8月10日、その前日(8月9日)の拙ブログのアクセス数の多い記事を確認していたら、「おや」と思いました。この記事に割と多くのアクセスをいただいたのです。
「砂の器」の子役(加藤剛の少年時代を演じた人)の近影を見つけたこの記事以外はすべて陸上美女関係の記事でしたので、この記事がなぜ大きなアクセスがあるか分からなかったわけです。この日は世界陸上関係で全般にアクセスが多い日でもあったので、それなりに注目された記事でもあったわけです。
さっそく子役の方の名前「春田和秀」で検索したところ、なるほどと思いました。春田さんのインタビュー記事が発表されたわけですね。
「砂の器」伝説の名子役、春田和秀さん 43年を経て語る子役という“宿命”(1) 「砂の器」伝説の名子役、春田和秀さん 43年を経て語る子役という“宿命”(2) 「砂の器」伝説の名子役、春田和秀さん 43年を経て語る子役という“宿命”(3)本来なら即刻紹介なのですが、あいにく世界陸上の記事に特化しなければいけないので、ちょっと待たなければいけません。それで本日記事にします。
春田さんは1966年生まれですので、70年代というわりと子役、子どもが主人公のドラマが盛んだった時代に活躍したわけです。上の記事で私は、
と書きましたが、柿崎澄子は1964年生まれですから、彼女のほうが若干お姉さんだったわけです。ちなみに杉田かおるも同じ64年生まれです。
それで春田氏は、ひところは1年に3~4日くらいしか学校に通えなかったそうです。春田氏いわく
>(引用者注:聞き手)--(引用者注:「砂の器」の)撮影が6カ月。この間、学校へは?
春田:実は撮影中、ドラマやコマーシャルもかけもちでした。田宮二郎さん、松坂慶子さんが出ていた「白い地平線」(74)や「わが子は他人」(74)も。この頃は本当に駆け巡っていて、学校に行く時間はありませんでした。1年に3、4日くらいしか行っていない。今じゃ、許されないですよね。それが3、4年続いたんです。
>今じゃ、許されない
ですよねえ。このブログで二言目には名前を出す某スポーツ選手も全然学校に通っていませんでしたが、彼女は1990年生まれですからね。春田氏のケースよりはるかに問題が重大、悪質だと思います。まあこれは、悪いのはご当人じゃなくて彼女の母親とそういうことを見てみぬふりをしていたスケート関係者ですが。学校側も彼女の出席状況にはかなり怒っていたらしいしね。当たり前。
それはともかく、春田氏は1980年代初頭(81年~82年ごろ?)に俳優業(子役)をやめ、高校卒業後自動車関係に就職、いくつか職を変えて18年前といいますから1999年ですかね。自分の会社を設立します。アメリカ車の改造などを請け負う会社とのこと。
それで春田さんは、現在奥さんとお子さん(男子)がいるそうですが、奥さんには、正式には自分の子役時代のことを話さなかったそうです。
>女房と結婚した時も言わなかったです。でも結婚後に、ドラマかなにかを見ていて、見つけられてしまいました。「パパ、番組とかやっていた?」と。だから、やっていたことは知っています。でも、詳しくは言っていません。普段の生活に影響が出ないようにしないといけない、と思っています。
さすがに途中で奥さんが再放送されたドラマなどを見て質問されたというのですが、ほんと徹底していますね。子どもさん(22歳とのこと)には、いっしょに仕事をしているせいもあってか、現在いろいろ話をしているとか。
で、「砂の器」への出演は、当然春田氏にとって最大の映画出演になったのですが、彼にとってはこの映画の出演自体が「宿命」になったというのです。
>子役として、いろんなドラマも映画も出演しましたが、大作は自分の背中に絶えず、つきまとってきます。いろんな方が見て、それぞれに感動を持っていて、僕が何も言わなくとも、「あ、『砂の器』の子役の方ね」と言われます。これは、もう“宿命”……。それ以外には言葉が浮かびません。今は40年も封印したことがまずいな、という気持ちです。(こうして「砂の器」の話をしたことで、)あの曲が耳から離れない日が続く、と思います。忘れていた撮影の時や、シーンが浮かんできます。
春田氏がいくら過去を封印しても、名前を変えるとか海外に消えるとかしなければやっぱり「あ、あの子役さんね」と声をかけられます。まさに
>“宿命”
ということです。
氏の語るところによると
>この5、6年、(ネットの)コメント欄をこっそり見ていました。話してもいいかなと思ったのは、この3年くらいでしょうか。
だそうですから、う、もしかしたら春田氏は私の書いた記事を読んでいらっしゃるかもしれませんね。FBの写真(ログインしなくても閲覧できる写真)をご紹介しただけの記事ですが、現段階氏の名前で検索すると、私の記事が上のほうにでますから・・・・。
記事中にもあるように、映画評論家樋口尚文氏による春田氏へのインタビューが収録された本が発売になるようですね。面白そうです。面白ければ、拙ブログでご紹介します。表紙も「砂の器」のスチールが利用されていて、たぶん氏へのインタビューが樋口氏にとっても本の売りの部分なのでしょう。
「昭和」の子役: もうひとつの日本映画史なお下に、樋口氏によるインタビュー記事がありましたのでリンクします。
『砂の器』シネマ・コンサート開催記念 特別インタビュー “伝説の名子役・春田和秀(少年・本浦秀夫役)がはじめて語る『砂の器』の現場”
春田氏の今後のさらなるご活躍を祈念してこの記事を終えます。なお写真は、こちらより。