あ、すみません。若干旧聞ですが・・・。
>菊池寛賞
贈呈式 浅田真央さん「各地で感謝の滑りを」
毎日新聞2017年12月1日 19時23分(最終更新 12月1日 21時05分)
優れた文化活動に対して贈られる第65回菊池寛賞(日本文学振興会主催)の贈呈式が1日、東京都内のホテルで開かれ、フィギュアスケート元世界選手権女王の浅田真央さん(27)らに賞が贈られた。緊張した表情で登壇した浅田さんは「引退後は目標が見つからなかった。受賞をきっかけに、さらなる高みを目指し、各地で感謝の滑りをしたい」と笑顔を見せた。
戦時下の広島・呉を舞台にしたアニメ映画「この世界の片隅に」の製作チームも受賞。主人公の声を演じた俳優のんさん(24)は「チーム一同の受賞ということが、うれしい」と、満面の笑みで喜びを語った。(共同)
え、浅田真央って、
>優れた文化活動
をしたんですかね(笑)。菊池寛賞とは、そのHPによると賞の趣旨がいまひとつわからないのですが、Wikipediaでは
>文芸・映画など様々な文化分野において業績をあげた個人や団体を表彰する賞。
とあります。21世紀になって受賞したスポーツ選手(関係者)をみてみると、イチロー(2001年)、渡辺大五郎(元関脇・高見山)(2009年)、澤穂希(2011年)、伊調馨と吉田沙保里(2012年)、国枝慎吾(2015年)、高橋礼華・松友美佐紀(2016年)といったところで、つまり実績が評価された人と先駆者として評価された人の2パターンがありそうです。イチローは実績のみでしょうが、ほかの人たちは、たぶん先駆者としての評価も前提にある。高見山などは、外国人力士のパイオニアという意味合いがあるし、澤とか女子レスリングの金メダリストは、マイナーなスポーツだった女子サッカーと女子レスリングに世間の注目を集めたという意味合いがあるはずです。車いすテニスの国枝もしかり。そうするとバドミントンの人たちはどうなのかという疑問は生じます。たぶんあまり目立つ印象のなかった女子バドミントン界に大きな足跡を残したという評価もあるのでしょう。
なお、95年には野茂英雄が受賞しています。たぶんこれは、彼がNPBの現役の大物として初めてMLBに挑戦して成功を収めたという先駆者としての意味合いが大きかったのだろうと推察します。
さてさて、そう考えると、やや浅田真央はいままでとは違う受賞のパターンのように思えますね。彼女の場合、彼女がフィギュアスケートの日本における人気の先駆者というわけではないし、実績も、銀メダル1つと6位というのは、世の中のあまたのオリンピアンの中でものすごく突出しているというわけではない。荒川静香や羽生結弦のほうが実績は上のわけです。
そうとなると、これはやはり彼女の人気を評価したということになりそうですね。実際彼女の授賞理由というのをこの賞のHPで確認してみると
>浅田真央 世界選手権とグランプリファイナルで計7度の優勝、バンクーバー五輪では3度のトリプルアクセルを成功させ銀メダルを獲得。その後も氷上での華麗な演技は、残した記録以上のものを人々の心に刻んだ
とあるわけで、はっきり結果や記録だけの趣旨ではないと明言しているわけです。つまり彼女が人気者だから受賞させるということでしょう。
ここから先は私の勝手な意見ですので、「それは違う」と思われても仕方ないのですが、たぶん今の日本で、このような形で「菊池寛賞」なんてものをもらうアスリートは、いや彼女は現役じゃないから「元アスリート」かもですが、浅田真央以外いないですね。前に某スポーツ雑誌(これ文藝春秋社の雑誌ですから、実は出どころは一緒です)が、
>そして、人生は結果が全てではないことを
教えてくれた、浅田真央の涙。
とまで書いていたので、拙記事で
>浅田真央以外で、どこのアスリートがこんなことを書いてもらえるんだか。
と書いたことがあります。これも同じようなものでしょう。まあそれだけ人気者の偉大なアスリートだということなのでしょうが。
いずれにせよ女子フィギュアもポスト浅田が重要です。私なりにいろいろ注目したいと思います。