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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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このような話はくりかえし読む価値がある(3月1日更新)

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なかなか興味深い記事を。

>海外発!Breaking News 2018.02.27 16:02 writer : tinsight-suzukoellis
【海外発!Breaking News】宝くじで1,200万円当選した障がい者男性、散財し手当も打ち切られ極貧生活に(スコットランド)

大金を手にした時の使い道は人それぞれではあるが、宝くじに当選すると散財しその後の人生を転落させてしまうという人も存在する。このほど宝くじの賞金をわずか2か月ほどで使い果たした英スコットランドの障がい者の男性が、ベネフィット(生活保護手当)を打ち切られ極貧生活に陥っていることを英メディア『Metro』『Daily Record』『The Sun』などが伝えた。

スコットランドのノース・ラナークシャー州マザーウェルに暮らすダニエル・ミラーさん(63歳)は、昨年9月に8万ポンド(約1,200万円)の宝くじに当選した。“大当たり”を夢見ていたダニエルさんの願いが叶ったわけだが、この当選が人生を狂わせてしまったと嘆いている。

ダニエルさんは長年健康に問題を抱えており、労働年金省(Department for Work and Pensions 以下DWP)から複数のベネフィット(生活保護手当)を受けていた。しかし宝くじの賞金を得た後もダニエルさんはDWPに申告することなく、賞金もわずか2か月ほどで全て使い果たしてしまった。昨年12月に税務署から通報を受けたDWPが、ダニエルさんの生活保護手当、住宅手当、住民税の減税など複数の手当を打ち切ったことで、現在ダニエルさんは極貧生活に転落してしまったようだ。DWPの対応について、ダニエルさんはこのように語っている。

「9月に宝くじに当選したのは事実だが、DWPにベネフィット支給の面接に行った時には賞金を手にしていなかった。事実、私の口座は7ポンド(約1,000円)マイナスという状況だったんだ。宝くじに当選したことをDWPに申告しなければならないとは知らなかった。書類には生活の状況が変われば申告するようにとあったが、特に詳細は記載されていなかった。だから私は得た賞金を息子2人や娘の家族に分け与えて、それぞれ一家の旅費も出した。クルーズ旅行やスペインのベニドルムへの旅行もして、台所やリビング、浴室など家も改装した。妻ブリジットと自分のための衣類も購入したり、近所の人たちや友人らにも金銭的援助をしたんだ。だから2か月で賞金は消えてしまった。宝くじで何億という賞金を得ている人がいる中で、自分たちはほんの少し幸運に恵まれたと思っていた。それなのに、DWPから手当を打ち切られるという罰を与えられてしまったんだ。」

(後略)

このような話は洋の東西を問いません。同じサイトでは、やはり7億円を超える賞金を、3年で使い果たした人も紹介されていますし、 夫婦そろって死刑を執行された夕張での保険金放火殺人では、1か月で1億円を使い果たしたそうです。84年の話ですから、いまより貨幣価値は高いはず。なにに金を使ったのかは詳らかでありませんが、あるいは愚にもつかない投資か何かですかね。

それにしても

>得た賞金を息子2人や娘の家族に分け与えて、それぞれ一家の旅費も出した。クルーズ旅行やスペインのベニドルムへの旅行もして、台所やリビング、浴室など家も改装した。妻ブリジットと自分のための衣類も購入したり、近所の人たちや友人らにも金銭的援助をしたんだ。

とかでは、あまりに金の使いかたが馬鹿馬鹿しいですね。

>近所の人たちや友人らにも金銭的援助

というのは、近所に借金でも返したのかもですが、いずれにせよ不要不急な出費がほとんどでしょうから、それではいくら金があっても足りません。夕張など、最初の保険金受領の際は、

>白亜2階建ての自宅兼事務所を新築。子供たちにポニーを買い与えたりするほか、妻が経営するスナックの改装やアクセサリー店・ダイエット食品店の開業、さらに高級車リンカーンをはじめとする数々の奢侈品を買いあさる

という具合だそうで、これではお話にもなりません。馬鹿にもほどがあるというものです。その末路が、夫婦そろって同じ日に死刑を執行されたですからひどいものです。

なお日本の拘置所は1日に2名までしか死刑を執行できませんので(原則午前中に執行と後片付けまでするので、2名が限界です)、1事件でそれを超える人数の死刑確定囚がいる場合は、他の拘置所に移送されます。最近映画化もされた大牟田市での一家4人で死刑が確定した事件では、2名(母親と次男)が福岡拘置所に残り、父親は広島拘置所、長男は大阪拘置所に現在収監されています。法務省としては、死刑執行に際しては4人同時に行う腹積もりかと思われます。

それはともかく、保険金殺人の夕張の件は論外ですが、ロバート・ルイス・スティーヴンソンの小説「宝島」にも、ベン・ガンという登場人物が、1千ポンドの分け前を19日くらいで使い果たしたというくだりがあります。これはフィクションですが、つまりはそのような人間はいくらでもいるということです。日本の宝くじも、大当たりした人には注意書きみたいなものをくれるそうで、トラブルを起こした人間が無視しえない数いるわけです。

つまり前に記事にした、米国のスポーツ選手の散財と同じです。いくら金があったって、無計画に気まぐれな浪費をしていたら、金なんかすぐなくなってしまうのです。

詐欺同様、こういう話は「自分はそうはならない」でなく、「自分もそうなりうる」と考える必要があるのでしょう。ケイリー・グラント先生(「先生」とつける理由は、スポーツ選手の記事を参照してください)のように、慎重かつ冷静に生きていくことが必要だということです。


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