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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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韓国と良好な関係を保てないで、拉致問題解決や対北朝鮮対応などできるわけもない

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先日の時事通信に興味深い記事が出ていました。

>日本人拉致問題に暗雲=橋渡し役韓国と関係悪化
2019年01月15日19時16分

 安倍晋三首相が「政権の最重要課題」と位置付ける日本人拉致問題が動いていない。首相が意欲を示す北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との直接対話は実現のめどが立っておらず、橋渡し役を期待する韓国との関係も悪化。問題解決の行方には暗雲が垂れ込めている。

 「あらゆるチャンスを逃さずに、拉致問題の解決に臨んでいきたい」。首相は15日の政府・与党連絡会議で、日ロ平和条約交渉と並ぶ外交課題の一つとして拉致問題を挙げ、「戦後日本外交の総決算に取り組む1年にしたい」と力を込めた。
 政府は、これまで北朝鮮との間で北京の大使館ルートなどを通じて接触を図り、「あらゆる努力を継続中」(菅義偉官房長官)との説明を繰り返している。だが、日ロ交渉とは対照的に、日朝間では交渉の糸口すらつかめていないようだ。

 背景には、北朝鮮が米国との非核化交渉に神経を集中させ、「日本に関心を見せていない」(政府関係者)ことがある。外務省幹部は「日朝は停滞気味だ」と指摘。首相は10日のロンドンでの記者会見で、日朝首脳会談に関し「決まっていることは何もない」と認めざるを得なかった。
 さらに、ここに来て日朝交渉の実現を難しくしているのが日韓関係の冷え込みだ。元徴用工訴訟や韓国駆逐艦の火器管制レーダー照射問題をめぐり、日韓両政府は互いに非難。自民党からは駐韓大使の召還や査証(ビザ)の発給制限など対韓制裁を求める声が上がる。
 韓国の文在寅大統領は昨年4月と9月の南北首脳会談で拉致問題を取り上げ、正恩氏から「日本と対話する用意がある」との言葉を引き出した。このため、政府内には文氏に日朝交渉の仲介役を期待する声もあるが、関係悪化の影響で首相と文氏の会談の機運はしぼんでいる。
 拉致被害者横田めぐみさんの母早紀江さんは15日、めぐみさんの同級生と首相官邸で、拉致問題担当相を兼務する菅氏と面会。「入院中の主人もめぐみちゃんに会えるまで頑張ると言っている。一刻も早く再会できるようお願いしたい」と求めた。菅氏は「全力で取り組む」と応じたが、事態が動く兆しは今のところ見えていない。(2019/01/15-19:16)

記事の内容自体は、正直私みたいな人間でも過去に書いているくらいのことですが、でもこういう記事を通信社が書いたのは称賛に値しますね。なかなか日本のマスコミは、このようなことを書こうとしない。

かつて私は、bogus-simotukareさんの記事によせたコメントで、

>けっきょく安倍が全然拉致問題で結果が出せないのも、中国や韓国などとのパイプがないことが一因でしょう。中国はまだしも韓国は、現在北朝鮮側に何らかのアドバイスができる状況ではないかもですが、まあよほど思い切った手を打たなければ、何もどうしようもないでしょうね。

と書きました。こういっては何ですが、こんな話は、拉致問題をちょっとまめに追っていれば、自然にたどり着く結論です。いいとか悪いとかの話でなく、単なる真理です。しかし、現日本政府(安倍政権)、巣食う会、家族会など、どれもこういったことを徹底的に逃げていますよね。これではお話にもならんでしょう。

前にもご紹介しましたように、これは産経新聞にも載っていた話ですが、拉致問題の解決に当たっては、当時の金大中大統領やその側近の統一相である林東源氏が、北朝鮮とのパイプ役で動いてくれていたことが明らかになっています。

>林東源は、小泉からのメッセージも金正日に伝える。「拉致問題に進展があれば、国民を説得して関係改善を進める意思がある」との趣旨だったという。

 林は「日本人拉致は『過去に過激な盲動分子がやったことだ』という程度に認め、遺憾の意を表し、早期の帰還措置を取るのがよい」という「金大中の考え」を伝えて説得したとも回顧録で主張している。

産経新聞の考えでは、これは「金大中が金正日と癒着している証拠だ」「金大中はとんでもない野郎だ」ということなのでしょうが、そんなことより、韓国のトップが、北朝鮮側に話をつないでくれたということが重要なわけです。こういったことで動いてくれたことが、拉致被害者が日本に帰国できた大きな助けになったと私は考えるわけです。だから私は、もちろん拉致被害者の身内ではありませんが、金大中、林東源氏ほか、この件で動いてくれた韓国のさまざまな人たちには、本当に感謝したいと思います。ほかの問題で金大中氏に批判的であったとしても、これは(もし拉致被害者が日本に帰ってこれてよかったと考えるのなら)感謝すべきでしょう。ところが、これも何回紹介したかわかりませんが、荒木和博などは、金大中氏が殺されていればよかったなんてクズなことをほざく始末です。つまりこの連中は、実のところ拉致被害者が日本に帰ってきてよかったとは思っていないということでしょう。それで小泉首相や田中均氏みたいな本当に動いてくれた人が罵倒されて、それで安倍みたいに口先だけで何もしない野郎がいまだに家族会では支持されているみたいなのですから、世の中ここまでの忘恩の連中は、私は見たことも聞いたこともありませんね。木が沈み、石が浮くとはこのことです。

さて、私が上の引用を紹介した記事を書いたのは2016年で、当時の朴大統領という人物は、北朝鮮と敵対していた人物でしたので、どっちみち韓国ルートで北朝鮮と話ができる状態ではありませんでしたが、現在の文大統領は、ともかく北朝鮮とそれなりに話ができる人ですよね。それで日本政府は、それを活用しようという意思があるんですかね? どうみてもなさそうですが。

安倍晋三が北方領土問題解決に向けて本格的に動く意向であるニュースを知って、私は「ああ、拉致問題は、自分の任期中では解決に動こうとしないということなんだな」と思いました。北方領土返還も大変ですが、これと拉致問題解決を一緒にするのはまずできない相談です。で、こういう件については、さすがに拉致被害者家族はそれなりに話をすべきだろうと思いましたら、上の引用記事でも紹介されていますが、こちらを。

>横田めぐみさん救出へ署名提出 早紀江さん菅長官と面会

北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさんの母・早紀江さんらが、菅官房長官と面会し、6,600人を超える署名を手渡した。

同級生の会のメンバーは、横田早紀江さんとともに、6,600人以上の署名を菅官房長官に手渡した。

同級生は、「これ以上、めぐみさんの両親が苦しんでいる姿を見るのがつらい。一刻も早く帰ってほしい」と訴えた。

とありまして、この記事では触れられていませんが、別の記事を読むと、また違ったものが見えてきますね。

>「一日も早い解決に全力」菅官房長官がめぐみさん同級生と面会

毎日新聞2019年1月15日 18時20分(最終更新 1月15日 18時34分)

 拉致問題担当相を兼務する菅義偉官房長官は15日、首相官邸で拉致被害者の横田めぐみさん(行方不明時13歳)の同級生で作る「横田めぐみさんとの再会を誓う同級生の会」(池田正樹代表)のメンバーらと会い、「一日も早い解決に全力で取り組む」と重ねて表明した。

 池田さんは同級生らが集めためぐみさんの帰国を求める約6000人分の署名を手渡し「もう少しすれば米朝首脳会談があるかもしれないが、一刻も早く日朝首脳会談を実現し、解決に突き進んでほしい」と求めた。めぐみさんの母早紀江さん(82)も同席。父滋さん(86)の近況について「めぐみちゃんに会うまでは頑張ると言っている」と語った。【高橋克哉】

ここでは、

>一刻も早く日朝首脳会談を実現し、解決に突き進んでほしい

ということが、「池田さん」という方から述べられたと書かれていますね。

さすがに「北朝鮮混乱時での自衛隊による救出」なんてのは現実性がないと認めざるを得ないということかもですが(もちろん部外者が、担当相にそんなことを頼むわけもないですが)、日朝首脳会談を実現する態勢には、最初に紹介した記事にもあるように、まったくなっていないですね。新日鉄住金の件では、高裁の段階で判決受け入れあるいは和解に動こうとしていた新日鉄住金に、政府が「しないでくれ」と頼んで最高裁判決が出たとか、レーダーも、自衛隊側が渋ったのを無理に公表したとかいろいろ言われますが、いずれにせよこういうことを「悪いのはすべて韓国側だ。日本に一点の落ち度もない」とか主張してもしょうがないですよね。三菱マテリアルでは、けっきょく和解したし、レーダーも、仮に日本に一点の落ち度がなかったとしても(どうなのか私は知りません)、こんなのはむしろ韓国側に恩を売るくらいの程度のことでしょう。いちいち大問題とするようなものではない。けっきょく「韓国に頭を下げたくない」「韓国に借りを作りたくない」「拉致問題で、北朝鮮と交渉したら、自分の株が下がる(中国やロシアに対しては、安倍のほうから頭を下げていますけどね)」とかいうくだらん話なのでしょう。むしろこの件は、そういうことを本格的に批判しない拉致被害者家族(荒木とか西岡力らは、議論すべき連中ではないでしょう)の問題でしょう。たぶん今後もだらだら安倍支持を続けて安倍の首相退任の日を迎えるんでしょうね、このままでは。いや、私は何もできませんから別にいいですけど(私は拉致被害者家族でもその代理人ではないので)、拉致被害者家族の人たちはそれでいいのかなあですね。何もしないのに支持する(される)、世の中こんな馬鹿げた話はそうもないでしょう。

つまりはこれも、いろいろな理由はあるのでしょうが、かなり早い段階でボタンを掛け違って、それが今日まで至った、ってことなんでしょうね。安倍をいまさら批判できないという部分が大きいのでしょう。たぶん巣食う会を切り捨てることも。蓮池透氏らに謝罪することなども同じでしょう。いまさら縁を切れない、頭を下げられないというこれまたくだらん話です。

で、たぶんこれは、2002年の日朝首脳会談で、その成果を、ちゃぶ台返しで反故にしちゃったことが大きいのでしょう。それは日本政府の問題でもありますが、けっきょくその際では自称対北朝鮮強硬派だった安倍だって、首相を延々続けていても強硬策もふくめてこれといった成果を出せていないわけです。自分の誤りを認めるのは嫌でしょうが(もちろん私も嫌です)、こんなことで安倍とかにすがっていたり、非常識な反韓の姿勢を保っていても、問題は一歩も進みませんね。強くそう思います。


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