ここしばらく話題だったTOKIOの山口の件は、彼がジャニーズ事務所を退所する、必然としてTOKIOも脱退となる、ということで一応の決着をみましたが、この件は、酒の問題、未成年者への性犯罪の問題、連帯責任問題(これもやっぱり、私が記事にした、学生の行動を陳謝した法政大学や、元夫の犯罪を陳謝した清原亜希(現・亜希)と同じような部分もあるかと思います)などいろいろな側面で論じることができるかと考えます。で、今回は、依存症の件について記事を書くことにします。
なおお断りしておきますが、私はこの記事の中で「依存症だから許される」とか「依存症であることを情状酌量すべきだ」とは主張しません。当たり前ですが、この点誤解のないようにお願いします。また、依存症は自己責任である、という主張もご遠慮ください。それでは話が済まないからまずいのです。
ご当人は、自分がアルコール依存症であるということを否定していると報道されていますが、アルコール関係の治療をしていて、それで退院したらすぐ焼酎をがぶ飲みしたというのは、明らかにアルコール依存症であるかと思われます。依存症は否定の病とまで言われるくらいで、なかなか本人が「自分は依存症である」と認めるには至らないのです。それで文字通り身を滅ぼしたのがこの人物です。
中川財務相、G7会見で迷言 泥酔
彼は2009年8月の選挙で小選挙区で落選、比例復活もできず国会議員でなくなります。それからまもない10月に自宅で死亡しているところを発見されましたが、これも酒の飲みすぎが死の原因だったのでしょうね。Wikipediaにも、これでもかとばかりに、彼の酒を原因とすると思われる不祥事が取り上げられているくらいです。
そういうことを言ってはいけないのかもですが、むしろ落選をチャンスとして、本格的に精神病院にてアルコール依存症の治療をすべきだったのでしょうが、しかし彼はかえって酒へのおぼれ方がひどくなったようです。そして彼は、まさに酒のために命を落としてしまったわけです。
またちょうど昨日報道されたこの件はいかがでしょうか。
>酒気帯び運転の消防士「懲戒免職」 東北中央道で正面衝突事故
2018年05月09日 08時32分
山形県米沢市の東北中央道で2月、大型トレーラーと正面衝突する事故に遭った際に基準値を超えるアルコールが検出されたとして、双葉地方消防本部は8日、富岡消防署の男性消防副士長(26)=いわき市=を同日付で懲戒免職処分にしたと発表した。
同本部によると、双葉地方広域市町村圏組合が4月27日の懲戒審査委員会で処分を決め、今月8日に管理者の松本幸英楢葉町長が決裁した。管理監督責任があったとして、消防長(57)と次長(58)を同日付で戒告処分とした。
消防長は「被災地の住民の生命、身体、財産を守る消防職員が、人の命を奪いかねない飲酒運転という重大な法令違反を起こしたことは痛恨の極み。再発防止策を徹底していく」とのコメントを発表した。 同本部によると、元消防副士長は2月27日午前6時30分ごろ、東北中央道で酒気帯び状態で車を運転し、大型トレーラーと正面衝突した。2012(平成24)年5月にもいわき市内で酒気帯び運転をしたとして、停職6カ月の懲戒処分を受けている。
私がこの記事で注目したいのが、この人物は、6年前にも酒気帯び運転で停職6か月という重い懲戒処分をお受けていたということです。消防だから退職しないで済みましたが(これは、厳しい消防局とそうでないところがあるみたいです)、警官なら確実に依願退職です。それにもかかわらずこの人物はまたしても飲酒運転事故をしてしまったわけです。それにしても20歳の時点ではさすがに依存症ではなかったのかもですが、彼は爆弾を背負っていて、やはり飲酒がやめられなかったということでしょう。まさに依存症だと思います。
で、依存症についてはあまたの本が出ていますが、最近私が読んだのがこの本です。いろいろな本が出ているし、ネットでも充実したものがいろいろあると思いますので、よろしければぜひご参照ください。
依存症といってもいろいろです。酒、煙草、ドラッグ、セックス、ギャンブル、いじめ、ネット、摂食障害、痴漢、万引きその他様々なものが依存症として生じているわけです。ご記憶されている方もいるでしょうが、こんなことまでありました。
たぶん何らかの依存症なのだろう(2月13日発表)上の記事は、宮崎という議員が不倫で辞職した件についてのものですが、明らかにこの人物は、女とか恋愛とか不倫とかセックスとかを我慢できなかったのだろうと考えられます。治療が必要でしょうが、アルコールに対する抗酒剤や煙草に対するニコチンパッチのような使えるものは、恋愛依存やギャンブル依存などにはありません。抗酒剤やニコチンパッチだって、飲むのを拒否したり、つけなければそれまでです。依存症を強力に治す薬があったら、たぶんノーベル賞も夢ではありません。
それで例えば、ギャンブル依存のおかげでとんでもない事件も起こります。たとえば次のような事件はどうでしょうか。
>男児2人殺害
38歳母親に懲役15年 福岡地裁
毎日新聞2018年1月24日 19時52分(最終更新 1月24日 20時16分)
福岡県八女市で2016年6月、乗用車内から男児2人の遺体が見つかった事件で、2人を殺害したとして殺人罪に問われた母親の山口県光市、中下麻子被告(38)の裁判員裁判で、福岡地裁(足立勉裁判長)は24日、懲役15年(求刑・懲役18年)を言い渡した。
足立裁判長は「犯行は非情で残酷。厳しい非難を免れない」と指摘した一方、「次男の障害や夫による遺産の浪費などでストレスが重なり、うつ状態に陥って孤立感を強めた経緯には酌むべき事情が多い」と述べた。
判決によると、16年6月7日夜~8日未明、熊本県山鹿市と熊本市の路上で駐車中の車内で、次男結弦(ゆづる)ちゃん(当時3歳)と長男の小学6年、龍之介さん(同11歳)の首をそれぞれベルトと荷造り用のロープで絞めて殺害した。
中下被告は08年に交通事故で亡くなった両親から8000万円の遺産を相続したが、夫が競馬や車の購入などに浪費し、16年4月には底をついた。さらに摂食障害などがあった次男について義父と夫から「(障害は)両親に呪われているから」と言われ自殺を決意。「自分が自殺すれば次男の面倒を見る人はおらず、残った長男もさみしい思いをする」と2人の殺害も決めた。
足立裁判長は説諭で「問題を抱えた時は背負い込まず、周囲の助けを借りていい。今後は生きる価値を見いだし、社会に貢献できる人になってほしいし、それができる人だと信じている」と語りかけた。【平川昌範】
>中下被告は08年に交通事故で亡くなった両親から8000万円の遺産を相続したが、夫が競馬や車の購入などに浪費し、16年4月には底をついた。
競馬の話が車の購入より前に来ているのだから、たぶん競馬で使った金のほうがずっと多額なのでしょう。公務員とか大企業の社員とかが、会社や顧客の金を横領する事件も、ギャンブルや女など、依存の性質が強いものが原因のことが多いように感じます。下の記事で私は次のような事例をご紹介しました。
ギャンブルというのは、あらためてやばいものだと思う> 男性消防士は先月初旬、上司に大型免許試験に合格したと報告していたものの、実際は昨年6月から約1カ月教習所に通っただけで試験は受けていなかった。市消防の聞き取り調査に対し「教習所に通うお金がなくなった」と話している。また、先月末には男性消防士がギャンブルでつくった借金を返済するため、職場の旅行積立金約55万円を横領していたことも発覚。既に全額を返したものの、市消防は業務上横領容疑での告発を検討している。
教習所へ通えなくなったというのもつまりはギャンブルでその分の金を使ってしまったからです。前に私が現場を訪れた誘拐殺人事件(こちら、こちら)も、あるいは名古屋の女子大生誘拐殺人事件も、死刑が執行された犯人たちはどちらもギャンブル依存症だったと思われます。ギャンブル依存ではありませんが、たぶん私が記事でとりあげたこの横領事件も、横領犯は女に明らかに精神的に依存していたのでしょう。でなければ、こんな見え透いた嘘で、こんなクズにそんな多額の金を貢いだりはしないでしょう。
ほかにもいろいろ読んでいるだけで鬱になるようなしょうがないネタがいくらでもありますが、ともかく依存症というのはやばいし、それで犯罪とかに走っちゃうと人間それだけで人生おしまいです。たぶん「依存」ということと人間とは切っても切れない関係にあるはずですが、私たちとしては、依存症についてどれだけ自分も損をせず他人にも迷惑をかけないようにするかということを考えていかなければいけないということに尽きます。読者の皆様もぜひお気を付けください。私も気を付けます。