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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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「てるみくらぶ」の倒産でちょっと考えたこと

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旧聞ですが、このニュースは私には聞き逃せないものです。

>てるみくらぶ」破産申請 負債151億円

日本テレビ系(NNN) 3/27(月) 12:38配信
 主催する海外ツアーで航空券が発券できなくなるなどのトラブルが相次いでいる旅行代理店「てるみくらぶ」が東京地裁に破産を申請した。

 この問題は、東京の旅行代理店「てるみくらぶ」が主催するツアーで、航空券が発券できなくなるなどのトラブルが相次いでいるもの。東京商工リサーチによると「てるみくらぶ」は資金繰りが悪化して、営業の継続が難しくなったとして27日、東京地裁に破産を申請した。旅行業の破産では歴代4位の規模になる。関係者によると負債総額は約151億円で旅行者に返済が必要な債権額は100億円に上るという。

 一方、観光庁は26日、「てるみくらぶ」へ立ち入り検査を行い社長へのヒアリングや資料の提供を受けたという。

 「てるみくらぶ」を通じて海外旅行を申し込み、現在、渡航中の旅行者は多ければ数千人にのぼるとみられ、観光庁は正確な人数や宿泊先への支払い状況などの確認を進めている。

私は「てるみくらぶ」は使ったことはありませんが、私の知人が私がシンガポールに行った時と前後して、ベトナム(ホーチミン)にHISの団体旅行(航空券とホテルがついたスケルトン系のもの)に行っていたのですが、その時同じ便でホーチミンに着いた日本人男性が、その知人に言ったそうです。

「てるみくらぶ」はいいですよ、と。

その男性はビジネスクラスだったそうですが、かなり安くて良かったというのです。それっていつの話よと思ったら、3月13日夜の話だとのこと。つまり「てるみくらぶ」はそれから2週間くらいで破産を申請したわけです。

実際にその男性がいつくらいに金を払い込んだのかはわかりませんが、けっこうやばい話だったのだろうなと思います。もうちょっと遅くなっていたら、金が無駄になったか、最悪海外で航空券やホテル代を払いなおす始末になっていたこともあり得ます。

当方は、あるいていど旅慣れていますから、最悪そのようなことになってもなんとか日本に戻ることはそんなに難しくはないですが、しかしそういったことに慣れていない人はけっこう大変な目にあったのだろうなと思います。海外旅行好きの私としても、同情の言葉もありません。

それで、上の男性が語った「いいですよ」というのはどういう意味かというと、つまり安いということでしょう。HISより割がいいですよと。

それで私は考えます。てるみくらぶって、ずいぶん無理をしていたんだろうなと。こんな報道もあります。

>てるみくらぶ、粉飾決算の可能性 遅くとも3年前から

2017年3月30日19時24分

 破産手続きに入った格安旅行会社「てるみくらぶ」が、遅くとも3年前から粉飾決算を続けていた可能性のあることが30日、分かった。本業のもうけを示す営業損益を黒字に見せかけるため、経費を少なく計上し、社内で複数の決算書も作っていたという。

てるみくらぶ破産、渡航中止を呼びかけ 9万人に影響も
 てるみくらぶが27日に東京地裁に提出した破産手続開始申立書によると、同社は航空会社や宿泊施設への支払いにかかった費用や人件費などを決算書に実際より少なく記載。遅くとも2014年9月期から営業赤字が続いていたのに、こうした行為で黒字に見せかけていたという。

 例えば、16年9月期は決算書上、約1億2千万円の営業黒字としていたが、実際は15億円以上の営業赤字だった可能性がある。約4億6千万円のプラスとしていた純資産も、実際には約75億円の債務超過に陥っていたという。

 また、決算をよく見せるために複数の決算書を作成していたことも判明。社外への説明向けのものと、税務署に提出するためのものがあったという。

(後略)

もちろん粉飾決算なんて論外ですが、相当むりやり営業していたんだろうなということはわかります。さらに上の記事の続きを。

>てるみくらぶは27日に東京地裁に破産を申請。申立書によると、直前の23日まで1日あたり1千~2千件の新規予約があった。旅行代金を一括で支払うことで割引が受けられるキャンペーンなどで、23日時点までで積み上がった旅行代金の前受け金は約100億円。だが、前受け金は、航空会社や宿泊施設への支払いに回ることなく過去の債務の支払いに充てられたとみられ、手元の現預金は約2億円にまで減っていた。てるみくらぶの代理人弁護士は「申立書に記載の通りで、今後は破産管財人の調査を待ちたい」としている。

つまり完全な自転車操業だったということですね。この会社の規模で150億円を超える負債というのもすさまじいですね。

それでやっぱり私としては、中小旅行会社というのは信頼に欠けるなと思いますね(苦笑)。いや、私もいつだって航空会社や大手旅行会社から航空券を買っているわけでもないですが。過日行ったシンガポール行きは、HISのキャンペーンで、33,000円ほどの安い航空券でしたが、私も(当然ながら)すごい金持ちではありませんから、安い航空券を見つければそちらに流れます。だいたい航空会社からチケットを買うのだって、けっこうやばいことはあります。昨年のこの件は、私たちのような旅行好きには記憶に新しいものです。

>台湾・復興航空が破綻 墜落相次ぎ客離れ 

2016/11/23 0:27

 【台北=伊原健作】台湾の復興(トランスアジア)航空は22日、同日の臨時取締役会で解散を決議したと発表した。墜落事故が相次ぎ、客足が離れて資金繰りに行き詰まった。日台路線への影響も懸念される。格安航空会社(LCC)との競争激化や燃料価格の反転上昇で、航空業界の経営環境が厳しくなりつつある兆しも読み取れる。

 「昨日の午後まで投資家を回って支援を仰いだが、応じてもらえなかった」。林明昇董事長は22日午後、台北市内で開いた記者会見で悔しさをにじませた。「今後は燃料価格の高騰や米ドル高が進み、経営環境が厳しくなる」とも述べた。機材や設備調達での支払いでドル高は負担増につながるという。

 29日には新株予約権付社債(転換社債=CB)の償還が迫っており、資金繰りがつかなくなったことが破綻の引き金となった。来年1月に開く臨時株主総会を経て会社を解散する。機材などの資産は今後株主や債権者に分配される見通し。従業員約1700人は全員解雇する方向という。

 2014年に48人、15年に43人が死亡する墜落事故が発生。安全性への信頼が揺らぎ搭乗率は6割程度に低迷していた。16年7~9月期まで7四半期連続の最終赤字が続き、直近では「1日営業するごとに1千万台湾ドル(約3400万円)の赤字が積み重なる状態」(林董事長)に追い込まれた。ブランドの悪化で事業の買い手もつかず、1951年設立の台湾初の民間航空会社は歴史を閉じることになった。

 (後略)

この続きには、LCCに参入したもののうまくいかなかったという趣旨のことが書いてあります。それにしても飛行機会社ってのも、けっこうつぶれるよねえ。だいたい我らが日本のナショナルフラッグである日本航空だって倒産したしね。もっとも日本の国鉄は分割民営化されたし(これは労働組合つぶしの側面が大きいのですが)米国のアムトラックは大赤字だし、グレイハウンドも(実質的に)倒産しているしね。航空会社だって、パンアメリカン航空など倒産した航空会社は枚挙にいとまはありません。いまTBSのCSで再放送をしている『兼高かおる世界の旅』にこの航空会社が協賛していて美しい客室乗務員の姿が(PRフィルムですけどね)写っていますが、「米国系のエアでも昔はあんな美人が客室乗務員していたんだなあ」(PRフィルムを真に受けちゃいかんか)とかつまらんことを考えないでもありません。いずれにせよ運送業界やその周辺もけっこうやばい世界だなという気はします。鉄道会社はそれでも(特に都市部なら)膨大な資産がありますが、航空会社はそれもろくにないしね。

そういうわけで、やはり旅は、寄らば大樹の陰がいいのかなとかいう気もします。が、最終的には運でしょうね。地雷を踏むか踏まないかです。このブログの読者の方は旅好きの人が多いでしょうが、みなさん無事に旅ができることをお互い祈りましょう。ではよい旅を!

以下どうでもいい話です。4月5日の拙ブログの人気記事のランキングです。

森友学園(塚本幼稚園)関係の記事のアクセスが1位でなくなったのは、2か月ぶりくらいです。だいぶ落ち着いたのかもですが、もちろんまだまだ森友学園はおしまいにしていい問題ではありません。


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