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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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刑務所において受刑者の更正が不十分であるならば、その実情を改善することが必要だ

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ずいぶん以前、拙ブログの記事に寄せられたコメントと私のコメント返しを記事の形で紹介しました。で、その記事にo-kojo2 さんという方がブログ記事で取り上げてくださりまたトラックバックもいただきました。さらに尊敬する村野瀬伶奈さんからもトラックバックを頂きました。

さて、そのo-kojo2 さんの記事と私がその記事に寄せたコメントに対するo-kojo2 さんからの返しのコメントを読み、私も少々考えるところがありました。ちょっとコメント欄でのやりとりを引用いたします。o-kojo2 さんの記事は、米国での受刑者の更生について興味深い事例を紹介しています。

>Bill_McCreary 2012/03/10 11:30
どうも、拙ブログの記事のご紹介とトラックバックありがとうございます。

個人的な意見ですが、あの記事で紹介した方のご意見はそんなに極端とか世間に通用しないものとかではありませんが、もし

>>刑務所がまるで「犯罪者養成所」「犯罪者合宿所」のような状況になって本来の機能を果たせず、「反省」や「更生」などが加害者の口先やうわべだけで終わってしまっている・・・と言うよりも、多くの加害者にとって本当の「反省」や「更生」がいかに難しく、絵空事に終わりかねない事であるかを示しているのではないでしょうか?

というのが実態としてあるとお考えなら(で、確かにある程度はそうなのでしょうが)、だから死刑をふくむ重刑にしろというよりは、刑務所でいかにそういった実態を改善するということに思考の方向を向けた方が(この方は、犯罪被害者や遺族その他ではないようですから)建設的だと思いますし、私も記事で紹介したように監獄法から法律が変わって日本もある程度受刑者の更生に努力するようにはなってきているかと思います。もちろん改善する余地はいろいろあるでしょうが、貴記事で紹介されている米国の事例もいろいろ参考にすべき部分はあるのではないかと愚考しました。

これからもよろしくお願いいたします。
 

o-kojo2 2012/03/10 22:39
突然のトラバ失礼しました。また、丁寧なコメントありがとうございます。引用させていただいたブログ記事のコメントの方は、人殺しはとにかく死刑だ、のような極論とは違うと思いました。ただ、凶悪犯は我々とは違った人間で、所詮は人間らしくなるなんてありえないのではないかというような印象をもちました。
受刑者に同じ受刑者を介護させるということの是非はともかく、誰かに必要とされたり、誰かの役に立てているという実感をもてたりすることが、更生に役に立つ気がします。なんかそういう議論が昨今の厳罰化の中でおざなりになってるのが残念です。
これからもブログ楽しみにしています。よろしくお願いします。

私のブログにコメントをくださった「Sentimentalist」さんという方はとても真面目な方で、お書きになっていることも「そういう言い方はないだろ」なんて私が考えるような世間に通用しないというか非常識なことを書かれてはいません。だから私も、私なりに(どれくらいそれが成功しているかどうかは私では判断できませんが)真面目にコメントを返しました。

で、考えるに、どうもSentimentalistさんは、刑務所での受刑者の更正についてきわめて強い不信感というか意味のなさを感じておられるように見受けられました。

もちろん刑務所であらゆる受刑者を完ぺきに更正させるなんてできっこないし、要は歩留まりの問題になりますが、日本の刑務所はそれがどれくらい行えているのでしょうか。

実際のところ、日本の刑務所において受刑者の更正というのがどれくらいうまくいっているかと言うのはなかなか判断が難しいところもあります。世間の常識や考えとは違うかもしれませんが、少年院などでの更正はかなりうまくいっているかと思います。しかし、成人の、しかも累犯者を収容する刑務所では、なかなかというところもあるようです。

しかし、私もコメント欄の返しで書いたように、刑務所を出所して居場所がないというのは本当に困ります。被害者や遺族や世間が、犯罪をした(元)受刑者を許さないというのは正直どうしようもありませんが(私や他の誰かが「許してやれ」なんていったところで、そんなことに誰も耳を貸してはくれないでしょう)、居場所を提供するというのは予算の裏づけや世間の目などもあり容易ではありませんが、これはできないことではないでしょう。無駄にこういった人々が再犯して刑務所に戻る(その犯罪は、時に無銭飲食の詐欺罪とかだったりします)のは、本人のためにも極めてよろしくないし、社会的コストもかかります。あえていえばどうせ金を使うのなら、犯罪人を刑務所に閉じ込めておくことよりも、犯罪人が再び刑務所に来ない方向に向かって更正させることに金や労力をついやすほうが合理的だし税金の使い道としても前向きというものです。

日本も監獄法から受刑者処遇法に法律が変わり、日本の法務省その他もそれなりにそういった方向に前向きに努力する気ではあるようであります。ただなかなかこういったことにたいする世間の理解というのも進みません。それは仕方ないことではあるのでしょうが、どうかです。けっきょく更生をより手厚くできれば社会コストも下がるのですし、また「死刑」に値する罪を起こしてしまう人間の数も減るのですから。

なかなか話が前にすすまないのは仕方ないとはいえ、けっきょく私たちは、いかに再犯をしないように更生させるかということを考えていかなければならないと思います。


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