Quantcast
Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4143

祝! 拉致被害者家族が、ついに北朝鮮への「見返り」「対価」を考えることにした!

$
0
0

昨日NHKの夜7時のニュースを見ていて、うーん、橋本奈穂子アナ(休職されるとか)のスカート短いなあなどとつまらんことを考えていたら、私のような人間からすると「おお!」というニュースが飛び込んできました。NHKのサイトより。写真は、同じ記事の動画の部分のスクリーンショットです。

>拉致被害者家族が新方針 制裁解除など「見返り」に初言及
2月19日 19時14分
北朝鮮に拉致された被害者の家族らが、新しい活動方針を話し合う会議を開き、ことし事件発生から40年が経過することを踏まえ、制裁の解除などの見返りも条件に、拉致被害者の早期帰国を最優先にした交渉を進めるよう政府に求めていくことを決めました。
およそ1年ぶりに開かれた会議には、拉致被害者の家族や全国の支援組織が出席し、家族会代表で田口八重子さんの兄の飯塚繁雄さんが「家族会が結成され20年になりますが、これは単なる節目ではなく20年たってしまったことが問題です。早く解決すべく総力を挙げるときだと思います」と話しました。

拉致問題は、ことし発生から40年、被害者の家族会が結成されて20年の節目の年となりますが、依然こう着状態が続いています。
会議では、こうした現状を踏まえ、北朝鮮との間で、すべての拉致被害者の早期帰国を最優先にした実質的な交渉を進めるよう政府に求めていくことを決めました。

そして交渉にあたっては、北朝鮮指導部に被害者を帰す意思があるか見極めたうえで、経済制裁の解除や残された被害者が帰国しても北朝鮮で見聞きした秘密を話さないなど見返りや条件を示すことも可能だとしました。

新しい活動方針は、発生から長い時間が経過し帰国を待つ家族の高齢化が進むなか初めて「見返りの提示」に言及し、これまで以上に戦略的な取り組みを政府に求めるものになりました。
拉致家族が新方針受け会見
会議の後の記者会見で飯塚繁雄さんは「北朝鮮にとって、日本政府がかけている制裁を解除することのメリットは大きいはずで、政府は、見返りの意味を北朝鮮側に十分伝える努力を重ねてほしい」と話しました。
横田めぐみさんの弟の哲也さんは「拉致“疑惑”と言われていた時代からは前進しましたが、解決していないことは悲しい。長い時間がたったと言うだけでは済まされないことであり、国全体で考えていただきたい」と話しました。
「見返り提示」言及の背景
拉致問題をめぐっては、北朝鮮が核実験や弾道ミサイルの発射を繰り返した去年具体的な進展はなく、依然こう着状態が続いています。

その一方で政府が北朝鮮に拉致されたと認定している被害者のうち横田めぐみさんや田口八重子さんなど安否が分かっていない12人の平均年齢は、ことし68歳を超えます。また帰国を待ち続ける家族の高齢化も一段と進んでいて、先月91歳になった有本恵子さんの母親の嘉代子さんや今月81歳の誕生日を迎えた横田めぐみさんの母親の早紀江さんは、体調に配慮して19日の会議への出席を見送りました。

ことし拉致問題は節目が重なる年になっていて、来月被害者の家族会が結成され政府への訴えや街頭署名などの救出活動が始まって20年を迎えるほか、9月には最初の事件の発生からちょうど40年になります。これまで北朝鮮への追加制裁を求めてきた家族が、「見返りの提示」に言及した背景には、肉親の帰国につながる突破口を開きたいという切実な思いがあります。

私は、昨年の4月に次のような記事を書きました。

米国のキューバへの対応から、日本の北朝鮮への対応を考えてみる

この記事は、オバマ大統領(当時)のキューバ訪問のニュースについての解説を聞いて、それは全く日本の北朝鮮への対応も話は同じじゃないのと思ったわけです。ただこの時よりちょっと前の、bogus-simotukareさんのこちらの記事が、この件について私なりに考えたきっかけでした。

つまり産経新聞が、次のような記事を書いたわけです。

>林東源は、小泉からのメッセージも金正日に伝える。「拉致問題に進展があれば、国民を説得して関係改善を進める意思がある」との趣旨だったという。

 林は「日本人拉致は『過去に過激な盲動分子がやったことだ』という程度に認め、遺憾の意を表し、早期の帰還措置を取るのがよい」という「金大中の考え」を伝えて説得したとも回顧録で主張している。

産経からすればこれは、金正日と癒着しているとかで非難すべきこと、批判すべきことなんでしょうが、しかし現実問題としては、この金大中大統領(当時)と林東源統一相(当時)の説得が何らかの形で拉致被害者の日本帰国に役立ったということは明々白々でしょう。そういうことを認めない人間は、失礼ながら、拉致被害者なんか帰ってこないほうがよかったと考えている人間じゃないですかね。こんなのは大した「見返り」でも「対価」でもありませんが、このようなものの積み重ねが拉致被害者帰国のおおきな手助けになったということです。

それで私は、bogus-simotukareさんの記事で次のようなコメントをしました。

>(前略)こういう情報が出れば出るほど、やっぱり強硬姿勢じゃ全然ダメじゃんという結論に達しますけどね。この産経新聞の趣旨は、ほれみろ、金大中なんてこんな野郎じゃないかと言いたいのでしょうが、けっきょく安倍が全然拉致問題で結果が出せないのも、中国や韓国などとのパイプがないことが一因でしょう。中国はまだしも韓国は、現在北朝鮮側に何らかのアドバイスができる状況ではないかもですが、まあよほど思い切った手を打たなければ、何もどうしようもないでしょうね。

それで、そのあとまた追加のコメントしたのですが、同じ趣旨のことを私は上の記事でこのように書いています。

>よく反北朝鮮を訴える組織、あるいは個人が、北朝鮮へ経済制裁ほかの圧力をかけることにより(屈服させることで)、北朝鮮から譲歩を勝ち取り、拉致被害者帰国を実現したしこれからも実現することを可能とする、みたいな主張をしています。しかし私は、そのような主張を立証する第三者の発言その他を読んだり見たりした記憶がないですね。

私はいままで、拉致問題に関してさまざまな本を読みましたし、新聞、雑誌、ネットなどのさまざまな記事を読みました。また拉致について特集したテレビ番組などもたくさん見ています。それで、それらの中で、上に書いたように、圧力によって北朝鮮側の譲歩を勝ち取れたということを具体的な証拠をもって説明した記述や報道は、私は知らないですね。巣食う会や家族会、その関係者や支持者(櫻井よしことか)がそのような主張をしているのは数限りなく読んだり見たりしていますが、その主張を立証するものは知りません。もちろん私の記憶から抜け落ちているということはありえるし、知らないところにはそのようなことを書いてある本や証言している人のインタビューを収録した番組などもあるのかもですから、ご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひコメント欄などでご教示いただけませんかね。よろしくお願いします。

そして、この記事を書いてから現段階10か月たちましたが、いまだ私は、「こういうのがあった」というような情報を得るにいたっていません。仮にそのようなものがあったとしても、「対価」「見返り」のほうがはるかに北朝鮮を動かしたことは確実だと思いますので、特に私の意見を変える必要はないと思いますが、しかしあればぜひ知りたいと思います。コメント欄を復活したら、知っている方はぜひご連絡ください。

で、上の写真、左から、飯塚耕一郎氏、飯塚繁雄代表、西岡力、横田哲也氏ですかね(西岡には、敬称をつける気がしないのでつけません)、今回どういう理由でこのような方針変換をするにいたったか、内部事情を私は知る立場にありませんが、やっぱり強硬姿勢というのは現実的でないという結論に達したんですかね。

いずれにせよこれは最低レベルの話ですが、ともかく一歩の前進じゃないですかね。現段階で、そういうことにして拉致被害者が返ってくるのかというのはまた次なる問題ですが(死亡しているんじゃないとか)、とにかくそのようにしないと一向に話が前進しないわけです。北朝鮮が拉致問題で動いたのは「見返り」「対価」あってこそです。

でもそんな話、私程度の人間ですらさんざん書いてきたような気がしますけどねえ。そんな程度のことを、拉致被害者家族の方々全員が理解しなかったなんてこともないと思いますけど。何をいまさらという気はします。が、しかしそのような判断にいたったことは大変いいことです。

そしてそうだとすると、次なる段階ですべき方針転換は、中国と韓国にこの件で協力を仰ぐということでしょうね。上の記事でもあるように、2002年の際は韓国政府が拉致被害者帰国に協力してくれたわけです。現段階韓国政府は、そのような話を北朝鮮側にしてくれる状況でもないですが、今年中に実施される大統領選挙でどのような結果が出るかはわかりませんが、韓国側が今後この関係で協力してくれるのならぜひ協力してもらいたい。中国へ協力を求めるのも当然です。当然すぎるくらい当然なのですが、それを関係者みな避けているのはなぜなんですかね。中国大っ嫌いなんて言っているような事態ではないでしょう。

ただbogus-simotukareさんもご指摘のように、

>まあ、これが本気ならまず今すぐすべき事は「蓮池透氏の家族会除名撤回と、彼への謝罪」「制裁解除に反対し、蓮池氏除名を画策した巣くう会一味との絶縁」でしょう。「制裁解除する用意がある」のであれば「蓮池氏除名は不当な行為だった」と認め「救う会と絶縁しない」と論理的におかしい。

という気はしますね。ともかく蓮池透氏に謝罪はすべきでしょう。これは横田さんたちが、お孫さん、ひ孫さんにお会いした際も同じことを考えましたが、あれだって蓮池透氏は、少なくとも巣食う会と一線を画してからは、ぜひ横田さんたちはお孫さんに会ってほしいという趣旨のことを語っていましたよね。それを横田さんたちは、理由はともかくかたくなにお孫さんたちに会おうとしなかったわけですが、最終的にはやっぱり会ったわけじゃないですか。それならその時点で、蓮池透氏に謝罪するくらいのことは人間として当然でしょう。いや、表立ってないところで謝罪とかしたんですかね? そうだとしたらそれは私の知るところでは(当然)ないですが、謝罪しないということでしたらそれは、つまりは理屈でなくて「引っ込みがつかない」とかそういうことですよねえ。そういうことは、私は我慢しなければならないんじゃないのと思いますが、どうなんですかね。

ところで上の写真に西岡が写っていますが、西岡という人物はいわば狂信的な反北朝鮮の人間ですから、こういうことには絶対反対すると思うんですけどね。彼と付き合いながら、そのような方針転換をするのか、可能なのか。今後、西岡ばかりでなく荒木和博、櫻井よしこといった極端な反北朝鮮の人間と付き合いつづけるのか。付き合い続けることと制裁を考え直すということが両立するのか。私なりに見守っていき、そして適宜記事を書いていきたいと思います。読者におかれましても乞うご期待。

今回の記事も、bogus-simotukareさんの複数の記事を参考にしました。感謝を申し上げます。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 4143

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>