2年間、オリンピック、世界選手権、GPシリーズ、と本当に素晴らしい経験をさせて頂きました。
ペアスケートに出会えた事で自分の人生は変わりました。
また、そのきっかけを与えてくれた高橋成美選手に本当に感謝しています。

決して自分一人の力では無く、様々な方に支えられこの2年間を過ごす事ができ感謝の気持ちで一杯です。

今後は新しいパートナーを探しペアスケートを続けていこうと思います。
これからも応援して頂けたら幸いです。
ありがとうございました。

木原龍一   ということで、高橋の言い分によれば、木原側からペア解散を持ちかけたようですね。このあたりどういう思惑なのかはわかりませんが、ともかく2人は新たなパートナーを探すこととなります。それで高橋は、7月6日、ロシア人のアレクサンドル・ザボエフとのペア結成を発表します。実は、ソチ五輪出場権を放棄したエストニア代表の男子がこのザボエフであり、彼のエストニア市民権が間に合わなかったために高橋らが出場できるようになったわけで、これもなんともの話です。   木原は、須崎海羽という人と現在ペアを組んでいます。須崎についてはこの記事執筆時点でWikipediaにも記載されていませんが、こちらによると   >2015-07-12 12:06:35
こんにちは もうご存知の方も多いと思いますが、この度木原龍一選手とペアを組ませていただく事になりました須崎海羽です。   私のことを知っている方は少ないと思うので、簡単に自己紹介をします 1999年12月15日生まれの15歳、中京大学附属中京高等学校1年生です。趣味は歌を歌うことと絵を描くこと(落書きですが…笑)、特技はエレクトーンです。1番幸せを感じる瞬間は、何かを食べている時です(後略)   だそうです。浅田真央の高校の後輩ですかね。こちらにこんな記事がありました。   >次世代スケーターら 中京高校入学2015年4月7日

フィギュア王国愛知の次世代を担うスケーターが

浅田真央さんたちも通った高校に入学。

新たな生活への抱負を語りました。 

きのう6日に行われた中京大中京高校の入学式。 

浅田真央選手や村上佳菜子選手が通った

フィギュアスケートの名門校で

新たなスタートを迎えるのは、

永田絵美莉選手、須崎海羽選手、酒井祐香選手の3人。 

永田選手は、去年行われた

ジュニアの愛知県フィギュア選手権で優勝!

ジュニアグランプリシリーズにも出場するなど

すでに世界を舞台に活躍しています! 

永田選手

「小さい頃からこの学校に入るのが夢だったので、叶って嬉しい。

 入ったからには、スケートはやめられない。

 一日一日を大切に努力していきたい。」

永田という人の方が期待されている人材、ってことですかね。中京高等学校のHPによると

> 10月31日~11月3日まで、名古屋市日本ガイシアリーナで西日本フィギュア選手権が
開催され、本校からは女子選手権に3名、女子ジュニア選手権に1名、ペア競技に
1組が出場しました。

女子選手権では松田悠良選手がFS1位となって逆転優勝、谷口美菜選手が
FS2位と健闘し総合4位、大矢里佳選手が総合8位と、3名とも上位に入る
健闘をみせました。

ジュニア女子選手権では永田絵美莉選手がSP24位からFS8位と挽回して、
総合15位となりました。

ペアでは須崎海羽選手が木原龍一選手とのカップルで初めての試合に臨み、
この夏に結成したばかりとは思えない演技を披露して3位となりました。


この結果、松田、谷口、大矢と須崎ペアは12月に札幌で開催される
全日本フィギュア選手権に、永田は11月に茨城県で開催される全日本
ジュニア選手権への出場を決めました。

とのこと。木原らの写真がこちら。同じページより。

なお永田の結果は、こちらによると18位とのこと。これから、ということですかね・・・。高橋成美もこれからでしょう。

うーん、木原はまあペアに転向した甲斐があったかもですが、トラン、高橋についてはやはりちょっといろいろ苦労が多いようですね。それは仕方ないというものでしょうが、上の話を繰り返しますと、世界選手権などでは国籍の違うペアがOKであっても、オリンピックは不可というある意味変てこというか理不尽と言っていいルールの問題は否めませんね。テニスは国籍の違うダブルスなんていくらでもいますが、ビーチバレーは原則国籍が必ず一緒というのも、やはり同じ事情でしょうね。テニスはオリンピックとあんまり関係ないし、ビーチバレーは最終目標はオリンピックに出て金メダルを取るっていう。でもビーチバレーだって、国籍が一緒でなければいけないなんていう道理はないですよね。それこそ五輪旗で参加すればいいじゃないですかね。

ペアについては、木原と須崎については、それぞれシングルからの転向であり、日本ではペアというのはなかなかやり手がいないということがあるのでやはり当人たちに挫折感もあるはずですが(須崎については本人の弁を知りませんが)、木原は

>シングルが嫌になったとか限界を感じたとかではない。これが正しい道なのか長いこと悩んだ。ただ、五輪を目指して挑戦するというのは、今しか出来ないことだと感じて決断した

語ったくらいですから、それなりの葛藤はあったわけです。当然のことでしょう。須崎は、あるいは何が何だかわからないうちにペア転向になってしまった、というところもあるかもしれません。20歳を過ぎた木原とはまた違うでしょう。たぶん彼女に、ペア転向を拒否するという選択肢は、ないとまではいわずとも、断るのは難し勝っただろと思います。

この記事を書いているのが2015年の12月ですから、平昌オリンピックまでは2年ちょっとです。この記事でとりあげたフィギュアスケーターたちがどうなるか、私なりに見守りたいと思います。


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