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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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鳩を飼うというのも難しい時代のようだ

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おもしろい記事を見つけました(魚拓)。

>2016/10/3 16:00神戸新聞NEXT

ハトレース、高齢化で先細り 「肩身狭い」趣味に

 秋は、知る人ぞ知る「ハトレース」の季節。兵庫県内でも今月、「日本鳩レース協会」の地区連盟が4レースを開催し、200~400キロ先から鳩舎(きゅうしゃ)に戻るまでの時間を競う。半世紀ほど前の飼育ブームの名残から現在も県内で100人超の愛好家がいるが、高齢化が進み、競技の先細りが顕著になっている。(小川 晶)

 「馬主や厩務(きゅうむ)員、調教師の役割を一人で全部体験できるところですかね」。競馬を引き合いに坂口好範(よしのり)さん(65)=兵庫県稲美町=がハトレースの魅力を語る。

 (中略)

 ただ、レースは過酷だ。愛情を込めて育て、飛行距離を少しずつ延ばす訓練を重ねても、はぐれたり、タカなどに襲われたりする。坂口さんが所属する同協会が昨年5月に催した北海道・長万部発の千キロレースでゴールした県内のハトは、253羽のうち13羽だけだった。

 同協会事務局の宮川幸雄さん(72)によると、1970年代の漫画「レース鳩0777(アラシ)」によるブームで、最盛期は約3万人の会員がいたという。だが、ふん害などに対する風当たりが強まり、鳩舎の確保が難しくなると競技離れが進んだ。現在は全国で約1万人、兵庫県内の会員もこの20年で40人ほど減って約120人となった。

 「会員の高齢化や費用、世話の負担も大きく、裾野を広げる手だてがなかなか見当たらない」と宮川さん。同協会が秋に開催する小中高生対象のレースは2012~15年、参加者不足などで競技が成立していない。

 (中略)

 一方、今春の定年退職を機に、高校生以来となる飼育を再開した神戸市の60代男性は、家族やレース関係者らごく一部にしか明かしていない。「飼っているだけで苦情が来る時代。人目を気にしないといけない趣味になってしまったのが残念」とこぼす。

 【ハトレース】 帰巣本能が特に優れているハトの特長を生かし、軍隊や新聞社などが活用していた伝書バトが起源。戦後、通信機能の発達で姿を消す中で、愛好家らにより競技として成立した。日本では会員数最大の「日本鳩レース協会」(東京)と「日本伝書鳩協会」(同)の2団体が、気候のいい春と秋に各地域でそれぞれレースを開催。ハトの脚に着けたICチップで鳩舎に戻るまでの時間を計り、速さを競う。

別に私、現代日本における鳩の飼育事情なんかに何の知識もないですが、

>高齢化が進み、競技の先細りが顕著になっている。

というのは、「まあそうだろうな」という気がしますね。上にもあるように、それなりの金がかかるし、また記事にもありますが、競馬の馬主や調教師や厩務員は金になりますが、レース鳩とかそこまでいかずとも伝書鳩を飼うというのは、純粋に金がかかるばかりですからね。強い鳩のブリーダーになって、国内、あるいは海外の愛鳩家もしくは投資家に売ることができれば金になるでしょうが、なかなかそれも難しい。

記事中

>1970年代の漫画「レース鳩0777(アラシ)」によるブーム

とありますが、これは好きものにはわりと知られた漫画です。Wikipediaによると、1978年から80年にかけて連載されたとのことで、とするとその当時高校生から中学生くらいの年齢の人が、だいたい1960年~1967年生まれということになりますから、50代くらいのわけです。そういう人たちがまた鳩を飼いだすということも、関係者は期待しているのかもですね。

そういえば、大島渚監督のデビュー作「愛と希望の街」は、もともと「鳩を売る少年」という題名でした。この映画では、伝書鳩が映画のポイントになりますが、考えてみればこの映画が製作された1959年当時は、貧しい少年が鳩を売る、というのが設定として成り立っていたということなのかもしれませんね。

ところでこの記事を読んでいて、あれ、そういえば鳩に関する本を私前買ったなあと思い出しました。

三億円事件と伝書鳩 1968~69

>内容紹介

60年代後半ほど、伝書鳩のレースが盛んだった時代はない。
1999年初頭、自分が3億円事件の「白バイ男」だと名乗り出て世間を騒がせた男
と、彼によって共犯者だと名指しされた男もまた、当時、伝書鳩のレースに夢中
になっていた。そして、あるとき彼らは、その「伝書鳩による錬金術」を思いつ
く。3億円事件と前後する1年の間に、彼らはその錬金術によって、現在の貨幣価
値にして2億円近くを荒稼ぎする事になる。なぜ、そんな事が可能であったの
か。「1968-69という時代」が荷担していたに違いない。
学生運動の盛んな大学にも愛鳩家サークルが存在し、三越デパートでも伝書鳩を
売っていた時代...。本著は、彼らの起こしたという「3億円事伝」と、その「伝
書鳩による錬金術」の謎に迫るノンフィクションである。

自分で買っておいてこんなことを書くのもどうかですが、なかなか面白そうな本じゃないですか。しかしまだ読んでいません(笑)。こんな本買ったのも忘れていましたが、今度旅に出るときにでも旅先にもっていって読んでみます。2006年発売ですから、ずいぶん昔の本です。

いずれにせよ、鳩を飼うというのは、いまの日本では相当に贅沢な趣味だということになるのでしょうね。それで思い出しましたが、私が免許を取った時、その教習所(すでに廃業しています)の教官じゃなくて指導員の人で、鳩を飼っている人がいたという話を聞いたことがあります。彼からそんな話聞いておいてもよかったな。案外金持ちの人だったのかもしれません。

以上、今日もよくわからない記事ですが、また明日の更新をお楽しみに。


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