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いらねえよ、刑事裁判の量刑に「市民感覚」なんか

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産経新聞の記事より。

>神戸女児殺害 減刑5例目「裁判員死刑」覆る…”市民感覚とのズレ”浮き彫りに

産経新聞 3/10(金) 15:15配信

 神戸市長田区の小1女児殺害事件で、大阪高裁は10日、1審裁判員裁判の死刑判決を覆し、被告に無期懲役を言い渡した。高裁が裁判員裁判の死刑を破棄するのは、前日の心斎橋通り魔事件に続き、5例目となる。「国民の常識を刑事裁判に反映させる」というのが裁判員裁判の主眼だったが、「究極の刑罰」の選択にあたって、市民感覚と職業裁判官の考え方が大きく違うことが浮き彫りになった。

 殺人事件の被害者が1人の場合、昭和58年に最高裁が示した「永山基準」に照らして、これまでも死刑が回避される傾向にあった。永山基準は、結果の重大性(特に被害者数)など9項目を総合的に考慮し、やむを得ない場合に死刑選択が許されるとした。

 今回を除いて、被害者が1人の事件で、裁判員裁判で死刑が言い渡されたのは過去3件。うち1件は被告側が控訴を取り下げて死刑が確定したが、他の2件はいずれも上級審で死刑が破棄されている。

 破棄1例目の東京・南青山の強盗殺人事件は「1審は前科を重視しすぎた」と指摘。2例目の千葉県松戸市の強盗殺人事件は、殺害の被害者が1人で犯行に計画性がないことを被告に有利な事情とした。

 この2件の上告は、いずれも最高裁が棄却。死刑の是非については、「永山基準」に基づいて検討が重ねられてきたことを考慮し「公平性の確保も踏まえて議論を深める必要がある」と指摘した。裁判員裁判でも先例を重視するよう求めたと解釈されている。

 神戸小1女児殺害事件の控訴審では、検察側と弁護側が同種事件の先例を提示して死刑の是非を争った。検察側は量刑判断のポイントとして、わいせつ目的であることや犯行が残虐である点を挙げ、「これらをあわせ持つ事例は他に例がない」と主張。一方、弁護側は、死刑選択で最も重視されるべきは被害者の数だとした上で、わいせつ目的や計画性がなかったことを強調していた。

>「国民の常識を刑事裁判に反映させる」というのが裁判員裁判の主眼だったが、「究極の刑罰」の選択にあたって、市民感覚と職業裁判官の考え方が大きく違うことが浮き彫りになった。

いらねえよ、刑事裁判の量刑に「市民感覚」なんか。市民感覚と職業裁判官の量刑についての考え方なら、日々勉強して判例の研究にも余念がない裁判官の判断のほうがよっぽど信頼できるし信用できます。市民感覚の常識が刑事裁判に関して正しいなんて、単なるドグマじゃないですか。そんなものがまかり通ったら、復讐裁判になって怖いことこの上ない。

さて上の記事でもあるように、2日続けて同じ大阪地裁で1審の死刑判決が減刑になったわけです。個人的な意見では、小1女児殺害事件では私は、死刑判決は厳しいと考えていまして、心斎橋の通り魔事件に関しては死刑も仕方ないかなと考えていましたが(私は死刑反対論者ですが、それはこの際関係ない話)、現段階1審無期懲役で高裁死刑という事件は、裁判員裁判導入後まだないようですので、つまりは裁判員裁判は量刑がかなり厳しいということがいえそうです。こちらの記事魚拓)ではつぎのような意見が紹介されています。

> 最高裁は1983年の決定で、「永山基準」と呼ばれる死刑の適用基準を示した。被害者1人の場合は死刑が回避される傾向にあるとされるが、事件の性格は千差万別で司法判断が分かれている。

 神戸女児殺害事件の神戸地裁判決は、最高裁決定が重視した殺害の計画性の有無にかかわらず、生命軽視の姿勢が著しい場合は死刑選択が十分許容されるとの判断を示した。検察関係者は「市民の目線を反映させるのが裁判員制度の趣旨ではなかったのか」と語る。

 一方、甲南大法科大学院の園田寿教授(刑法)は「裁判員裁判は遺族の処罰感情を重視し、厳罰化しやすい。国家が生命を奪う死刑は、先例との公平性の観点から特に慎重になるべきだ」と話した。

匿名だから議論したってしょうがないんですが、

>市民の目線を反映させるのが裁判員制度の趣旨ではなかったのか

なんてこと言われたって迷惑ですよ。市民の目線と刑事事件の量刑の妥当性なんて関係ないでしょう。自分の都合のいい時だけこんなものをありがたがっているんだからほんとデタラメな発言です。上の園田教授の発言のように、

>裁判員裁判は遺族の処罰感情を重視し、厳罰化しやすい。

ということです。名古屋の闇サイト事件での犠牲者遺族の妄言をありがたがって法科大学院で講演させり、新聞でそんな愚にもつかない話を垂れ流したりしていることに代表される無様で無残な光景が、このような裁判を後押ししているのです。本当に困ったものです。


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