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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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海外旅行の旅先に関する人気先の盛衰も興味深い

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過日読んだこの記事が興味深いですね。

サイパンとグアム、日本人が消えた楽園の今 (2ページ目)(魚拓魚拓
東洋経済オンライン 3/12(日) 6:00配信

>(前略)

米国のグアム、サイパンなど、日本人に身近なリゾート地に異変が起きている。日本からの旅行者数は1997年のサイパン(テニアン、ロタを含む)45万人、グアム111万人をピークに、2016年にはそれぞれ6.0万人、74万人まで激減した。

■忘れられた旅行地となったサイパン

 特にグアムの約3割減に対して、サイパンは約9割減と減少は著しい。マリアナ政府観光局日本事務所の一倉隆代表は「サイパンは忘れられたデスティネーション(旅行先)になってしまった」と嘆く。

 その理由をJTBのある幹部は「ツアーで3万~5万円の価格で安売りしすぎた。航空会社の取り分が少なく、便数を減らす結果になった」と話す。出張需要が安定的に見込めるエリアと違い、リゾート路線は需要の変動が激しい。

 実際にJAL(日本航空)やデルタ航空、ユナイテッド航空が直行便を多く飛ばしていたが、2000年以降に徐々に路線を削減。例えばJALは2005年にサイパン路線から撤退。グアム路線も、中部国際空港や関西国際空港から撤退している。

 現在、成田ーグアム路線はJALの1日1便に加えてデルタが1~2便、ユナイテッドが3~4便を運行。成田ーサイパンに至ってはデルタの1日1便だけだ。

(後略)

サイパンが最近旅先として話題になっているとも思いませんでしたが、いくら何でも年間6万人というのはひどいですねえ。単純に1日あたりで割り返せば、2016年は1日200人をはるかに下回る旅行者しかいないわけです。あまりに客が少なすぎて、これでは現地での日本人向けサービスも先細る一方でしょう。

それで上の記事の続きです。

> 安売り合戦の果てに、航空会社が路線を撤退・縮小、ツアーの値段が上がり、露出が減ったことで、日本からの旅行者数が減り続ける…。グアム、サイパンはこうした“負の循環”に陥っている。

■日本人が減って、韓国と中国人が増えた

 だが、現地には悲壮感は見られない。日本人の観光客は激減したが、韓国のLCC(低価格航空会社)や中国の航空会社が路線を開設し、地域全体の観光客数としては増加傾向にある。2016年のサイパンを含むマリアナ3島では53万人、グアムは153万人が訪れ、いずれも過去最高を記録した。

 サイパンでは、2013年までは日本人がトップだったが、2014年は中国と韓国に首位を明け渡し、その差は開くばかり。グアムの場合、2016年に日本人の旅行者数は74万人とトップだったが、韓国人の旅行者数は毎年2ケタ増が続き、54万人まで増えた。数年以内はついに日本を上回る可能性が高い。

 実際、グアムでホテルを運営する、ケン不動産リースの長嶋央典営業本部長は「日本と韓国人の観光客、米国軍人をうまく取り込み、2009~2010年以降、ホテルビジネスは右肩上がりの成長が続いている」と話す。

 同社は日本の不動産賃貸会社ケン・コーポレーションのグループ会社。グアムでニッコーやハイアットリージェンシー、ヒルトンブランドなど有名ブランドのホテル5軒を所有・運営し、現地でのシェアは3割強と最大手だ。

 事業が好調なことから、同社は100億円以上の資金を投じ、340室のホテルを建設中だ。ブランド名は未定だが、結婚式場やレストランを備えた高級ホテルを2019年までにオープンさせる計画を立てる。

それじゃ別に日本人が来なくても大丈夫ってことですかね(苦笑)。もちろん日本人が来てくれることは重要でしょうが、率直にって今のグアムもサイパンも、期待するのは韓国人、特に中国人でしょうね。伸びしろがある。日本人の旅行者数は、そんなに劇的回復をすることは見込めないでしょう。

ただこういうのを見ていると、私があらためて痛感するのが、拙ブログでも記事にしたこの件です。

経済のほうが政治よりよっぽど現実(実状)に正直だ

最近は、日本の津々浦々に中国人の観光客がいます。彼(女)らは、日本の地方都市のホテルや旅館のいいお客です。彼(女)らなくして、これらの営業は厳しいんじゃないですかね。inti-solさんも、

>前述のとおり、都心の公園で笛の練習をしていると、相変わらず中国人の観光客は多いのですが、いわゆる旗の下の団体旅行はめっきり減ったように感じます(皆無ではありませんが)。毎年1月に水上温泉に行っていますが、今や1日に5往復しか旅客列車が走っていない超ローカル線の上越線水上-長岡間に中国人観光客(もちろん個人旅行)が乗っていたりするのです。ありきたりの定番コースでは飽き足らなくなった、ということでしょう。

(中略)

もし、局地的な動向ではなく、日本全体で中国人観光客が急減してしまったら、日本経済に与える影響はかなり深刻なものになるでしょう。

お書きになっています。またこちらの記事も参照してください。

営業の自由を不当に侵害するどうしようもない新聞

で、これはもう否定のできないことです。上の私の記事に言いがかりをつけた人間はいても、いや、政治のほうが経済より現実に正直だと主張する人間は、私の知る限りいないわけです。

それで他のリゾートはと見てみますと・・・。

>バリ島も、ピークの2002年に60万人いた日本人の訪問者はいったん18万人まで減少したが、現在は23万人とやや回復傾向にある。「競合のリゾートが増えたうえ、直行便も減っている。むしろ健闘しているほうだ」(インドネシア観光局日本事務所)。

バリも激減していることがわかります。たぶんバリの観光客激減の大きな理由は、2002年と2005年に起きた爆弾テロ事件があったと思います(こちらこちら)。規模は2002年のほうが大きかったので、2002年がピークだったのでしょう。2005年は、テロの規模は小さかったのですが、日本人が死亡したのは文字通り致命的にまずかったのだと思います。バリはオージーやヨーロピアンが好きなリゾート地で、アジア系が主流のグアムやサイパンとはずいぶん違いますが(そもそもインドネシアと米国領ではぜんぜん違うしね)、日本人は両方のリゾート地の上客ですが、なかなかいろいろ難しいところもあります。2016年の日本人の出国者数は、こちらのサイトによると1711万6200人(推計値)だそうで、これは前年比5.6%増だそうです。グラフは引用自由だそうですので、引用します。

こうやって見ると、2016年は前年と比べてほぼ毎月旅行者数の数は順調に増えているようですね。いろいろな理由はあるでしょうが、ビジネス渡航もふくめていろいろ海外に出る条件が昨年は好転していたのでしょう。

それで同じサイトに、こんな表もありました。この記事のテーマと重なるものです。

こうしてみると、グアムは過去10年で前年より旅行者が増えた年が2年しかありませんね。やはり相当な不人気であることは否めません。私は個人的にグアムやサイパンに積極的に行きたいとも思いませんが(苦笑)、でもやっぱり日本人は理由はともあれ海外には積極的に行ってもらいたいと考えているので、グアムやサイパンにももっと日本人が行けばいいなあと考えていると書いて、この記事を終えます。


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