オリンピックのアイスホッケーは、1998年の長野大会以来、NHLの選手が出場して文字通りの世界一を争う大会になりましたが(このとき決勝の主審を、私がHNをいただいているBill McCrearyさんがつとめました)、平昌大会ではNHL選手の出場が実現しませんでした。
ただアイスホッケーの、しかもNHLでプレーする人たちは、別にオリンピック出場を目指しているわけじゃないから、これは最終的には仕方ないと思います。サッカーやラグビーも、オリンピックでは23歳以下、7人制で競技はありますが、最初から7人制をやっている人たち以外は、オリンピックのメダルは正直たいしたものではない。一流クラブでプレーする、代表ならワールドカップやRWCで活躍するほうがずっと意味があるわけです。東京オリンピックで野球とソフトボールが競技として復活するということになりますが、日本のプロ野球に関しては、たぶん選手も大してやる気が起きないでしょう。それは当然です。
おそらく2020年の大会では、日本(NPB)は可能な限り(国内の選手のみでしょうが)最高の選手を集めて野球の代表を編成するでしょうが、MLBは興味がないでしょう。それは仕方ありません。宣伝という点でもほかにも、そんなに興味を持つというものではない。サッカー話のワールドカップは、原則世界最高の選手が代表チームという形で活躍する大会ですが、野球のWBCとかオリンピックは、そういうわけでもない。
そうなると、アイスホッケーも5階NHLのシーズン中に最高の選手を出してつきあったのだから、そろそろ役割を終えたっていう認識もNHLにあるんですかね。そのあたり詳しくありませんが、私としてはNHLの試合を定期的に見るのも難しいので、オリンピックで最高の試合を見たいという願望は当然あるのですが、それも今回はかなわぬことになってしまいました。
ということであれば、前に記事にしたテニスやゴルフも同じですよね。テニスもゴルフも、その選手たちはウィンブルドンやマスターズで勝ちたい夢はあっても、オリンピックで金メダルを取るなんて別に興味はありません。ある人もいるとしても、しょせん彼らの最終的な目標は違うところにあります。格の高い大会で負傷するのは仕方ありませんが、オリンピックで負傷したらお話にもなりません。支援sにゃ、ファン、代理人ほかに顔向けできません。オリンピックに参加するなんて、公言はしなくても多くの選手にとっては迷惑ものでしかないでしょう。
ちょっと前大きな話題になったカヌーのドーピング騒動は、まさにオリンピック出場がすべての人物が起こした不祥事だったわけです。カヌーは、日本ではそれだけで食っていける競技ではない。将来的にその関係で生計を立てたいとなると、オリンピックに出場しているかどうかが大きな分かれ目になります。オリンピックに出られればそれだけで箔がつく。あの件のアスリートは、奥さんはオリンピアンだったそうで、確かに夫婦そろってのオリンピアンならきわめて将来も有利です。あのような言語道断な所業は、それが極端な影響をしたということでしょう。
もちろん彼の行為は法律違反だし(窃盗や偽計業務妨害など)、それ以前に最低レベルの道義や道徳違反ですからお話にもなりませんが、オリンピック委の血というアスリートばかりでも困るので、オリンピックには興味がないという有力アスリートの存在は、そう悪くはないと思います。
特に日本はオリンピックの人気が高いので、オリンピックに固執するアスリートは多いと考えられます。それはしかたないというものでしょうが、あのドーピング事件は来るべきもの来たというものなのかもしれません。金メダリストだって、内柴正人や里谷多英みたいに不祥事を起こすと行政、マスコミ他から忌避されます(里谷はフジテレビ勤務のせいもありますが、現状の彼女はそれ以前の状態でスキー連盟からも厄介者でしょう)。オリンピックで傑出した成績を出しても不祥事を起こす人もいるし、オリンピックに出ようとしてお話にもならない不詳事を起こす人もいます。オリンピックに出ることは大変なことだし、金メダルを撮るのも本当にすごいことですが、それに人生を振り回されても仕方ありません。こういってはなんですが、内柴は明らかに、金メダルを取って勘違いした部分が大きいし(北京五輪の直前、渡瀬恒彦の付き人に後遺症の残る暴行をして示談で済んだこともその勘違いを増幅させたでしょう)、里谷も、勘違いばかりでなく、その後のアスリート人生や私生活でのストレスがひどくなりすぎて、クラブでの不祥事につながったんじゃないんですかね。2人とも金メダルを取ったことで勘違いやその後のストレスがひどくなり、行動を制御できなかった部分があると思います。
当たり前ですが、オリンピック出場も金メダルも、その人のその後の人生を豊か(金銭だけではありません)にするためのものです。それに振り回されたり勘違いをしたり苦しんだりするのでは、かえって人生損をします。そのあたりは、もちろんたいていのアスリートは認識していることですが、私たちもそれなりに中止していくべきことだと思います。