昨日読んだ記事を。
>盲導犬乗車拒否、タクシー会社処分 4台14日使用停止
朝日新聞デジタル 5月28日(土)16時28分配信
今年3月、金沢市内で盲導犬を連れた男性がタクシーに乗車を拒否された問題で、国土交通省北陸信越運輸局は27日、同市千木1丁目のタクシー会社「金城三和交通」に対してタクシー4台を14日間使用停止にする処分をしたと発表した。決定は24日付。
同局によると、3月3日午後2時半ごろ、金沢市武蔵町のデパート前で盲導犬を連れた男性がタクシーに乗ろうとしたところ、このタクシー会社の男性運転手が拒否。さらに昨年10月の監査で、この会社の65歳以上の運転手4人が、義務づけられている適性診断を受診していなかったほか、車両の整備管理者に必要な研修も行っていなかったことが明らかになっており、これらを総合しての処分だとしている。
金城三和交通によると、乗車拒否した男性運転手は今月27日付で依願退職した。同社の岩本道成社長は「交通機関としての使命を果たさなければならないなか乗車拒否をし、大変ご迷惑をおかけした。本人も当社も大変反省しています」と話している。(新屋絵理)
この記事を読んで、「おや」と思ったのが、こちらです。
>金城三和交通によると、乗車拒否した男性運転手は今月27日付で依願退職した。
退職した運転手氏の気持ちはわかりませんが、「依願退職」って、これ事実上やめなければ懲戒解雇にするくらいの話で依願退職という形に追い込まれたということなんでしょうね。不祥事を起こした警官が、停職×月の処分を受けて、その日に依願退職するなんてのと同じようなものでしょう。つまりはこの運転手氏は、主観的には会社のためを思ってのであろう(この記事には書かれていませんが、シートが汚れると考えて断ったようです)やった行為のおかげで、職を失ったということです。
数か月前、私はこのような記事を書きました。
補助犬啓発イベントがあった会場にある店舗で補助犬の入店を拒否されたら、いくらなんでも救われない上の記事の件は、大阪の有名デパートの飲食店で、補助犬(聴導犬だったとのこと)の入店を拒否されたということです。で、私がこの件ですごいと思ったのが、店子の立場である飲食店の(アルバイトの可能性がある)店員が、百貨店の従業員に対して
>阪急百貨店のイベント担当者に電話で連絡し、すぐ飛んできてクレープ屋に説得してくれたのですが、
それでも
「盲導犬も断りました」
と頑なに拒否。びっくりしました。。。
同じ阪急百貨店でも各店舗は阪急から部屋を借りているテナント。
そこに問題があるのは事実。同じ施設内でも全てのお店の末端に伝わっていないのだ。。。
という態度だったということです。私は、
>百貨店の担当からそういわれれば、本来店舗の(ことによったらアルバイトの)店員が拒否できるような性質のことじゃないはずですが、たぶんこの店員は知識もなかったし、そのような事態に対応する権限もなかったのだろうとは思います。でもこの件で、この人(ことによったら)クビになったのかもという気はします。少なくとも責任者からはう当厳しい注意があったはず。自分の保身のために、かえって自分の立場を悪くするというのはありがちな話ですが、それもどうかです。まあ確かに人間心理として、じぶんより数段立場が上な百貨店社員の言葉よりも、日々接している自分の直属の上司である店舗の責任者の方が、この拒否した店員にとっては重大だったのでしょうけどね。
と書いています。この店員の人が、その後どうなったかについてはもちろん私は知りませんが、いくら店名は明記されていないとはいえ、全国紙に書かれてネット配信されてしまったのですから、相当厳しい叱責があった、で済めば大変幸運だったというべきかもしれません。どっちみち終身雇用という雇用形態でなければクビになっても大して失われるものはないのかもですが、いずれにせよこういうことに生半可な知識で対応すると、ろくなことがないということです。
で、次のような記事も読みました。日にちでお判りでしょうが、金沢の事件を受けての記事です。
>盲導犬は本当に座席を汚すのか? タクシー拒否事件、専門家に聞いてみた
withnews 3月23日(水)7時0分配信
(略)
「座席シートに座ることはありません」
実際、盲導犬は、どんな風にタクシーに乗るのでしょうか? 公益財団法人「日本補助犬協会」によると、盲導犬がタクシーに乗る時は、通常、座席の下、人間の足元にいます。座席シートに座ることはありません。
担当者によると「汚れの受け止め方は人によって違いますが、車内で方向転換をしようとして、毛が座席に付いてしまうことはあります。ただ、多くのユーザーが、盲導犬に服を着せるなどの配慮もしています」と話します。
汚物によるトラブルの可能性はあるのでしょうか? 「前脚がシートに触れた時に汚れがついてしまった可能性もありますが、車内で排泄するような汚物によるトラブルが起こることは、訓練された盲導犬では考えられません」(担当者)
(後略)
実際に盲導犬によってタクシーを汚されたというのが事実なのか(汚れていたのが事実として、それが盲導犬のためのものなのかという問題もあります)どうかというのも確認できませんので滅多なことも言えませんが、いずれにせよ補助犬と補助犬を連れたかたの受難はかなりありそうです。たいていの件は、泣き寝入りではないですかね。障害者からすれば、不快すぎてすぐ忘れたいということもあるでしょう。
なお身体障害者補助犬法によると、
>(公共交通機関における身体障害者補助犬の同伴)
第八条 公共交通事業者等(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律 (平成十八年法律第九十一号)第二条第四号 に規定する公共交通事業者等をいう。以下同じ。)は、その管理する旅客施設(同条第五号 に規定する旅客施設をいう。以下同じ。)及び旅客の運送を行うためその事業の用に供する車両等(車両、自動車、船舶及び航空機をいう。以下同じ。)を身体障害者が利用する場合において身体障害者補助犬を同伴することを拒んではならない。ただし、身体障害者補助犬の同伴により当該旅客施設若しくは当該車両等に著しい損害が発生し、又はこれらを利用する者が著しい損害を受けるおそれがある場合その他のやむを得ない理由がある場合は、この限りでない。 ということです。この法律を、私(たち)もかみしめたいと思います。