今年の成人の日、成人式は、まさにこの件が日本中の話題になってしまいましたね。
>新成人、振り袖着られず 業者「はれのひ」連絡とれず
1/8(月) 14:16配信 朝日新聞デジタル
成人の日の8日、振り袖販売、レンタルを手がける業者「はれのひ」(横浜市中区など)から振り袖が届かなかったり、連絡がとれなかったりするトラブルが相次いだ。「はれのひ」が貸し出す着物の着付け会場となっていた同市港北区のホテルは新成人ら十数人が戸惑いを隠せない様子で、あちこちに電話をかけていた。神奈川県警にも8日の昼までに十数件の相談や通報が相次いだ。
横浜市中区の「はれのひ」の本社は8日昼過ぎ、鍵がかかった状態でインターホンを押しても反応がない状態だった。併設する写真スタジオにも鍵がかかったまま。
神奈川県警には7日からこの業者に関する相談や通報が十数件あった。8日朝には着付け会場となったホテルから「着付け業者と連絡がつかない」、「購入した振り袖が届かない」などという110番通報があった。ホテルに警察官を派遣し、通報者に事情を聴くなどの対応をした。被害届を出すという話は聞いていないという。県警はさらに相談が増えるとみて、対応を検討している。
横浜市では、成人式が午前と午後の2部制のため、振り袖が届かないために午前の部に出席できなかった参加者を午後の部に出席できるように対応している。 民間信用調査会社の「東京商工リサーチ」によると、はれのひは2008年、振り袖のレンタル・販売店のコンサルティング業者として創業。12年に直営店の運営を始め、横浜市、神奈川県横須賀市、東京都八王子市、福岡市、茨城県つくば市、千葉県柏市に6店舗を展開している。16年9月期の売り上げは4億8千万円。(野城千穂、古田寛也、鈴木孝英)
朝日新聞社
事件自体は論外ですが、ただこれ、最終的に会社がアウトになったのが、1月7日、あるいは8日に判明したというのが最悪中の最悪でしたね。預けた着物がなくなっているという事態もあり、これは論外ですが、もっと早くけつをまくっていれば、金銭はともかく式の当日に新成人の女の子たちが着る晴れ着がなく困惑するなんていう最悪の事態は免れたわけです。たぶんたいていの人間も、金銭も当然だが、晴れ着を成人式で着れないというではお話にもならんというところじゃないでしょうか。
だからもっと早く倒産していれば、こういう迷惑はかからないわけです。もっと早く夜逃げしていれば、被害者だって新たな晴れ着を手配する時間もあるでしょう。預かっている晴れ着は、どっかに売り飛ばしちゃったんですかね? それは人間としての最低の仁義で、店に置いておけばいいという気もしますが、これだって早めに逃げちゃえば、被害者は別のところで手配することも可能なわけです。どっちみち犯罪ですから論外ですけど。
もちろんこんな不祥事、論外中の論外であり、お話にもならないにもほどがある、悪質さにも程度がある、他人に迷惑をかけるのもいい加減にしろというものですが、ただこうやってはしごを外されるに等しい行為は、本当に困りますよね(呆れ)。当方、自分のときは多忙につき成人式も出ませんでしたが、そして個人的には「ならスーツで出席すればいいじゃん」とか無責任なことを考えますが、でもこういう事態に遭遇すると、出席する意欲もそがれますよね。一生懸命準備して、その瞬間を本当に待ち遠しく思っていたのだから。成人式に出ることを決めていれば出ればいいと思いますが、そんなに割り切れるものでもないのでしょう。当方は、そういうことはすぐ割り切っちゃいますが、世間の人間がみんながみんな、私のように割り切りの早い人間ではない。
ところでこのようなことで私が思い出すのが、旅行関係の「てるみくらぶ」の不祥事です。
この件では、空港でチェックインができずに立ち往生したり、海外の現地でホテルが確保されておらず途方にくれた人もいたとされます。チェックインができないのも嫌ですが、現地でホテルがなければ、慣れている人はいいですが、海外に慣れておらず英語も達者でない人などは、冗談でなく生きた心地がしないでしょう。私なんか慣れているから平気ですが、そうでない人のほうが多いはず。
これだってねえ、もう少しまともな状態で倒産しろよという気がしますが、理由はともかくそんな状況ではなかったのでしょうね。お話にもなりません。以前書いた記事
でも触れましたように、
>てるみくらぶは27日に東京地裁に破産を申請。申立書によると、直前の23日まで1日あたり1千~2千件の新規予約があった。旅行代金を一括で支払うことで割引が受けられるキャンペーンなどで、23日時点までで積み上がった旅行代金の前受け金は約100億円。だが、前受け金は、航空会社や宿泊施設への支払いに回ることなく過去の債務の支払いに充てられたとみられ、手元の現預金は約2億円にまで減っていた。てるみくらぶの代理人弁護士は「申立書に記載の通りで、今後は破産管財人の調査を待ちたい」としている。
だったわけで、そういったしわ寄せがすべて客の迷惑になってしまったわけです。それでこの会社の社長など、
>ユーミン好きで3億円 てるみくらぶ社長が行っていた乱脈協賛
投稿日: 2017年04月21日 17:00 JST
「『てるみくらぶ』は、会社の規模に釣り合わないような大きな音楽イベントに協賛を続けていました。14年から大幅な赤字経営に転落していたのに昨年も協賛をやめなかったようです」(イベント関係者)
(中略)
そのイベントの“ウリ”はライブの前に旅行商品が当たるというものだった。山田社長は、ミュージシャンのなかでも特にユーミン(63)の大ファン。同世代でカリスマのユーミンは憧れの人で、少しでも近づきたいという思いが、13年1月3日のユーミンの40周年コンサートへの協賛として結実する。
(中略)
てるみくらぶはイベントにどれくらいの“出費”をしていたのだろうか。この音楽イベントに関わっていたある関係者がこう明かしてくれた。
「ざっと見積もって7年で3億円くらいではないでしょうか。てるみくらぶの破綻で、イベント参加経験のあるミュージシャンのなかには、被害者に対して心苦しいと思っている人もいると聞きます」
(中略)
ユーミンの所属事務所に山田社長との関係について聞くと、「個人的な関係はありません」とのことだった。社長が、会社の金で個人の夢を叶えようとした行為が破たんの一因だったとしたら、被害者の怒りはさらに強まることだろう。
とまで書かれているくらいで、なーんか背任めいたものも感じますね。まあこの人も、商売人として、公私のけじめのついていない人だったのかもです。けっきょく詐欺罪で逮捕されています。
ところで松任谷由実といえば、彼女の実家の呉服屋が、「はれのひ」騒動では神対応をしたとか。
>松任谷由実の実家呉服店が緊急着付け飛び込みに対応
[2018年1月9日9時48分 紙面から]
(前略)
一方で、混乱の中、八王子市内の呉服店や美容院では手助けの動きが広がった。歌手松任谷由実の実家で、1912年(大元)創業の「荒井呉服店」には、午前6時の開店時に新成人女性が親子で「頼んだ店と連絡が取れない。今から何とかなりますか」と来店したという。対応した石毛立介専務(39)は「尋常じゃない状態と分かったので、レンタルで対応させていただきました」と話す。
同呉服店も成人式のこの日は朝から予約でいっぱいだったが、その合間を縫って“飛び込み”来店した複数の新成人に対応。石毛専務は「私たちはお嬢さんと親御さんが、一生に1度のこの日のために準備する大変さを知っています。うちだけでなく、八王子の他のお店も同様にお手伝いをされたようです」と話していた。【清水優】
記事にもあるように、荒井呉服店だけの話でもありませんが、たくさんの方々が可能な限りの協力をされたようですね。関係者の方々に敬意を表してこの記事さを終えます。