Quantcast
Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4143

非常事態に見知らぬ人とタクシーをシェアして空港へ向かう

$
0
0

自慢じゃないですが、私は1回飛行機に乗り遅れたことがあります。国内線で、羽田→千歳の便に乗り遅れました。仕方ないから航空券を買いなおしました。以前記事に書いた客室乗務員が絶叫したのは、このフライトの際です。

今日の話は、たしか2002年の秋だったかと記憶しますが、ちょっと時期は定かでない経験です。

札幌から都内にもどるため、夜6時過ぎごろだったかな、札幌駅へ行ったところ、突然放送があり、事故があって千歳空港行きの電車が走らない、復旧未定とのことでした。

そんなにものすごく時間に余裕があったわけではないので、これはまずいなと思いました。あいにくリムジンバスは、札幌駅からはすでに発車していませんでした。

タクシーしかないなと覚悟をきめてタクシー乗り場に並びました。で、ご想像の通り、もうすでに列が長い(苦笑)。

さすがにいらいらしながら待ちました。すると、私の1つか2つ前に並んでいた女性(30代くらい?)が大声を上げました。

女性「千歳空港までいっしょに行きませんか!?」

実は私も、誰かとタクシーをシェアできないかなと考えていたのです。タクシー代くらいは持っていましたが、しかし私には痛い大金です。これはありがたい話です。

私「はい! はい!」

たちまち3人があつまり、合計4人になりました。男性女性ちょうど2人ずつです。

これは単なる偶然でしたが、幸い小型タクシーでした。これなら運賃は安めに済みます。

私はある程度時間に余裕がありましたが、シェアを持ちかけた女性はかなり切羽つまっていたということでしたので、彼女は出やすいように助手席に座りました。

で、助手席はともかく、後部座席の3人がけは、けっこうきつく感じました。私は背が低くなくやせてもいないので、ぎゅうぎゅうづめに近いものがありました。

運転手氏がこんなことを言っていたのを思い出します。

「こういうのがねえ、楽しみなんですよ」

つまりは長距離運転がということですかね。

さて、なんとか空港に着く手前になりました。運賃は4人で分けるとして、いくらか端数は出ます。それは、助手席に座っているのとは別の女性、中年の女性がいましたので、彼女にうけっとってもらえばいいということになりました。もう一人の男性と私が、よびかけの女性の次に時間に余裕がなかったので、相対的にはいちばん余裕のある女性でよかろうという私たちの了解です。

すると、中年女性はちょっと「え、いいんですか」と遠慮しました。遠慮するシチュエーションじゃないだろと私はちょっと苦笑したのですが、もう一人の男性が

「お母さん、受け取ってください」

と言ったので、ようやく受け取ってくれました。こういうとき、バシッといえる人はいいですね。

いそいでチェックインをします。多少は余裕はありましたが、でもぎりぎりといっていい時間でした。札幌駅のところでまごまごしていたらたぶん間に合いませんでした。

もう一人の男性とは同じ便でした。「間に合ってよかったですね」みたいな言葉を交わした覚えがあります。そして、機内はがらがら、といっていい状態でした。みんながみんなではないにしても、乗れなかった人がそれなりの人数いたはずです。

それにしても、あの時の女性のシェアのよびかけは絶妙なタイミングでしたね。よし、今度は自分も、っていう話ではもちろんありませんが、幸運にも鉄道不通による空港へ向かう際のトラブルはその後ありません。昨年ソウルで乗り遅れそうになったのは、単なる自分の時間の読み間違えです。

私が遭遇したこの件は不可抗力ですので、おきてしまえばどうにもなりません。このときも、電車に乗っていて足止めを受けていたら、乗り遅れは避けられなかったでしょう。再度同じことがあったとすると、特に外国では困っちゃいます。この時は私は運がよかったと思います。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 4143

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>