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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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過去の人間だが、安明進が死んだらしい

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bogus-simotukareさんの記事を読んでいて、紹介されていた荒木和博のブログ記事を読んで「え」と思いました。

>安明進氏のこと【調査会NEWS2305】(28.9.30)

 詳しい状況が分からないので、あくまでこのような情報があるとだけお伝えしておきます。元北朝鮮工作員で横田めぐみさんら政府認定被害者や古川了子さん、加藤久美子さんら特定失踪者の目撃証言をした安明進氏が既に死亡しているとの情報をソウルで聞きました。

 場所は中国で、時期や死亡の状況は不明だが死亡したことは間違いないとのこと。中国で死亡したという噂は前もありましたが、同じ人に前に聞いたときは分からないとのことでしたから、何らかの形で確認できたのだと思います。

 彼の横田めぐみさん目撃証言は拉致問題の進展に大きな寄与を果たしました。様々な紆余曲折はありましたが、これまで果たしてきた役割は感謝してもし尽くせないものがあります。「しおかぜ」 に妨害電波がかかり始めたのも彼が直接朝鮮語のメッセージで北朝鮮に語りかけたことがきっかけでした。

 詳しい情報が分からない以上、まだ一縷の望みをかけたいとは思いますが、とりあえずそのような情報があったことはお伝えしておく次第です。

安明進が死んだって!?

荒木自身

>詳しい情報が分からない以上、まだ一縷の望みをかけたいとは思いますが

と書いているくらいで、100%確実な話ではないのかもですが、さすがにこんな話でそうそうデタラメなデマを流したりはしないでしょうから、彼の死はほぼ間違いないと荒木は確信しているのでしょうね、きっと。

なお、Wikipediaの記事作成者もこの荒木の記事には注目したようで、早くもこのくだりが追記されています。

Wikipediaによると、安は1968年生まれとあり、月日については記載はありませんが、こちらのサイト(上で荒木が触れている、「しおかぜ」の放送内容の模様)によると安は8月26日生まれとのことですから、誕生日より前かそれ以後の死かわかりませんが、彼は47歳あるいは48歳で亡くなったんですかね。もし彼が、2016年になって亡くなったのだったら。

そうするとずいぶん若い死ですね。彼の死因もわかりません。白血病とか脳腫瘍とかの、本人の節制とかと関係ない病での死か、それともアルコール依存症とかによる死なのか(中川昭一とかみたいな)、あるいは事故死か変死か、何らかの事件に巻き込まれたのか。

安は、北朝鮮にとっては、裏切り者兼お尋ね者でしょうから、なんで中国に渡航したのかという疑問も生じます。韓国よりは、中国にいるほうが安の身辺もやばいでしょうに。一時的滞在か(観光旅行をする余裕は彼にはないでしょうが)ある程度の長期滞在か、それとも永住も視野に入れた滞在なのかもわかりませんが、どうもなあという気はします。

たぶんですが、安は韓国にすでに居場所がなかったんじゃないんですかね。上の記事で荒木は触れていませんが、安は2007年に覚せい剤関係で逮捕され、1審で実刑判決、2審で減刑され執行猶予判決をもらい、その後日本の関係者とも連絡を絶ったようです。上にもあるように、荒木和博とも連絡を取ってなかったようですから、たぶんほとんど忘れられた、過去の人間となっていたのでしょう。Wikipediaによると、

>中国で協力者から入手した北朝鮮製覚醒剤を韓国国内で密売

だそうですから、あるいは中国への入国もその絡みである可能性もありそうです。いずれにせよご当人、経済的にも人間関係も、その他さまざまな側面が、ほとんどどうしようもない状況にあったんじゃないんですかね。まともな暮らしをしていたら、同じ死ぬにしてももう少しまともな状況で死ねるでしょう。

安のWikipedia記事にも指摘があるように、安の証言には疑問符も多くつけられています。荒木は上で

>彼の横田めぐみさん目撃証言は拉致問題の進展に大きな寄与を果たしました。様々な紆余曲折はありましたが、これまで果たしてきた役割は感謝してもし尽くせないものがあります。「しおかぜ」 に妨害電波がかかり始めたのも彼が直接朝鮮語のメッセージで北朝鮮に語りかけたことがきっかけでした。

と書いていますが、いろいろ問題点も指摘されています。正直シャブ以外にも、彼の悪評は少なくないのです。

それで私が思い出したことがあります。今年書いた記事に引用した、産経新聞の記事で紹介されたエピソードです。

産経新聞は、拉致被害者の自衛隊による救出はできないと書いていたじゃないか

>2016.3.12 13:00

【北朝鮮拉致】自衛隊は拉致被害者を救出できないのか? ドイツの事例を参考に元自衛官らが訴える「奪還シナリオ」の必要性

(前略)

実現しなかった拉致被害者救出作戦

 シンポジウムでは、民間による拉致被害者救出が過去に検討されたことがあったことも明かされた。

 昭和53年8月に北朝鮮に連れ去られた増元るみ子さん(62)=拉致当時(24)=の弟、照明さん(60)は平成14年終わりごろ、るみ子さんと、るみ子さんと一緒に拉致された市川修一さん(61)=拉致当時(23)=救出作戦の実施を提案されたという。

 照明さんによると、作戦を提案したのは、元北朝鮮工作員の安明進(アンミョンジン)氏。「現在でも増元るみ子さんと市川修一さんの所在地がある程度わかる。連れ出せるはずだという相談があった」という。

 しかし、るみ子さんと市川さんの2人を同時に救出するのは困難だという見通しを伝えられ、「どちらか一人残されたほうはどうなるのだろうという危惧があったのでプロジェクトを断らざるをえなかった」と振り返った。

(後略)

一読してまったくもって現実性がない話だと思いますけどね。私には、単なる詐欺話にしか思えません。記事にはそう書いてありませんが、増元氏も「あてにならん」と判断してこの話を断ったんじゃないんですかね。いや、ご当人が「そうではない」と言えばそれまでですけど。

この話は2002年の終わりごろというから、小泉訪朝があってから間もなくですよね。こんな話を持ち出すこと自体、安はこの時点で相当やばい状態にあったのかもしれませんね。いずれにせよ、覚せい剤の事件のあと日本のマスコミも安とは接触しなくなった(安から避けた?)ようですから、つまりはすでに過去の人間ということです。

いずれにせよ安は、韓国からも、そしてたぶん日本からも見捨てられたんでしょうね。それは安の不徳の致すところというもので仕方ないことでしょうが、いろんな点で踊らされた人間だったと思います。その末路は、なんとも哀れです。

以上、bogus-simotukareさん、および安死亡の記事を書いた荒木和博氏(感謝の文章ですので、敬称をつけます)に感謝を申し上げます。


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