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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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アイルランド・英国紀行(2015年9月)(19)

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フェリーから降りた人々は、自家用車、タクシー、迎えの車でみなターミナルから去ってしまいました。私は取り残されます。で、この時すでに私は、今日は宿屋に泊まらないで、このフェリーターミナルで一夜を過ごそうと決意していました。ホテル代も高いし、いまさらそんなことをしてもつまらんと(なぜかこの時は)考えたわけです。よって、朝までこの近辺で何らかの方法で時間をつぶすことを決意します。

こちらの待合室は、フェリーが出向するまでは開いているので、時間をつぶすことにします。

私以外にも、時間をつぶしている人がいました。

待合室が閉鎖される時間になったので、外に追い出されます。係員の女性が、「大丈夫? タクシー呼ぼうか?」と心配してくれましたが、丁重に心配無用である旨話します。

適当に周りをぶらつきます。時たま歩いている人がいて、その時はさすがに警戒しましたが、特に危害を加えられることはありませんでした。ただパトロールの人が私を確認してかなり心配したようで、「どこかへ送ろうか?」と声をかけてくれたようですが(完璧に聞き取れなかったのですが、だいたいそういうことを言ってくれたのだと思います)、やはり大丈夫だと返答しました。しかし雨まで降ってきてしまい、雨具はもっていましたが、風まで吹いてきてこれには困りました。さすがアイルランド、天候は不安定です。

雨がやんだ時間は、ここに腰を下ろして、ジェイムズ・ジョイスの「ダブリンの市民」(岩波文庫版)を読みます。ダブリンでジョイスを読むのも悪くありません。今回の旅では、あとスライゴ―イェイツを読むことができました。これは後でまた書きます。

雨が強くなってきたので退散します。

こちらの軒先で雨宿りしました。夜を屋外で過ごすのも大変です。

「標高-10m」って・・・。

そうこうしていると、ようやく英国から次なるフェリー(本来私が乗る予定だったフェリー)が到着したので、迎えの車ほかが来はじめました。タクシーが来たので、それにすかさず乗ります。運転手さんは女性でした。

私「ヒューストン駅まで行ってください」

運転手さん「あなたがフェリーから最初に出たお客さん?」

もちろんそうではありませんが、ターミナルの屋外で徹夜したなんて話をしても変人と思われるだけなので、「そうです」と答えておきました。

タクシーは港らしい風景を走ります。最初私は、徒歩で路面電車(ライトレール)の駅まで行けないかなどと考えないでもなかったのですが、しかしとてもこんなところを夜だか早朝だかに歩けたもんじゃないと思わざるを得ませんでした。

タクシーは間もなくダブリン中心部を走ります。リフィ川に沿って歩きます。税関その他の建物が美しくライトアップされていました。

私「日本人を乗せたことはありますか」

運転手さん「ええ、ありますよ」

私「そうですか。私はダブリンは初めてですが、ベルファストには2回行きました。あなたは行ったことはありますか」

運転手さん「2年前くらいに行きました」

こんな話をしながらタクシーはヒューストン駅に向かいます。私のこんな話につき合ってくれて、ありがたいことです。そうこうしているうちに駅に到着しました。

私の乗ったタクシーです。手を振って分かれます。けっきょくこの旅行でタクシーに乗ったのは、この時が最初で最後でした。

これからアイルランド最初の目的地ゴールウェイに行きます。

駅構内に入ります。

アイルランドの鉄道も自動改札でした。

アイルランド語(ゲール語)と英語が並記されています。左側に表記されて位るのは、ゲール語のほうが第一言語であるということです。

切符を買おうと窓口を探します。

ね、ゲール語のほうが上に表記されているでしょ。

窓口で切符を買います。

ベンチに座って、買ったパンを食べることにします。上の写真の白い椅子に置いてあるカバンは、私のものです。

上の写真の売店で買いました。

列車の出発を待ちます。

(つづく)


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