昨日(5月5日)の毎日新聞の記事より。
>最高検:「可視化は犯罪立証に有効」提言を全国の地検に
毎日新聞 2013年05月05日 09時14分(最終更新 05月05日 09時51分)
最高検幹部らでつくる「新たな時代における取調べの在り方検討チーム」が今春、取り調べの録音・録画(可視化)は犯罪の立証に有効だとする提言をまとめ、全国の地検に伝えていたことが分かった。取り調べで自白したのに調書への署名に応じないケースなどでは犯罪を証明する「実質証拠」になるとして、録画したDVDの裁判所への提出を検討すべきだとしている。
2010年の大阪地検特捜部の証拠改ざん事件を受け、議論を進めてきた検察改革の一環。供述調書偏重とされた立証姿勢から脱却し、録音・録画を活用する方向性を鮮明に打ち出した格好だ。
これまで録音・録画は容疑者が自らの意思で自白したこと(自白の任意性)の立証に主眼が置かれ、犯罪の証明に用いられることはまれだった。録音・録画の範囲も、検察官による供述調書の読み聞かせの場面に限られることが多かったが、最近は取り調べの全過程を記録する運用も広がっている。
提言によれば、「再生で供述の正確な内容が分かる」と評価した上で、供述調書についても「供述の要点を的確に記載し、より簡潔で良い」とした。特に自白後に調書への署名を拒んだようなケースについては「録音・録画による立証が欠かせない」と言及した。
また、「取り調べは自白獲得のためではなく、無実の人を生むことや必要以上の重い処罰を防ぐことも目的だ」と指摘した。
こちらも。
>最高検:可視化は「武器」に 後ろ向きから一転
毎日新聞 2013年05月05日 09時17分(最終更新 05月05日 11時04分)
取り調べの録音・録画(可視化)について検察は当初、「容疑者が真実を話さなくなる」と運用拡大に後ろ向きだった。だが、自白の様子を法廷で再現できるなど検察にも「武器」になり得ることが実証されつつあり、提言は現場の意識改革を促すものといえる。
自宅で長男(当時2歳)を窒息死させたとして東京地裁で殺人罪に問われた母親の裁判員裁判(昨年12月)では、取り調べの映像が事実認定の証拠として採用され法廷で再生された。母親は調書作成に応じず公判でも犯行状況を「覚えていない」と否認したが、長男の体に乗った様子などを身ぶりを交えて検察官に説明する様子が記録されていた。
判決は傷害致死罪を適用し有罪と認定。裁判員は記者会見で「犯行状況を具体的に認識するのに役立った」と評価した。
検察幹部は可視化について「組織犯罪では(報復を恐れて供述を拒むなど)不利に働く面はあるが検察にもメリットがあり、ためらう時代ではない」と強調する。一方、ある刑事裁判官は「無理な取り調べがなかったかチェックできても、供述が真実かの判断までは難しい。どう活用すべきか、まだ議論が必要だ」と指摘する。【和田武士、島田信幸】
2009年の総選挙の際、民主党のひとつの売りが、「取り調べ可視化」でした。ところが政権交代後、この件は遅々として進まず、けっきょく自民党が政権を奪還しました。なんだかんだと言っても、すくなくとも取り調べ可視化の問題に関しては、どう考えても自民党は民主党ほどにもこの件で前向きに取り組みそうもないですから、私は「どうしたものか」と考えていたのですが、この記事が正しければ、最高検のレベルでかなり取り調べ可視化を前向きに進めようとしているようですね。
以下、この記事が正しいかどうかは私は判断できませんが、正しいということを前提として議論を進めたいと思います。
まず、おそらくこの件で最終的に検察を動かしたのは、たぶん例の遠隔操作事件で、4人が逮捕されてうち2人が虚偽の自白をしたことだと思います。おまけにその件を真犯人から暴露されるという失態になってしまい、さすがにこれは至急の対応が必要であると認識せざるを得なかったのでしょう。wikipediaの記事の「捜査の問題点(報道されているもの)」より。
>真犯人Xの行為で複数の男性が冤罪となったことについて、マスコミのみならず警察庁OBからも問題を指摘する声が上がっている[37]。
東京都の男性Aを巡る問題
事件の真犯人Xからの犯行声明によれば[38]、関与したものには東京の男性Aが小学校を襲撃するという書き込みを行ったとして神奈川県警に逮捕された事件(横浜市小学校襲撃予告事件)も含まれており、この事件では被疑者が当初犯行を否認していたにも関わらず、最終的に犯行を認めて保護観察が確定している[39]。ことに、殺害予告で名乗った「鬼殺銃蔵」の自称につき、日本酒の銘柄「鬼殺し」からとった、忌み数である13からジュウゾウと読ませた、などの合理的な根拠ある説明がなされ、小学校を狙った理由についても具体的に動機を供述した自白調書や上申書が作成されていた[40]。そのため何らかの誘導により自白を迫ったのではないかという疑いが浮上し、神奈川県警は既に審判が確定した男性Bに再度事情聴取を行うこととなった。
また、約250字の予告文を書き込むのに要した時間がわずか2秒であり、書き込みを受けた横浜市も疑問を抱いていたが、警察側は、特殊なソフトを使えば可能と判断し、裏付け捜査を怠っていた[41]。2秒で250文字を書き込んだ方法について男性Aを厳しく追及し「一心不乱に打ち込んだ」という供述を引き出した[42]。
12月15日、神奈川県警は「自白の強要や誘導はなかった」と検証結果を発表したが、男性Aの供述には犯人しか知りえない情報が含まれており、強要・誘導なしに、犯人しか知りえない情報を自供したという矛盾が残ったままの幕引きを行った。また、横浜地検は、検察官の取り調べに違法、不適正な行為は認められなかったと発表しており、司法サイドでは冤罪を防ぐシステムにはなっていないことを事実上認めたままやり過ごす状態となっている。警察庁は「サイバー犯罪の捜査でIPアドレスに頼りすぎないことや、裏付け捜査を徹底するように指示した」と発表しており、IPアドレスに頼りすぎたり、裏付け捜査を行わなくても、世間に知れなければ警察・検察には不利益が生じないことを示唆した内容となった。
大阪府の男性Bを巡る問題
三重県の男性Eについては捜査段階でなりすましに気づいたのに対して、大阪府の男性Bを逮捕した大阪府警は不正プログラムを使ったなりすましに気付かず、IPアドレスが「指紋」に相当する証拠と位置付け、これを根拠に起訴まで行っていた[43]。また、書き込みには男性Bの実名が漢字で記載されており、犯罪予告としては不自然な点が見られる一方で、ふりがなは漢字の別の読み方をしており間違っているなど不自然な内容であった[44]。尚「間違ったふりがな」については、本人が過去にPCで使用していたニックネームだったと指摘する報道も出ている[45]。
しかし、男性Bが犯行を否認し続けたにも関わらず、上記の「実名を添えた」点については「他に証拠がなければ警察も手が出せまい」と舐めてかかる「警察に対する挑発」であり、「ふりがなを誤っている点」は「この期に及んで人違いを偽装する」警察の捜査能力を舐めてかかるものでやはり「警察に対する挑発」と断定して起訴を行った[44]。そのため、三重県の事件で遠隔操作が判明しなければ有罪になる可能性があった[43]。
大阪地検内部では「大人数で警戒して大騒ぎになったので、立件するしかないという空気になっていた」という[46]。男性Bは「犯行を認めれば罪が軽くなる」(利益誘導に当たる)と言われたと証言している[47]ことから、冤罪を招くとして禁止されている違法な捜査を行っていた可能性が示唆されているが、警察は利益誘導を否定している。なお、利益誘導による取調べは陸山会事件でも裁判長より「冤罪を招く危険な方法であり、到底認められない」と強く非難されており[48]、現在の判例では利益誘導による自白は任意性を欠き、証拠として認められないという指摘もあり、過去にも自白の強要があった事件は多数報告されるが、警察は一貫してその事実を否定する。その一方で、取り調べの可視化は断固として反対しており、その警察の態度自体が、違法な取り調べが行われていることを裏付けているものと指摘される。
パソコンウイルスやCSRFによる第三者の犯行の可能性の考慮不足問題
大阪府の男性Bについては逮捕前にパソコンウイルスやCSRF等の第三者による犯行の可能性が考慮されて捜査されていたが、それ以外の3人については逮捕前にパソコンウイルスやCSRF等の第三者による犯行の可能性が考慮されていなかった。
事情はともあれ、可視化が進むことは私は支持します。
ただ、記事を読んていてちょっと気になるところがあります。
>だが、自白の様子を法廷で再現できるなど検察にも「武器」になり得ることが実証されつつあり、提言は現場の意識改革を促すものといえる。
>検察幹部は可視化について「組織犯罪では(報復を恐れて供述を拒むなど)不利に働く面はあるが検察にもメリットがあり、ためらう時代ではない」と強調する。
検察側にもメリットがあるのは当然ですが、かといってこれを道具にして強引に取り調べをして冤罪の温床になってしまっては本末転倒にもほどがあるというものです。apesnotmonkeysさんも私へのコメント返しで
>配信元の毎日の記事の方につけたブクマでもコメントしたんですが、ことさら「立証に有効」を強調しているのが気になるんですよね。なにしろ、当局に悪用されたらかえって冤罪の原因にもなりかねませんし。「可視化やむなし」と判断した最高検が現場を納得させるために使っているレトリックだというならまだマシなのですが。
と指摘されています。
いうまでもなく可視化をしていれば冤罪は防げる、というものではありませんし、また冤罪でない事件の際にも、可視化することによって不当な取り調べをふせぐ意味合いもあります。それにしてもこういったことも、やはり上の事件のような不祥事がないと話が先に進まないというのも、世の中そんなものだとは思いますが、どうかです。
そう考えると、私がコメントさせていただいたapesnotmonkeysさんの記事は、かの悪名高い志布志事件についてのものです。2003年の事件ですから、あれから10年・・・。民事訴訟は今も続いています。
コメントを引用させていただいたapesnotmonkeysさんに感謝を申し上げます。また、本日は5月6日ですが、7日の記事として発表します。
>最高検:「可視化は犯罪立証に有効」提言を全国の地検に
毎日新聞 2013年05月05日 09時14分(最終更新 05月05日 09時51分)
最高検幹部らでつくる「新たな時代における取調べの在り方検討チーム」が今春、取り調べの録音・録画(可視化)は犯罪の立証に有効だとする提言をまとめ、全国の地検に伝えていたことが分かった。取り調べで自白したのに調書への署名に応じないケースなどでは犯罪を証明する「実質証拠」になるとして、録画したDVDの裁判所への提出を検討すべきだとしている。
2010年の大阪地検特捜部の証拠改ざん事件を受け、議論を進めてきた検察改革の一環。供述調書偏重とされた立証姿勢から脱却し、録音・録画を活用する方向性を鮮明に打ち出した格好だ。
これまで録音・録画は容疑者が自らの意思で自白したこと(自白の任意性)の立証に主眼が置かれ、犯罪の証明に用いられることはまれだった。録音・録画の範囲も、検察官による供述調書の読み聞かせの場面に限られることが多かったが、最近は取り調べの全過程を記録する運用も広がっている。
提言によれば、「再生で供述の正確な内容が分かる」と評価した上で、供述調書についても「供述の要点を的確に記載し、より簡潔で良い」とした。特に自白後に調書への署名を拒んだようなケースについては「録音・録画による立証が欠かせない」と言及した。
また、「取り調べは自白獲得のためではなく、無実の人を生むことや必要以上の重い処罰を防ぐことも目的だ」と指摘した。
こちらも。
>最高検:可視化は「武器」に 後ろ向きから一転
毎日新聞 2013年05月05日 09時17分(最終更新 05月05日 11時04分)
取り調べの録音・録画(可視化)について検察は当初、「容疑者が真実を話さなくなる」と運用拡大に後ろ向きだった。だが、自白の様子を法廷で再現できるなど検察にも「武器」になり得ることが実証されつつあり、提言は現場の意識改革を促すものといえる。
自宅で長男(当時2歳)を窒息死させたとして東京地裁で殺人罪に問われた母親の裁判員裁判(昨年12月)では、取り調べの映像が事実認定の証拠として採用され法廷で再生された。母親は調書作成に応じず公判でも犯行状況を「覚えていない」と否認したが、長男の体に乗った様子などを身ぶりを交えて検察官に説明する様子が記録されていた。
判決は傷害致死罪を適用し有罪と認定。裁判員は記者会見で「犯行状況を具体的に認識するのに役立った」と評価した。
検察幹部は可視化について「組織犯罪では(報復を恐れて供述を拒むなど)不利に働く面はあるが検察にもメリットがあり、ためらう時代ではない」と強調する。一方、ある刑事裁判官は「無理な取り調べがなかったかチェックできても、供述が真実かの判断までは難しい。どう活用すべきか、まだ議論が必要だ」と指摘する。【和田武士、島田信幸】
2009年の総選挙の際、民主党のひとつの売りが、「取り調べ可視化」でした。ところが政権交代後、この件は遅々として進まず、けっきょく自民党が政権を奪還しました。なんだかんだと言っても、すくなくとも取り調べ可視化の問題に関しては、どう考えても自民党は民主党ほどにもこの件で前向きに取り組みそうもないですから、私は「どうしたものか」と考えていたのですが、この記事が正しければ、最高検のレベルでかなり取り調べ可視化を前向きに進めようとしているようですね。
以下、この記事が正しいかどうかは私は判断できませんが、正しいということを前提として議論を進めたいと思います。
まず、おそらくこの件で最終的に検察を動かしたのは、たぶん例の遠隔操作事件で、4人が逮捕されてうち2人が虚偽の自白をしたことだと思います。おまけにその件を真犯人から暴露されるという失態になってしまい、さすがにこれは至急の対応が必要であると認識せざるを得なかったのでしょう。wikipediaの記事の「捜査の問題点(報道されているもの)」より。
>真犯人Xの行為で複数の男性が冤罪となったことについて、マスコミのみならず警察庁OBからも問題を指摘する声が上がっている[37]。
東京都の男性Aを巡る問題
事件の真犯人Xからの犯行声明によれば[38]、関与したものには東京の男性Aが小学校を襲撃するという書き込みを行ったとして神奈川県警に逮捕された事件(横浜市小学校襲撃予告事件)も含まれており、この事件では被疑者が当初犯行を否認していたにも関わらず、最終的に犯行を認めて保護観察が確定している[39]。ことに、殺害予告で名乗った「鬼殺銃蔵」の自称につき、日本酒の銘柄「鬼殺し」からとった、忌み数である13からジュウゾウと読ませた、などの合理的な根拠ある説明がなされ、小学校を狙った理由についても具体的に動機を供述した自白調書や上申書が作成されていた[40]。そのため何らかの誘導により自白を迫ったのではないかという疑いが浮上し、神奈川県警は既に審判が確定した男性Bに再度事情聴取を行うこととなった。
また、約250字の予告文を書き込むのに要した時間がわずか2秒であり、書き込みを受けた横浜市も疑問を抱いていたが、警察側は、特殊なソフトを使えば可能と判断し、裏付け捜査を怠っていた[41]。2秒で250文字を書き込んだ方法について男性Aを厳しく追及し「一心不乱に打ち込んだ」という供述を引き出した[42]。
12月15日、神奈川県警は「自白の強要や誘導はなかった」と検証結果を発表したが、男性Aの供述には犯人しか知りえない情報が含まれており、強要・誘導なしに、犯人しか知りえない情報を自供したという矛盾が残ったままの幕引きを行った。また、横浜地検は、検察官の取り調べに違法、不適正な行為は認められなかったと発表しており、司法サイドでは冤罪を防ぐシステムにはなっていないことを事実上認めたままやり過ごす状態となっている。警察庁は「サイバー犯罪の捜査でIPアドレスに頼りすぎないことや、裏付け捜査を徹底するように指示した」と発表しており、IPアドレスに頼りすぎたり、裏付け捜査を行わなくても、世間に知れなければ警察・検察には不利益が生じないことを示唆した内容となった。
大阪府の男性Bを巡る問題
三重県の男性Eについては捜査段階でなりすましに気づいたのに対して、大阪府の男性Bを逮捕した大阪府警は不正プログラムを使ったなりすましに気付かず、IPアドレスが「指紋」に相当する証拠と位置付け、これを根拠に起訴まで行っていた[43]。また、書き込みには男性Bの実名が漢字で記載されており、犯罪予告としては不自然な点が見られる一方で、ふりがなは漢字の別の読み方をしており間違っているなど不自然な内容であった[44]。尚「間違ったふりがな」については、本人が過去にPCで使用していたニックネームだったと指摘する報道も出ている[45]。
しかし、男性Bが犯行を否認し続けたにも関わらず、上記の「実名を添えた」点については「他に証拠がなければ警察も手が出せまい」と舐めてかかる「警察に対する挑発」であり、「ふりがなを誤っている点」は「この期に及んで人違いを偽装する」警察の捜査能力を舐めてかかるものでやはり「警察に対する挑発」と断定して起訴を行った[44]。そのため、三重県の事件で遠隔操作が判明しなければ有罪になる可能性があった[43]。
大阪地検内部では「大人数で警戒して大騒ぎになったので、立件するしかないという空気になっていた」という[46]。男性Bは「犯行を認めれば罪が軽くなる」(利益誘導に当たる)と言われたと証言している[47]ことから、冤罪を招くとして禁止されている違法な捜査を行っていた可能性が示唆されているが、警察は利益誘導を否定している。なお、利益誘導による取調べは陸山会事件でも裁判長より「冤罪を招く危険な方法であり、到底認められない」と強く非難されており[48]、現在の判例では利益誘導による自白は任意性を欠き、証拠として認められないという指摘もあり、過去にも自白の強要があった事件は多数報告されるが、警察は一貫してその事実を否定する。その一方で、取り調べの可視化は断固として反対しており、その警察の態度自体が、違法な取り調べが行われていることを裏付けているものと指摘される。
パソコンウイルスやCSRFによる第三者の犯行の可能性の考慮不足問題
大阪府の男性Bについては逮捕前にパソコンウイルスやCSRF等の第三者による犯行の可能性が考慮されて捜査されていたが、それ以外の3人については逮捕前にパソコンウイルスやCSRF等の第三者による犯行の可能性が考慮されていなかった。
事情はともあれ、可視化が進むことは私は支持します。
ただ、記事を読んていてちょっと気になるところがあります。
>だが、自白の様子を法廷で再現できるなど検察にも「武器」になり得ることが実証されつつあり、提言は現場の意識改革を促すものといえる。
>検察幹部は可視化について「組織犯罪では(報復を恐れて供述を拒むなど)不利に働く面はあるが検察にもメリットがあり、ためらう時代ではない」と強調する。
検察側にもメリットがあるのは当然ですが、かといってこれを道具にして強引に取り調べをして冤罪の温床になってしまっては本末転倒にもほどがあるというものです。apesnotmonkeysさんも私へのコメント返しで
>配信元の毎日の記事の方につけたブクマでもコメントしたんですが、ことさら「立証に有効」を強調しているのが気になるんですよね。なにしろ、当局に悪用されたらかえって冤罪の原因にもなりかねませんし。「可視化やむなし」と判断した最高検が現場を納得させるために使っているレトリックだというならまだマシなのですが。
と指摘されています。
いうまでもなく可視化をしていれば冤罪は防げる、というものではありませんし、また冤罪でない事件の際にも、可視化することによって不当な取り調べをふせぐ意味合いもあります。それにしてもこういったことも、やはり上の事件のような不祥事がないと話が先に進まないというのも、世の中そんなものだとは思いますが、どうかです。
そう考えると、私がコメントさせていただいたapesnotmonkeysさんの記事は、かの悪名高い志布志事件についてのものです。2003年の事件ですから、あれから10年・・・。民事訴訟は今も続いています。
コメントを引用させていただいたapesnotmonkeysさんに感謝を申し上げます。また、本日は5月6日ですが、7日の記事として発表します。