先日このような記事を読みました。
>住宅火災、ピアニスト目指す中3と祖母が死亡
11/17(金) 11:41配信 読売新聞
17日午前4時50分頃、東京都葛飾区金町の木造2階建て住宅から出火し、2階部分約30平方メートルと、隣接する民家の外壁などを焼いた。
出火元の住宅2階から、この家に住む私立中学3年の赤津理紗子さん(15)と、祖母の和枝さん(72)が運び出されたが、搬送先の病院で死亡が確認された。煙を吸ったことによる一酸化炭素中毒とみられ、警視庁亀有署が出火原因を調べている。
発表によると、理紗子さんは会社員の母親(42)と和枝さんの3人暮らし。母親は自力で避難し、のどに軽いやけどを負った。
現場はJR金町駅の東約650メートルの住宅街。理紗子さんはピアニストを目指し、都内の音大付属中学校に通っていた。小学2年から通うピアノ教室の女性は「ベートーベンの曲が好きで、よく練習していた。将来がとても楽しみだったのに」と涙ぐんだ。
おばあさんもそうですが、理紗子さんも本当に気の毒ですね。お悔やみを申し上げます。
それで他では書かれていないようですが、朝日新聞によると次のような状況だったようです。
>祖母を助けに?中学生も… 住宅火災で2人死亡 葛飾
2017年11月17日11時25分
17日午前4時55分ごろ、東京都葛飾区金町3丁目で火事があり、木造2階建て住宅の2階部分約30平方メートルが焼けた。警視庁などによると、住人の赤津和枝さん(72)と孫で中学生の理紗子さん(15)が2階から救出されたが、いずれも搬送先の病院で死亡が確認された。理紗子さんは赤津さんを助けようとして巻き込まれた可能性があるという。
亀有署によると、赤津さんは理紗子さん、理紗子さんの母親(42)との3人暮らし。母親も煙を吸って病院に運ばれたが、命に別条はない。赤津さんは足が不自由だったという。
出火当時、赤津さんは2階の部屋で1人で寝ていた。理紗子さんと母親は2階の別の部屋で寝ていて火事に気づき、1階に避難しようとしたが、理紗子さんは下りてこずに赤津さんを助けにいったとみられるという。(後略)
個人的な意見ですと、15歳の女性が足の不自由な女性を助け出すのはかなり大変であり、ここは即時に避難しなければいけないと思いますが、もし上の報道が事実なら、緊急時なので理性を持った行動ができなかったのかなと思います。理紗子さんの行動を責めることはできませんし、かといって客観的には非常に危険であり、逃げるほうが妥当だったという判断になるのも仕方ないところです。
それで世の中、火事の犠牲者の中には、家族が逃げ遅れた家族(親が子どもをという事例が多いと思います)を助けるために家の中に入って、それで犠牲になるという話はよく聞きます。
津波てんでんこの話にもあるように、津波とかの場合は、ともかく自分が助かることを第一に考えろとよく言われます。これは、家族などを助けようとして、それで死ななくてもいいあまたの命が失われたという過去の教訓からのものです。飛行機とか客船の事故の際、乗組員とかが率先して逃げるというのではお話になりませんが、ともかく自分の命最優先で一般の人間は逃げるしかありません。それはもう当然のことです。
というのはあくまで机上でPCにて文章を打っている時に考えられる話であり、現実にその場で直面したら、はたして人間どう行動するものか。私は、自分はそういう時は助けに行く人間でなく、助けに行こうとする人間を押しとどめる人間だと考えていますが(それで一生うらまれても仕方ないと思います)、もちろん現実にそのような事態になったとしてどう行動するかは分かりません。
たとえば海とか湖、川、池などに落ちた子ども(が多いと思います)を助けるために大人(子どもの場合もあり)が飛び込んで、やっぱり死んでしまったという事故もよく報道されます。これも深く考えたわけでなく、つい飛び込んでしまったという事例が多いと思いますが、これもそれより早急に関係各所に連絡するとかライフセーバーがいるのなら呼ぶとかしたほうがいいと思います。いなかったらどうするということですが、飛び込むのは相当慎重に物事を考えた上でやったほうがよさそうです。助けようとした側も死んだらやはり目も当てられない。
もっともそういうことを言い出せば、世の中死ぬのはごく一部だという意見もあるでしょうし、確かにそれはそうなのかもですが、しかしやはり一部であっても今飛び込もうとする人がその一部にならない保証はありません。
前に、津波のような災害時の対応に詳しい某学者の講演を聞いたことがあり、その際、たとえば小学生などは、親ほか保護者に向かって日ごろから、自分は自分の責任で逃げるから、お父さん(お母さん、おじいさん、おばあさんでも可)わ私のことを心配しないで一刻も早く逃げてほしいというべきだと話していました。ほんと、それくらい冷徹でなければいけないのでしょうが、東日本大震災での大川小学校の件では、親が迎えに来た子どもは助かり、校庭にとどまった子どもは、そのほとんどが亡くなってしまったわけです。こういうのもケースバイケースなのでしょうが、実に大変な問題だと思います。特殊事例がを言い出したらきりがありませんが、学校にいる小学生が、自分の判断で非難するのも難しいといおうのも確かでしょう。
最後に、inti-solさんがお書きになったことを引用して記事を終えます。火事とは状況の違うことの心構えですが、いろいろ参考になります。inti-solさんありがとうございます。
>避難マニュアルやハザードマップは参考にするにしても、そこに書いていないことも起こり、書いていない場所にも被害が及ぶことも当然あると認識すべき
避難はとにかく時間が命
希望的観測は、そこに根拠となるものがあるかどうかを理詰めで考えるべき
群集心理、他人に流されるのではなく、自分が危険と判断したら、せめて自分自身とその影響力が及ぶ範囲だけでも、ただちに行動すべき